ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

千葉科学大学の公立化は難航することに

2024年02月02日 00時00分00秒 | 国際・政治

 千葉科学大学が銚子市に対して公立化の要望を出したのは2023年10月1日のことです。これについては「公立化は無理ではないか」において取り上げましたが、その後がどうなっているのか、気になっていました。どうやら、話が全く進んでいないようです。朝日新聞社のサイトに、2024年1月31日10時45分付で「千葉科学大学公立化、銚子市の検討委開けず 教員の雇用形態がネック」(https://digital.asahi.com/articles/ASS1Z7T95S1ZUDCB00F.html)という記事が掲載されていました。

 見出しだけで或る程度の内容を知ることができるような記事ではあります。

 銚子市と、千葉科学大学を経営する学校法人加計学園は、千葉科学大学の公立化後の「基本的な運営スキームについて協議を進めている」ところです。これは、銚子市が設置する検討委員会における議論のベースづくりのためですが、両者の間にはかなりの隔たりがあると考えるのが自然でしょう。公立化に際して生ずる問題、あるいは公立化によって発生する問題はいくつもあるはずですし、銚子市としては財政負担が発生しない、あるいは発生しても必要最小限に留めたいところでしょう。

 そのうちの最大の問題とされるのが、千葉科学大学の公立化後における教員の雇用形態であり、銚子市と加計学園との合意には至っていません。千葉科学大学に在籍している教員は110人ほどであるのですが、加計学園は新設される公立大学法人への所属を求めているのに対し、銚子市は加計学園から教員を公立化後の大学に派遣する形を採ることを主張しています。

 現在、●●県立大学、▲▲市立大学など公立大学は地方独立行政法人法で定められる地方独立行政法人のうちの一般地方独立行政法人とされる公立大学法人が設置し、運営するものとされています。同法を読んでも、銚子市が言うように教員を加計学園からの派遣により配置することができるのかは疑問ですが、公立化後の大学の理事長や学長(基本的には理事長=学長ですが、別々とすることも可能です)などを選任しなければならないことからしても、教員全員を学校法人からの派遣でまかなうことは難しいでしょう。また、銚子市の案では、公立化の大学教員の職位はどうなるのかが不透明です。

 今後、銚子市は検討委員会において議論を進めることでしょう。ただ、難航が予想されます。

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梶が谷保線区

2024年02月01日 00時00分00秒 | 写真

東急田園都市線の梶が谷駅(DT11)の構内、1番線のすぐそばに、梶が谷保線区があります。以前にも取り上げたことがありますが、今回は保線区に常駐している車両の写真です。

 奥にUltrasonic Search Trolleyと書かれている車両が置かれています。超音波レール探傷車です。東急電鉄のサイトでは「夜間作業時間帯(終電後~始発まで)に当社鉄道線を走行し、レールの内部に発生した傷を超音波によって検知する保守用車で、レール折損などの事故を未然に防ぎます」と紹介されています。右側に東急のマスコット「のるるん」が飾られています。2023年4月から使用されているとのことですが、私も作業中の様子を見たことはありません。

 モーターカーと貨車です。バラストやレールを運ぶのでしょう。モーターカーの運転台の屋根にはクレーンが装備されています。東急電鉄のサイトでは「1台のモーターカーで85トンを牽引する能力があり、重い物を運ぶ場合は、2台繋げて運ぶこともできます」と書かれています。

 保線の様子を見ることはなかなかないし、時間帯からしても難しいのですが、こうした車両を使った保線作業があってこそ、我々が安心して鉄道を利用することができる訳です。

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