台所仕事をしながら聞いていたら、NHKがアメリカのどこかの州で知事の拉致が起こって、その原因はトランプの何かの発言で、それが白人至上主義者を誘発したものだと断定していた。
はぁ?と思いつつ、イヤしかし、トランプのヘイトこそ原因、白人至上主義者こそ原因って、見事にアメリカのantifaのトークじゃん、と思った。
つまりNHKはあの過激派と同じなのかと思い、いやしかし、そういえばシリアで偽情報を基にミサイルを撃たせたホワイトヘルメットを正義の味方のように描いていたのはNHKではないかと思い、
さらに、よく考えれば、ウクライナの右派も右派、第二次世界大戦時代のナチをそのまま引きずっているステファン・バンデラを称えるウクライナの右派グループを、金まで出して支援しているのは日本政府であり、その通りに報道しているのはNHKなのだ、と気づく。
つまり、NHKは私にいわせりゃテロリストみたいな、煽られて過激な行動を取る人たちの味方なのだなと結論せざるを得ない。
これはつまり、私はNHKとは真反対のところに正義を見ているということだ。であれば、それはもう生きにくいのも無理はない(笑)。
■ 黙らせたい
次の話題は、学術会議問題だったと思う。よく聞いてなかったし、実のところ表面の何いった、こういったはあまり問題ではないと思っていたりもする。
なぜなら、なんでこんなひっかけ方をして学術会議をやりこめているかというと、安保法制のような騒ぎを起こされたくない、ってことでしょ?と思っているから。
あの時、学者集団がかなりの団結を見せて、政府のやり方は違憲であるという筋を通した。そりゃもう、そうなわけですよ。
これは多分、たいていのことについて全然ノーを言わない、何やってもどうでもいい日本人をハンドリングする人たちにとってはイレギュラーだったんじゃないかと思う。
日本会議という役者を立てたから、馬鹿相手みたいになったけど、実際にハンドリングしているのは、もっと上の日米の合意のあるところだと思う。そこは、日本人だけがやってるわけじゃないから、きっと詳しいことは知らなかった。だから、あんなに人々が熱心に反対するとは思わなかったのでは? 表に出ている人以上に反対が多く、いわゆるサイレントマジョリティは反対だったと思う。
(これは、日本人がいい加減な歴史を正史扱いして書いているので、それを読んだ人たちは間違った日本像を持った、ということかもしれない。ハリウッド映画見て米軍は無敵艦隊だと思って作戦立てて失敗するのと似てるかも。面白い!!)
ということで、何か問題があった時に集団で声をあげるような奴らを無しにするためには、学者集団は潰さないとだな、と思って学術会議がやり玉にあがったのではなかろうか。推薦任命されなかった人たちを見てもそのランナップっぽいわけだし。
インパクトとしては、滝川事件あたり?
いやしかし、「日米は100%一緒だ」というのは現代の国体明徴声明みたいなものだから、もうそこは過ぎている。
■ 東西が動いたら真ん中が強化された
ではこうして何が来るのか?
そりゃもう、日米一体になって、来るべき中国とロシアとの戦いに向けて、すべてのリソースを軍事に振り向けるというフェーズでしょう。
すぐさま小さな戦いがといったことではなくて、膨大な予算をかけて、あたかも総力戦体制のように、アメリカと西側各国のリソースを一体化して、アメリカの5Gとか軍の改革とかをテーマにした軍事、諜報に費やされるんでしょう。
日本の軍事研究解禁という話ももちろんその1つだし、既に日本は軍事大国になっているので武器輸出を通じて各国をアメリカ様中心システムに誘い出そうという動きも強まるはず。経済支援とかいってね。
で、戦場はドイツ周辺と日本列島が舞台になる確率はゲロゲロに大きいわけだが、そんなことはおくびにも出さず、どこで何をやるのかも教えないで、ただひたすら、あたかも、場所のない「ホココースト」のように言葉だけで妄想を膨らませる手法を駆使し、それぞれ東西で、ドイツに対してはロシアが敵だ、日本に対しては中国が敵だと仕込む。
もう既に何年も前からやってることではありますね。
もちろん先行きは常に未定ですが、私の考えでは、この作戦は馬鹿だったと思う。
こうして東西で別の敵を想定させたことによって、結果的に真ん中のロシアと中国がかつて誰も想定していないほどに緊密に連携したから。これはもう過去形。そこにイランとロシア、イランと中国のそれぞれの強い関係線が確立した。
つまり、東西から攻めようとして、真ん中で巨大な相手が生まれたということです。
これを崩すために私たちはこれからせっせと働く。その意味は何?と誰も問えない仕組みの中で。
■ オマケ
そういえば、この間紹介したこの論文の結論も私と同じだった。東西別々にやってるけど、結果的に、USは中国&ロシアを同時に負かさなければ圧倒できないという仕組みになってることがパラドックスだ、と。
インドの元外交官のBhadrakumarさんの書かれた、中露の同盟は成熟した、と多少歴史的に振り返って書かれたものも素晴らしい。
(2019年6月5日@モスクワ)
- The Sino-Russian Alliance Comes of age — Part 1
- The Sino-Russian Alliance Comes of Age — Part 2
- The Sino-Russian Alliance Comes of Age — Part 3
また、この論文では、USがロシアと中国への対応の1つとして作った「Quad」(日米+オーストラリア、インドのアジアNATO構想)については、それぞれの利害が違いすぎて上手くいかないだろうとしていた。
■ 参考記事
国連創設から75年のビデオ国連総会
白井聡×片山杜秀 日本は破局的状況に突入した