DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

宴の始末(13) 「飛行禁止区域設定するって、ロシアと戦争だよ」by 参謀本部議長

2016-10-05 17:42:53 | 欧州情勢複雑怪奇

 

マスコミに載らない海外記事さんが、シリア情勢についてMoon of Alabamaさんのところの9月30日付けの記事を翻訳されていたのでリンクさせていただきます

私が書いたからといって気づく人が増えるとはあまり思わないけど、でも、こうやって地味に連帯していったからこそ今日のアメリカ人の反撃があるんだからな、と置文伝説派としては地味なことをしたいと思います。はい。

シリア - 今や露骨に失敗しつつあるアメリカのプロパガンダ詐欺
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/--5dd3.html

オバマ政権、とりわけCIAと国務省は、窮地にたっているようだ。彼らは、ロシアに向かってあらゆること叫び、東アレッポでのアルカイダ・テロリスト壊滅は大量虐殺だと主張している。一方、アメリカとサウジアラビアが爆撃し、封鎖していることが直接の原因であるイエメンのフーシ派を飢餓に陥れていることには全く触れない。

しかし益々多くの大手報道が、アメリカがシリアで大切にしている"穏健反政府派"はアルカイダそのものでないにせよ、実際はアルカイダと共謀しているというロシアの主張を支持するようになっている。

 

という導入から、WPとかの主要紙の記事内容でも微妙にシリアの反対派(rebel)なるものの素性が現れているという話。

まぁなんてか、世界中の主流メディアはスクラム組んでがっちり嘘話を毎日毎日配信しているけど、一般人もそうバカではないわけで、オールタナティブメディアの活発な配信に支えらえて、疑問を持っている。

で、それにも関わらず危険なのは、このメディアスクラムに支えらえたネオコン強硬派とでもいうべき勢力が、まだ押そうとしている、ってところなのね。

それに対して、なんとか冷や水を入れている気配は一応ある。

これは10日ぐらい前のアメリカの上院の公聴会のハイライト部分(とても短い)

No-fly zone would ‘require war with Syria and Russia’ – top US general

 

上院議員:シリア上空を支配するというオプションはどうですか?

ダンフォード将軍:シリアの上空すべてを今支配するということになると、それは私たちに戦争することを求めます。シリアとロシアに対してです。それはかなり根本的な決定です。ですからもちろん私は決定できません。

 

という具合に、正規の軍人さんはシリア上空を支配する、すなわち、いわゆる飛行禁止区域の設定とかいうチャラチャラした話には乗れない。統合参謀本部議長が出てきてこんなことを言わないとならない事態なのに、それをほとんどの主流メディアは大きなことだと扱ってないのも恐ろしい。

no-fly-zone、飛行禁止区域というのは、マスコミ用語。これはつまり制空権を取って攻撃する、と言っているのと同じなのに、多くの人にはそうは聞こえないところが味噌なのね。

リビアでこれを設定して、NATO軍は完全な略奪行為に及んだわけで、アメリカ国内の強硬派はこれをシリアでもやりたい。

で、これ自体何の根拠も正当性もないです。ただただ、強硬派は、イラク、リビア、シリア、イエメン等々を攻撃して落とす、崩す、都合のいい国を作るというのが目的ですから(そして、これが達成できたらあれもできるこれもできる、という欲望を持った人たちがこのプロジェクトに投資してる、と)。

しかし、ロシアが登場している。しかも主権国家シリアから正式に頼まれて援軍している。つまりロシアの行動には違法性はないわけですよ。国家を侵略してくる奴らから私たちを守って、いうシリアの要求には当然合理性があるわけだし。

が、そんなことはもう頭に入らないのが強硬派。

というわけで、現在のアメリカは引き続き強硬派 vs なんとかせな派が影でバトルをしてるってことなんだろうと思われます。

 

でも、どうするつもりなんだろう?

 

■ オマケ

昨日のバネッサさんに続いて、バージニア州上院議員のブラックさんのシリア状況。バネッサさんとほぼ同じ認識。

西側のメディアはシリアの男の子の話をして、かわいそうにとかやってますね、でもそんな話じゃないんですよ。4万人ぐらいの部隊が重装備をして戦ってる戦場なんですよ。と、メディアのトンチンカンなピクチャーを指摘して呆れてる。

さらに、シリア政府に自重しろという前に、rebelsを支援しているカタールだのサウジアラビアに何か言ったらどうなんでしょうか、メディアはという指摘も笑える。まさしくそこ。

アルカイダは911でみんながやっつけろといった人々でしょう、だったら今頃みんな、ロシアと一緒になって、よーしアルカイダをやっつけた、と喜んでなきゃならないんですよ。というのも、もうなんてか皮肉な話だけどロジカルにはそうなんですよ。それもメディアが指摘しない。

ブラック議員はさいしょっからず~っと一貫して、アメリカのシリアにおける行動は間違ってる、止めるべきと言い切ってる数少ない上院議員(多分2,3人だと思う)。

Aleppo: How Americans are being lied to

 

動画内の地図がよかったのでクリップ。ほぼ現状って感じ。左上がアレッポ。ど真ん中がパルミラ遺跡のパルミラ。ダマスカス周辺もほぼOKになってきた。

 

こっちは昨年2015年12月に私が切り取ってきて貼ったもの。(物置はこちら

別の地図なので見にくいけど、上の左上のオレンジの部分と、下のの部分がrebelという名のアルカイダ&シリア自由軍支配地域。これが縮小していて、さらに、政府軍(赤)に囲まれてシリア側と切り離されてトルコ側にしか出られないようになってきている。だから西側が怒る、っておかしいだろ(笑)。 

上も下もグレーがISIS。

 


 

 

 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宴の始末(12) ガラパゴス版シ... | トップ | 宴の始末(14) アレッポの戦い... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『アルカイダの朝鮮戦争』 (ローレライ)
2016-10-06 07:16:36
年金も恩給も必要ない『アルカイダの朝鮮戦争』に『正規軍人』は係わりたくないと言うこと。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事