読む日々

テーマばらばらの読書日記

冬晴れの街

2011-08-09 | 
赤瀬川隼「冬晴れの街」

10篇の短編集。
中年~初老にかけての男性視点の物語のみ。

女性視点とは違って面白かったけど、「女ってそうじゃないでしょ」「幻想抱きすぎ」みたいな部分も結構あったかも。
でも、そこも織り込み済みで、わかった上で書いてあるのかなあ、とも思いました。

1・朝めしの記憶・・・・妻が仕事をしたことでだんだんすれ違い離婚した夫婦。叔父の一言から(朝飯の講釈)元妻にもう一度ブロポーズするまで。
2・ハンナ・シルヴェスターの日記・・・大学のイタリア語の講師も務める映画評論家。宇都宮での映画祭で元教え子と再会。
一夜を共にするが、女性の方は「次も笑って会いたいから」と 一人で帰京してしまう。
3・青衣の自画像・・・・ある男の元へ絵の展覧会の案内状が。画家に全く心当たりがないが、気になり訪ねる。その画家が生んだ子どもの父と、珍名なのに同姓同名だった。読後感良し。
4・パートタイム・・・・飲み屋で知り合った画家の卵の女性に惹かれ、ある日部屋を訪ねて関係を持つ初老の男。後日訪ねたら若い男が部屋の整理をしていた。実は絵の師匠と一緒に住む為、彼女はアメリカへ渡ったと聞かされる。最初から一夜限りと彼女の方はわかっていたらしい。
5・朝の遊子・・・・仕事が最近パッとしない評論家。心をいやすために訪れた馴染みの温泉旅館で元妻と再会。
6・冬支度・・・・ゼネコン広報室勤務の男が翻訳家に惹かれる。イタリア勤務を命ぜられてプロポーズするまでのヒトこま。
7・紙礫・・・・貧しい家の少年が夜間高校に通いながら新聞社でバイト。原稿を貰いにいった先での作家一家との交流。
これが一番よかった。
8・アベルの手記・・・戦争で一度死んだと思われていた父と、父が死んだと思って再婚した最初の妻。その間に生まれた兄と父と自分を語る、二度目の妻との間の長男の話。
9・風舞い・・・・母の三回忌で集まった6人兄弟(のうちの5人)。母が長女に残した手記を読むように勧められる長男。そこには父と結婚する前の母の初恋がつづられていた。
10・団子汁・・・貧しい少年時代を送った大分へ妻と次女と旅に出る。同級生と連絡をとり久々に会うが、その年に友人は亡くなってしまう。


おもしろかったけど、何も残らない。阿刀田高っぽさがあったみたい。年齢が近いからかな。
満足度60

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