読む日々

テーマばらばらの読書日記

貧困の光景

2010-09-18 | 
曽野綾子「貧困の光景」

戦中派?ってイメージの作家さんだったので、題名見た時は戦中戦後の日本の姿を振り返った本かと思いましたが

世界の貧困の様子を見たまま記した本でした。

アフリカのある国では、新しい服を与えたら着ていた服は回収しないといけない。なぜなら、そうしないと新しい服を売って以前の物を着てしまい、なんの解決にもならない、
とか
ある国では食材を支給しても売ってしまったり丈夫な子が食べたりして、本当に食べなきゃならない子の口に入らないから、給食で支給しないと意味がない、

とか、そういったお話。

そしてラストに日本は弱者を切り捨てる国だというが、国家が食べさせてくれるなんてそういう諸国に比べたら天国だ、という記述。

うーーん。そっか、そうだよね、それは正論。でも違和感。
人は絶対に平等ではないし、生まれおちた環境は自分で決める事はできないです。その中でみんな精一杯生きていくことが大事であって、それは国によって人によって違うのは仕方ない。日本人だって、食べる事は今は不自由はないかもしれないけど、それは日本なら皆そうなわけで。その上でまた様々な「生き方」とか「生き様」に悩んで苦しんで生きている。

それは食べる事すらできない国に比べたら幸せな、天国のような事なの・・・?
うまく言えないけど、違う気がする。だれか わかりやすく説明できないかな。

その日本だってこれからどうなるかわからない。でも、変わりゆく環境を受け入れて、その中で生きていくしかないわけで。うーん。「比べる」事自体に違和感を感じたのかな、とにかく悩んで終わっちゃいました。

満足度35