ドイツの国政選挙が行われ、予想通りメルケルのCDU/CSUは勝ったのだが、前回よりかなり票を落とし、台風の目のような存在だったAfDがこれまた予想通りだが伸びて議席を得るのみならず、堂々の第3党入り。
そして、この結果から、どうやって連立するんだろうかがで難航しそう。
過半数になるのは、多分これしかない。右が、今までと同様のCDU/CSUと社会民主党SPDの大連立。
ところが、SPDは選挙前から大連立しないと言っていた。
ということは、メルケルCDU/CSUに、グリーンとFDP(自由民主党)か。これってつまり、グリーンはほとんどアメリカの民主党みたいな過激なレフト主張を繰り返すし、FDPはイギリスの自民党なんかと同じ系統で、いわゆる保守ではない。CDU/CSU支持者は特にグリーンを嫌がるのでは?
表の文脈ではAfDをナチ扱いしているけど、実のところリアルなバリューとして、メルケルCDU/CSUがネオコン、グリーンがトロキストの末裔だとしたら、ネオコン/トロキストの完全合体を見ることになるのだろうか。こっちの方が、ナチとは西側のプロジェクトだった、という文脈におけるナチの復活により近い気もする(笑)。
だって、比較相対的なものではあるけど、この連合は現実には反ロシア組になるから。
そして、SPDが外に出て、大連立中は存在していなかった本格的な野党がそこにいて、こちらは人気のあるガブリエルが既にロシアとの関係を改善すべきと言ってまわっていた。このへんはわざとどこに分岐点があるのか見せていたと思うな。この人。
となると、金融以外の実業界はユーラシアを向いたSPDの方がいい。ノルドストリーム2もかかってる。オバマの制裁のおかげで迷惑被った非難はメルケルに向かう。
というところで、メルケル政権は、難しい運営になりそう。
組めるとは思いますが、組むと親大西洋派≒反ロシア派を入れる形になるので、メルケル政権の外交がどうなるのかな、ってことであんまり容易ではないと思うんです。バランスが取れない。
今回の選挙での緑の党のスローガンは、「経済と環境の間にoderはいらない!」でした。oderは英語のorに相当する単語で、この二つは両立させるべきだと。
さて、どうなるんでしょうね。