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アサド大統領2度目のモスクワ訪問

2017-11-21 21:14:46 | アジア情勢複雑怪奇

明日は、イラン、トルコ、ロシアの首長がロシアのソチに集まりシリアの政治的決着について語る。

それを前に、シリアのアサド大統領がソチを訪問し、プーチンと会った。

https://www.rt.com/news/410467-putin-assad-meet-syria/

その後、フォーマルな話し会いが非公開で3時間行われたとのこと。

これはあくまでシリアの問題であることを文字通り見せる必要があるということでもあり、私が思うに、多分、不愉快な妥協も入るのではないのかな。イドリブあたりの決着はシリアにとっては不愉快なものになるんじゃなかろうかと想像。

アサド大統領は、あらためて、シリアという国と人々のために犠牲になったロシア軍に感謝を述べていた。ほんとにそう。アレッポでパルミラで、蛮族のバカな攻撃のために亡くなったロシア軍、シリア軍、ヒズボラの兵士たちに感謝したい、私も。

この一戦がなければ、中東はさらに大混乱となっていたことは目に見えていたわけだし、それはつまり、ルール無き時代への幕開けだった可能性さえある。その意味では満州事変から満洲国建設という領土切り取りを阻止したと考えてみてもいい。

 

一方こちらは、イランのハメネイ師が、スレイマーニ将軍などダーイッシュ(IS)打倒のために戦った将軍たちを祝福。真ん中のおじちゃんが伝説のスレイマーニさん。

General Soleimani congratulates Ayatollah Khamenei on victory over Daesh

http://www.presstv.com/Detail/2017/11/21/542924/Iran-General-Solemani-Leader-Daesh-Iraq-Syria

 

ロシア軍の全体としての断固たる戦いに水をさす気は1ミリもないんだが、やっぱりね、陸の上で戦う人が一番えらいんだよ。で、こういう人たちが出て来たおかげで、イラクがよみがえってるのが素晴らしい。多くの人が異口同音にスターリングラードの攻防を思い出したのにも理由はあった。

で、シリアでの西側による蛮行は、サウジに言われて俺らもやりましたとこの間カタールの元外相が暴露しちゃったし、レベノンの外相の発言もすれすれで言ってることは同じ。

そういうわけで、どうするわけ、西側さんってところ。

 

さらに、私が考えていたのは、「アルカイダ」って多分、現地の人というより、単なる傭兵というより、秘密だがれっきとした西側のユニットなんじゃないかという疑惑。なんでそう思ったかというとアレッポ陥落の時の、あの国連の特使デミストラさんの態度は異常すぎたから。

これこれ。2016年10月の記事。テロリストがアレッポで住民を人質にして立て籠もっている、それを国連特使が来てこのように言う。

そして、氏は、アルヌスラが退去を約束したらシリアとロシアは直ちに空爆を止めろと言い、併せて、それらの戦闘員に対して、武器と共に名誉と共に退去するのなら、「私は自分の身体を持ってあなたがたに同行する用意がある」と言った、らしいんですよ。

He proposed that Syria and Russia immediately stop bombing there if the Nusra fighters promise to leave. Addressing his plea to those fighters, he said that if they depart with their dignity and their weapons, “I personally am ready physically to accompany you.”

U.N. Syria Envoy Offers to Escort Rebel Fighters From Aleppo
http://www.nytimes.com/2016/10/07/world/middleeast/aleppo-syria-staffan-de-mistura.html

 
 
特使が身体を張ってでも命も保証するし武器も持っていっていいからそこを出ろ、という投降の呼びかけは、ずいぶんと丁寧というか、奇妙にさえ思える。
 
前から指摘しているけど、ロシアやシリアを非難するのはいいとしても、シリア各地を侵略している武装勢力への批判がほとんどないというのは、一体どういうことなのか、ですよ。
 
いずれにしても、リビアのガーダッフィを返せと言いたいですよ、私は。
 
というわけで、じゃあ、これれらの惨く、誰が見ても西側勢のまったくの侵略であったこの一連の殺戮物語に大きくかかわったと考えられるオバマ&ヒラリーの処遇はどうなるんでしょうね。
 
現状ではアメリカに正常なことができそうな気配はまったくない。偉そうなことを言っても書いても、誰も信じないし、そして、ここが新しいのだが、影で文句言ってるだけでなく、ロシアやイラン、トルコの態度を見ればわかる通り、正常な運営を志す場合には、アメリカの言い分をはねつけている。この2年間で一番大きかったのはここ。単なる信用問題じゃない。
 
 
■ イラン、ロシア、トルコの軍関係者も集合していた
 
ソチではプーチンとアサドだけでなく、ショイグ国防相などロシア軍高官が多数いたように思ったが、それだけでなく、イラン、トルコの軍の高官もソチにいた。
 
Iran, Russia, Turkey military chiefs meet in Sochi
 
数日書いているように、やっぱり軍の一体運用ができないと、攻められて崩される可能性が増大するからせっかく作った連携を活かしていこうというのか、それとももっと大掛かりなのか。
 
 
いやしかし、北中東は強そうだ。その上頭もいい。根性もある。資源売るほどある。武器メーカー付き。穀物輸出上位国付き。
 
左、イランのザリーフ外相、真ん中がトルコのチャブシュオール外相、右がロシアのラブロフ外相。
 
 

 


 


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6 コメント

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勝って兜の緒を締めよ (И.Симомура)
2017-11-22 02:46:32
背後の勢力はまだまだしぶといと思う.その悪賢さを侮ってはならない.古人曰く,勝って兜の緒を締めよ,と.
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外相の見た目問題と外務官僚 (私は黙らない)
2017-11-22 04:21:00
いやぁ、3人の外相、迫力あります。彼らの横に河野Jrを並べたら、オマエどこの小間使いかと。(失笑)
一体、日本の外務省は何をしているのでしょうか。明かなのは、外務省官僚のボスが河野Jrではないということ。首相でさえない。アメリカ国務省でさえない。アメリカ軍であるということ。東大ー北米局という狭いパスを通り抜けた少数精鋭が、この裏と表の権力構造を知らないわけがない。官僚トップの座をめざしてしのぎを削るこのエリート達にとって、脱安保とまでは言わなくても、外交の幅を広げようという異論は、間違ってもでてこないような気がする。命とりになるからだ。
だとしたら、日本の外務省の存在意義って何?そもそも外務官僚は、他の省庁とは求められるものが全く違うはずだ。それが、東大ー北米局出身、しかも、外務官僚を出した家系が優遇されるとあれば、皆、同じようなバックグラウンドで、思想傾向も似た者ばかりにならないか。極めてホモジーニャスな集団だとしたら、とても危険な気がする。
気が付いたら、某国にはしごを外され、あわてて周りを見回したら、誰も助けてくれない、友達もいない。日本は、エネルギーも食料も自給できない極東のちっぽけな島国なんですよ!

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『NATO兵士だったアルカイダ』 (ローレライ)
2017-11-22 05:49:30
『関東軍が日本帝国兵士』であったように『NATO兵士だったアルカイダ』と言う事を『国連』が認めている滑稽さ。『軍人年金』もNATO諸国は出すのだろう。
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悪質さに勝つためにパブリックに訴える (ブログ主)
2017-11-22 12:29:09
И.Симомураさん、

おっしゃる通りで、戦いに勝っても政治的(カラー革命的なレジームチェンジを含む)に負けちゃうのがこれまでのロシア(含むソ連)。
だからこそ、その悪質さを知るからこそ、シリアではパブリック(特にアラブ世界とアメリカ)に見せることで、判定を西側の政治世界にやらせないようにしている、というのがロシアの戦略だと考えます。

だから、アサドを呼んだのも何がかかっているかを見せるため、だと思います。そうじゃないと、勝手にdeep state的に政治決着されちゃいますから。
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いいえ日本は大きい国 (ブログ主)
2017-11-22 13:43:31
私は黙らないさん、

お嘆きはもっともなんですが、日本は国としては大きい国なんですよ。アメリカ様が主人であるところの現在のシステムを支える重要な柱です。ただ、それ以外を考えるための脳みそがちっちゃい、ほとんど残ってない。
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関東軍は何者なのか問題 (ブログ主)
2017-11-22 14:01:10
ローレライさん、

関東軍創設が1919年。ここだけじゃなくてシベリア出兵という軍事行動が、多分ポーランドをマジもンの独裁者ピウツスキで建国させたのと対なんでしょうね。両方であわせて、ロシア(ソ連)に攻め込んでるわけですし。
ポーランドは独立をもらったのでそれでいいとして、日本は何が餌だったのか。山東利権と南洋諸島、ですかね。後で考えたいと思います。
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