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リベラルの終焉を招く「リベラル」勢力

2017-01-11 00:44:05 | 太平洋情勢乱雑怪奇

メリル・ストリープがトランプを批判したという話が主要メディアで出回っていた。私としては少女時代「ディアハンター」に涙した日を思い出しつつ、俳優が問題なのじゃない作品がすべてだと思うことにしようと思うのだった。

ロシアンルーレットの餌食となっているかつての友人ニック(ウォーケン)をようやく発見したマイク(デニーロ)が、one shot, one shotと呼びかけ、その声と言葉に恐怖で気が触れていたニックが正気を取り戻すのだが・・・。とどうしてもそこを思い出して胸が苦しくなる。どうあれ印象に残って、というよりもうなんかトラウマ的に私の中に食い込んでいる映画のような気もする。強烈な映画。

 

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ロバート・デ・ニーロ,クリストファー・ウォーケン,メリル・ストリープ
 

 

そうそう、この映画、記憶ではピッツバーグのロシア系移民の人たちの話だったような気がするんだけど、なぜそこだったんだろう? 確かにあのへんは20世紀初頭に東欧、ロシア圏から移民してきた人たちが多かった地域だろうとは思うし、別の言い方ではユダヤ系移民が多いという地域があるところと言われていることも多いだろうと思う。冒頭の長い長い結婚式の様子がなにか正教っぽかった記憶があるが、葬式はカトリックっぽかった気もする。もう一度見てみようか。いや、平常心に戻るのに時間がかかる映画なので今は遠慮したい。

 

ロバート・デニーロには赤狩りで苦労した映画業界人の映画もある。赤狩りをやってる連邦下院の委員会の委員に友人の名前を吐けと言われて苦悶するデニーロに心を打たれたものだった。で、タイトルが、Guilty by Suspicion。つまり、疑わしきを罰したのだ、ということですね。

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ロバート・デ・ニーロ,アネット・ベニング,ジョージ・ウェンド,マーチン・スコセッシ
 

 

で、デニーロとストリープという一時代を作った俳優さんたちが、現在、まさしく、Guilty by Suspicionでロシアと戦争をおっぱじめるために、情報機関とその広報部たる主要メディアがありとあらゆる嘘をつきまくって一般人の嘲笑を浴びても尚ストーリーを貫こうとしている、その彼らを庇っている。これはコメディなのだろうか

え、別に情報機関を庇ってないでしょ、というかもしれないけど、

  • 現在オバマとヒラリーは、リビア、シリア、アルカイダ、ISを利用した他国侵略、他国破壊行動を是認している
  • 米情報機関の一部がまき散らしている嘘をオバマが利用してさらに拡大している

従って、この状況を是正しよう、止めさせようとするトランプ(あるいはトランプ+ロシア)を倒そうとすることは、すなわち情報機関の延命に寄与していることになると私は理解します。

これは、IS他のテロリストを倒そうとしているシリア&ロシアを倒そうとするオバマは、間接的にIS他のテロリストの味方だ、というのと似てる。

 

今日の「マスコミに載らない海外記事」さんが訳していらしたPaul Craig Robertsの記事にはこんなくだりがある。

次期大統領に対する、CIAによる、あからさまで、はなはだしい空前のプロパガンダ攻撃のせいで、トランプは、CIA長官ジョン・ブレナンに挑戦することとなった。トランプは、この諜報機関を、改革し、再編するつもりだといううわさがある。これを言った最後の大統領ジョン・F・ケネディは、連中を攻撃する前に、CIAによって殺害された。ケネディは、再選されるまでは、CIAと戦えないと思い込んでいた。この遅れが、CIAに彼の暗殺を準備する時間を与えたのだ。

トランプは、身の危険を理解しているように見える。彼は、シークレット・サービス護衛(彼らはJFKに反逆した)に、私的警備員を追加するつもりだと発言している。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-a5a9.html

 

そう。実のところ本当に大変な時に差し掛かっている。そして、一方では前のエントリーで書いたように、トランプの就任式をはさんで、米軍は欧州側のロシア国境で冷戦後最大規模の演習をするといって戦車や兵隊を続々とドイツに陸揚げしている。殆ど戦争前夜のような光景でもある。演習目的だったが、といって何かに使われてる可能性だってある。

現在「リベラル」とかプログレッシブとか呼ばれている人々は、どうもこの重要性、この危機感にまったく気づかないらしい。これは一体なぜなの?

その代わりに、まだ誰も殺してもいないし、まだどこにも兵を出してもおらず、テロリストとわかっている人たちに資金供給も行っていないトランプが極悪人で、リビアのカダフィーを殺害し、リビアという国を潰し、リビアにあった巨額の資金の行方さえ公表できない等々悪辣さの限りを尽くしている人々というより奴らがあたかも守るべき人々だと考えるらしい。

言い換えれば、真実の抑圧は、腐敗したアメリカ支配体制最後のとりでだ。過去24年間の三つのアメリカ政権は、9カ国あるいはそれ以上の国々で、何百万人の人々と、アメリカの市民的自由を圧殺した。こうした途方もない前代未聞の犯罪を隠蔽するため、売女マスコミはウソをつき、中傷し、謗るのだ。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-a5a9.html


なぜ「リベラル」の人々にはこれがわからないのだろうか? 一般には、ニューヨークタイムスやらガーディアン、BBCといったニュースソースを鵜のみにしているから、と言われているんだが、本当にそうなのだろうか? これはつまりお金と立場主義、グルーピングの問題なのだろうか? 一体どうしたらこうなれるのだろう?

 

そういえばさっき見たゼロヘッジで拾ったこの図がなかなか印象的。これは米のメディアの大半をコントロールする企業の数。6社がコントロールしているという表現はよく見るのだが現在は5社であるらしい。つまり、大企業が支配するメディアを私たちは、自由なメディアとか呼んでいるわけね。こういう状況にさえ、「リベラル」は疑問を持たなくなってる。ある意味この転換ぶりはすごい。ジュリアン・アサンジュを熱心に擁護しているのは、現在のところリベラルではなく、トランプのサポーター。

 

「リベラル」なるグルーピングは、もともと、1945年に終わった戦争以前から続いていた「左翼」をグラディオ作戦などを通して倒したり、解体した代わりに作られた、ライトなレフト層なのだろうとは思う。だから、そもそも根がないといえばなかった。なんとなくナショナリズムに反対で、なんとなく差別に反対で、政治的是正表現に敏感で、みたいな感じ。しかし、それにしても、なぜここまで崩れるのだろうかという疑問は残る。もう少しメカニズムを考えたい。

 


 

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4 コメント

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政界再編 (私は黙らない)
2017-01-11 03:44:17
民主党内のネオコンが離党すればいいのです。この人たちがいるのに「リベラル」と言っているからややこしいのです。共和党内のネオコンも離党して、民主党の離党組とくっつけばいい。民主党ネオコンも共和党ネオコンもどうせ中身は同じなのだから。そうすればトランプも党内で足をひっぱられることもない。
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『脱構築の迷走』 (ローレライ)
2017-01-11 07:30:45
リベラル左翼は『反スターリン』あたりでNATOの罠にかかり『脱構築の迷走』でネオリベとかネオコンに『リベラルの悪堕ち』をしている。
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危機管理が丸っきりなっていない (宗純)
2017-01-11 10:57:01
非常に良い記事を書いていますね。ズバリ問題の一番大事な核心部分を突いている。

今のリベラルとか護憲左派ですが平和ボケというかお花畑というか。
自分が国家権力に正面から喧嘩を吹っかけているとの自覚が無いのですよ。昔なら命がけだ(迫害は同然であり、最悪なら殺される)との自覚があった、今は何故かこの自覚が皆無。
トランプですが明らかに既存のエスタブリッシュメントに喧嘩を吹っかけているのですから、今のようにマスコミから総攻撃されるのは当然であり最悪なら謀殺の危険も十分ある。

危機管理と言えばdendrodiumには近づかないことをすすめます。日本のネット世界には多い隠れキリシタンの超アブナイ原理主義者。ダーウィンの進化論を否定すうようでは他にどれほど良いことを言っても信用しない方が良いでしょう。足を引っ張られる危険性があります。
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デニーロ (vmfa-121)
2018-06-13 23:46:02
ろばーとでにーろの頭が狂いました。
おめでとう。
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