予想通り、イラクの議会が米軍駐留の撤回を求める決議をした。
するとトランプ爺、俺らは何十億ドルもの金使ってるんだ、お前らが金を払わない限り出て行かない、言うこと聞かないと制裁だぞ、と言った。
もう、居直り強盗そのまんま。
イラク議会、駐留米軍の撤退を要請 トランプ氏「大きな制裁」を警告
https://www.afpbb.com/articles/-/3262196
そういえば去年は、ベネズエラで、ベネズエラ資産の差し押さえ、などという理由がありそうな言い方がメディアでは使用されていたが、実体は、なんのことはない、米英はまじもんのカッパライをしていた。
他国に勝手に武装した人間を送り込んで、ゆーことをきけーーーーとか言ってる人たちって、いったい何? どうして誰も止められないの?
しかも、最初に泥棒まで働いているわけですからね。
ベネズエラ:ほとんど海賊にあったようなもの
それを、世界中の大きな国々が、素晴らしいわとか言ってるわけでしょ。もともと西欧とは植民地主義の国だとは知っているものの、怒りというより呆れる。
レジームチェンジとかいう語すらカッコよく見えるほど現在はただの強姦魔みたいなものになっている。
ベネズエラの混乱とマフィアの時代
■ 1930年代
で、要するに、トランプ政権ってヒトラー政権だと思ってみてればわかりやすい。
ヒトラー政権はベルサイユ条約で気ちがいじみた負担をドイツに押し付けたことを遠因として生まれ、方やトランプ政権は自分たちのフシダラのせいで米の何やっても上手くいかないポジションがあるという大きな違いはあるが、非常に似てるのは、両方とも苦境を誰かのせいにして気持ちを高めるが、その誰かが間違ってるところ。
トランプとその支持者たちは、この状況を自分たち、つまりアメリカとか西側のせいだと思ってない。俺たちは損な役回りを押し付けられているぅううう、というメンタリティーが非常に顕著。はたから見れば、アホかって話なんだけどトランプ周りはそう。
ヒトラー支持者のメンタリティーの中では、敵はボルシェビキとユダヤ人だったが、トランプ軍団のそれは中央銀行、銀行家集団とイスラエル。
トランプは実際には様々なイスラエル擁護団体とまったくの懇意なのだが、トランプ支持者はそこを見ない。あるいは、それはネタニヤフをはめるつもりなのだ、とかとか深謀遠慮があるはずなのだというストーリーになってる。
両方とも、部分的に真理ではあるだろうといったものをつまみ食いして、話を手前勝手に膨らませてあたかも真理であるかのように振りまいてフォロワーを獲得していく。嘘話を信じる人間が多数になった時にはその嘘が方向性の制御、変更にとってブレーキになる、などとは全く考えない。そういう意味でとってもプリミティブで、そしてシニカル。
そして両方とも、この動きをドライブしている西側というシステムを見ていない。システムを考える人でも誰か数人とか1つの集団が操ってるみたいなイメージで語ってる人が多いが、しかし実際には、そうした集団がもちかける夢や構想に手前勝手な希望を託す利害関係者が共謀しない共謀を行うからシステムが維持されている、と見るのが最適解ではなかろうか。ポイントは同床異夢を放置することではなかろうか。
(その意味で、これらの妄想構想を出していくナラティブ管理の集団は存在すると思う。)
で、1930年代にはこうやっていい加減なことをやっているうちに、英仏がとりわけ無責任かつ夢想的だったポーランドを御しきれず、むしろ互いに疑心暗鬼になったまま、チェコスロバキアの強奪を認めてしまったことから、領土むしり取り合戦に歯止めが利かなくなり、そうして1939年を迎える。
(極東のそれは1931年の日本の満州事変による領土かっぱらい行為。だから長年、第二次世界大戦の始まりは1931年だという説がいわれたりする。)
必要なことは1938年のドイツとポーランドを主犯とするチェコスロバキア分割を欧州各国とソ連が共同して食い止めることだったでしょう。それが大戦争を回避して秩序を維持する最大のチャンスだった。
(もう一回は、イギリスとフランスがドイツ軍侵攻の際にドイツに宣戦布告しないことか。そうせずに事態復旧を工夫すれば欧州戦争にすらならず局地紛争で終わった可能性はあった。しかしそのためには、弱兵の英仏はソ連と手を組む必要があったのにそれが最後の最後までできなかった。本質的にはスターリングラードでのドイツ敗戦まで思い切れなかったのが英仏。終わったらソ連兵を裏切るのがまた英米仏。現在の世界はその上に立っている。米覇権とはソ連の人2700万人の死体の上に立っているというのが私の考え)。
そこから考えた場合、現在求められるのは欧州各国の決意とハンドリングじゃないでしょうか。無理そうだといいたいのはわかるけど、ここで無理だと言ってしまうと、誰も米のマフィア路線を止められない。
独または独仏が米と距離を置いてイラン・ディールを保持するとかイラク議会の決議を無視するわけにはいかない、といった態度をきちんと表明するとかが必要ではないのか。
止まらないとどうなるのか。すわ第三次世界大戦だ~とかいうのは漫画的。というか、それはハリウッド製米軍の話。イラクで手一杯だった米+NATOがどうしてその何倍も大きくて強いイランを「倒して」勝利できるの?
想定されるのは長い、長い非対称戦でしょう。そしてその間、まとまった数のイラン人を殺害すると「我が方勝利」とかいうニュースが流れ、世界最強の米軍とかいって騒いだり、なんなら「自由戦士」の映画もできるかもしれないが、最終的には「アフガン・ペーパー」のイラン版が出る。
それはつまり、米の今以上の没落でしかない。
で、今回はソ連はいないので自分で始めた騒乱を自分で止めなければならない。
ロシアも中国も西側の勝手な乱痴気騒ぎを止めるために自国民を死なせる気は金輪際ないでしょう。そしてもう1人、ドイツもこれ以上手を汚す必要はないでしょう。
この3国は、ベルサイユ講和会議に呼ばれていない。
そして、ドイツは半分とはいえゴールドを本国送還した。戻したのは主にフランス中銀からで、ロンドン、NYが応じていないんじゃないかという説もあった。
ドイツのゴールドの半分はまだ海外だ
■ 参考記事
再び歴史的なモメントを迎えた中露 by 習
五四運動から100年&沈黙の大正時代
買収ジャーナリズムの実態を告発したドイツ人ジャーナリスト亡くなる
いやほんと、難しいところ。スンニ派残党がISになったままだし、ほんともう名前が覚えられないぐらい様々なミリシアができちゃったもんで、アメリカが重石になっている状態を止められないイラクさんというのも事実なんですよね。もちろんそうやって弱体化していくわけだけど。
これは名言だと思います。
これが第二次大戦のイギリスとドイツに当てはまらないか,と考えました。両方ともソ連を潰すという夢は同じだが,表現型は異なる。だったら異床同夢になってしまうか。と思ったのですが,よく考えると,ソ連を潰すことは同床と言っていいほど,英独は話が着いていたと考えるのが妥当なのではないか,そして潰したあとのプランについて異夢であったのではないか,という気がしてきました。やはり同床異夢だったのです。
そして,この同床異夢は破綻します。英独ともソ連の力を見誤ったのですが,ドイツよりもイギリスの方がよほど悔しかったのでしょう。アンシンカブル作戦が無駄と知らされたら冷戦を持って来る。冷戦では中国をうまく取り込んで,同床異夢で勝利したはずだったのに,最近はどうも違うらしい。
こうやって破綻のたびに次の同床異夢を持って来るのがアングロサクソン流なのでしょう。