この間、マイケル・フリンを本当に登用するのねトランプと多少の驚きと、まぁでもそうなんだろうという納得感の半々で書いたけど、今度は、トゥルシーさんまで来た。
トランプ氏、サンダース支援の民主党議員と会談
http://www.asahi.com/articles/ASJCQ2CCXJCQUHBI006.html?iref=com_latestnews_05
米国のトランプ次期大統領は21日、新政権発足に向けた人事選考で、民主党のトゥルシー・ガバード下院議員(35)と会談し、外交・安全保障問題で意見交換した。米メディアは、トランプ氏が国防総省か国務省の要職に同議員の起用を検討していると報じている。
彼女は、去年の11月、シリアでの米の混乱について、
「簡単なことです。ペンタゴンとCIAはアサドを追い出すことを目的とした違法な行動を止めればいいんです」
と言い切った人。軍歴がある人だから、これがつまり軍の一部の声なんだろうなと思ってた。
シリアでの違法な戦争を止めろ by 米ハワイ州選出議員
「米国はシリアで2つの戦争を行っている。一つは、ISIS他過激派に対するもので、これは9/11以降のテロ対策として議会の承認を得ている。もう一つはシリアのアサド政権を打倒するという違法な戦争だ。」
彼女は、ブラック上院議員と並んで、シリアでの米国の戦闘行為を違法であると言い続けたごくごく少数の議員さん。ブラック議員のインタビュー等はここ(宴の始末(18) クリントン氏メール問題と主流メディアの敗北)
中東情勢についての認識が、米は違法行為をやめて、ISとの戦いに集中すべきだという点でフリンと似てるといえば似てる。
トランプ、ホントにフリンを起用するらしい
したがって、この人の場合も、リスクとしてペンタゴンが戦争を拡大しかねないというリスクがある。
ただ、拡大しかねないといっても一体何ができるんだ?と考えると実行可能な戦争拡大案は実はあんまりない。クルド問題はちょっと別枠。
ロン・ポールらが言っている通り、現実問題として、サウジ、トルコらにテロ支援をやめさせて、米軍も手を引いて、アサドを倒せとかいうバカみたいな話をまず止めれば話はごく小さくなる。後の始末はロシア軍と外務省がまめまめしくやってるスキームに乗せればいいだけ。
それでも中東から出ていきたくないのなら、合法的なイラク駐留が可能であればそれだけにしてあとは撤退すればいいだけではあるまいか(イラクは拒否するかもしれないが)。
しかしここに別のファクターがちょっとある。イスラエル。イスラエルが懸念しているのは、シリアのアサド政権がサバイブすることよりもなによりも、この取り組みによってロシアとイランの信頼関係がますます大きくなってること。イスラエルはこれが嫌。とてもイヤ。
ロシアがいてくれることは、ヒズボラも攻撃してこないし、シリアが大崩れしてそのあおりでゴラン高原が紛争になったらイヤだというのもあるので、当初の目論見はともかく、まぁいいか、勝手にやれよ露助、的な考えもある。が、イランと手を組むのをやめてくれ、頼むからやめてくれ、ってところで困惑しているのがイスラエル。
それをまたイランのプレスTVがかぎつけて、イスラエル困ってるみたいよとかいう記事を書くから楽しくなる(笑)。
Gap with Russia disturbing: Israeli official
http://www.presstv.ir/Detail/2016/11/17/493988/Israel-Dichter-Russia-
Middle-East-Syria-Iran-Hezbollah
そう。イスラエルは今あまり動けない。
そこでオバマが最後に何かするのではないのかと、多くの人が興味深々で見守っている。
これこれこの話。オバマはレームダックならではのぶっちぎり作戦を使う可能性をまだ秘めていると思う。
イスラエルのパレスチナ解体計画
2016年11月1日 田中 宇
https://tanakanews.com/161101palestin.htm