国会を開くよりも何よりも優先されているらしい首相の中央アジア歴訪なるもの。
一応メモしておく。
トルクメニスタンに異常とも思える額の事業を提案しているんだか協力を申し出ているらしい風なんだけど、これはやっぱり折からのカスピ海はロシアとイランが挟み込んでます状態への切り込み、なんでしょうね。
こういう位置ですから。カスピ海の右側のピンクのところがトルクメニスタン。
中央アジア歴訪 50社同行 中国に対抗
http://www.sankei.com/politics/news/151024/plt1510240014-n1.html
【アシガバート=千田恒弥】安倍晋三首相は23日午前(日本時間同日午後)、トルクメニスタンの首都アシガバートでベルドイムハメドフ大統領と会談し、天然ガスのプラントや火力発電所の建設など総額180億ドル(約2兆2千億円)規模の事業に日本が協力し、確実に実施していくことで合意した。
この事業総額の大きさが目をひく。何をしようってんでしょう? ひょっとしてトルクメニスタンからアフガニスタンを通してパキスタン、インド方面にパイプラインを敷こうとかいう、壮大な話に日本が付き合うのか?
わかりません。そのうち何か出てくるでしょう。
面白く思ったのは、トルクメニスタンは普通にまったき独裁者の国なんだけど、産経サン的には、それは「明るい」ものらしい。あははは。
プーチン率いるロシアは、誰でも知ってる通り軍も強けりゃ治安部門も強大、しかし同時にアカデミズム関係者もかなり強い。国内にはロシア共産党とかいう極右集団みたいな人たちもいる(左じゃないんですよ、これが)。各民族集団もげろげろに多い。イスラム勢力も強い。その意味で実際には非常に多様。それを合議的にまとめてその上にリーダーが乗っているという形なんだけど、そこは華麗にねぐって独裁者プーチンがとか憎々し気に書く。
一方で、マジで足元が緩い国だけどとにかく金はあるのでそれで国民の支持を得ているかなり簡単な独裁者の国がトルクメニスタン。仕組み的にはリビアのカーダッフィーと似ていないくはない。金はあるが理念とか理想はなく、反骨心みたいなのがあるという話もあんまり聞かない独裁国家トルクメニスタンは、どうもOKらしい。つまり、サウジの王族みたいな扱いにできるんだったらそれでいいみたいな感じか?
携帯持ち込めない! “明るい独裁国”トルクメニスタン
http://www.sankei.com/politics/news/151023/plt1510230036-n1.html
天然ガスで潤うトルクメニスタンは、大統領を個人崇拝する慣行があり、「明るい北朝鮮」ともされる。「会談中に携帯が鳴ったら大統領に失礼だから」というもっともらしい説明もあったが、なぜ持ち込み禁止なのか、本当の理由は不明だ。
大統領を個人崇拝する慣行だそうですよ! ソ連関係者が、スターリンを個人崇拝する慣行がソ連にはあった、ただそれだけだとか語ったらエライことになるんだと思うんだけど。あはははは。
産経が入れ込んでいるってことは、共和党ネオコン派の息のかかった案件なんだろうね、多分。それも含めて、続報を待つって感じ。
いやしかし、なんとも日本はしっくりこない国になりましたね。90年代までは、基本的にはアメリカの属国だと誰でも知ってるけど、でも日本国の政府関係者や高官、そして日本国民は全方位的に善意を貫こうという感じの国だと認識されていたと思う。だからこそ、現在の評価が高い。
しかし、現在の評価とは現在の行動に対して形成されるというよりは、10年ぐらい前の行動の評価が今リターンになるって感じだと思うんですね。だって広がって定着するには相応の時間がかかるから。
ということは、今後はまぁ今とは違う確率が日々あがってる、って感じでしょうね。
![]() |
Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi |
Amazon | |
Amazon |
![]() |
大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書) |
池上 彰,佐藤 優 | |
文藝春秋 |
いわゆるTAPIパイプライン案というのが90年代からず~っとあるんですよ。ふと今wikiを見たら、2015年12月着工予定みたいになってました・・・。まさか、まさか・・・。
Trans-Afghanistan Pipeline
https://en.wikipedia.org/wiki/Trans-Afghanistan_Pipeline#cite_note-livemint-2