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8月15日、プーチンと金正恩のお手紙交換

2019-08-15 18:51:56 | アジア情勢複雑怪奇

8月15日を終戦の日とか敗戦の日というのは、何かへんな感じがする。

この日は、天皇が国民に向けてポツダム宣言を受諾すると発表した日であって、この日をもって降参したわでも、この日をもって戦闘がやんだわけでも、この日をもって停戦となったという話でもない。

ポツダム宣言の受諾は10日、満洲での戦闘は続ているし、正式な降伏文書の調印は9月2日。

だからここを「終戦の日」とするのは、政権側が国内的に国民に向かって終戦工作するその第一歩みたいなものだろうと思う。

どうやって一億総懺悔にもっていくかに腐心してた日本

 

朝鮮は、南北ともにこの日を重要視するが、それはむしろ日本の統治下だったことの証明のようなものかもしれない。現地の日本人の動向がわけても重要だったから・・・。といいたいところだけど、8月9日にソ連軍が満洲国境を超えて進軍してから既に5日経ってるわけだから、朝鮮半島がその間何も知らずにいましたということはないでしょう。それ以前から日本軍は守備位置を南下させてたから(最北部の一般住民を捨て置いて)、それで気づいた人だっていたでしょう。

だがしかし、いずれにしても、南の朝鮮はこの日を「復光節」と呼び、北の方は「解放記念日」と呼んで民族が日本のくびきから解き放たれましたという日としている。

 

■ プーチンと金正恩のお手紙交換

そんな中、ソ連の後継者であるロシアのプーチン大統領は、この日にあたって、解放おめでとうのお手紙を金正恩に出し、それが朝鮮の労働新聞に載ってるらしい。

TASSによれば、プーチンのお手紙の中には

「両民族は、赤軍兵士と朝鮮の愛国者の功績の記憶を大事にしている。彼らは共に戦い朝鮮を植民地支配のくびきから解放した。」

という一部があり、また、4月にウラジオストックで行われたサミットで成し遂げられた合意の実行は、将来のより力強い協力を発展させ、また朝鮮半島の安定を確保することになるだろう、との発言も盛り込まれていた模様。

"Both nations treasure the memory of feats of Red Army servicemen and Korean patriots, who were fighting side by side to liberate Korea from the colonial yoke," the Russian leader’s telegram says. Putin also affirmed that implementation of agreements reached at the summit in Vladivostok in April would foster stronger cooperation in the future and ensure stability on the Korean Peninsula.

https://tass.com/politics/1073502

 

金ちゃんの方は、お返事で、第二次大戦時における共通の敵だった日本との闘いでの勇敢さを強調してたそうだ。

Kim Jong-un responded, sending an anniversary telegram to Putin, which emphasized the bravery of the two nations that fought their common foe - Japan - in the World War II times. According to him, "the relations of the two countries are now developing in a number of spheres, including politics, economy and culture."

 

■ 中国&ソ連/ロシア

これは今年の6月に、中国の習さんがロシアに行って話したことと同期してますね。まぁ当然なんですよ、同じ歴史なんですから。

両国は、ソビエト連邦の大祖国戦争と中国人民の日本の侵略に対する抵抗を通じて血と命によって形作られた、壊せない絆をいつでも心に抱いていくことになるだろう。これらの戦いの中で、両国の軍と人々は肩を並べてファシズムと戦った。

再び歴史的なモメントを迎えた中露 by 習


習さんがロシアとの関係でソ連時代に達成した両国の絆を忘れないという態度を堅持していることを、日本やアメリカはまるでスルーしているんだけど、これは注目しておくべきだと私は思う。

 

■ ホントの話になってきてよかった

日本人にとってはどのみち良い話でも気持ちのいい話でもないわけだが、でも、いずれにしてももう、そりゃロシアから、朝鮮から見ればそうでしょうというリーズナブルな話が交わされているのがわかって、私としては大変うれしい。

そして、これは日本の脱ガラパゴスにとっても良いと思ってる。

だって、ソ連に負けたことを無視して話を作るから話がぐじゃぐじゃになってきてるわけですから。

北朝鮮問題をほじくると必然的に引っぱりだされるものがある、という話は前からいろいろ書いている通り。

■ ソ連に負けたと言いたくなかった

で、いろいろいろいろ考えてみるに、結局これが根っこだという話なのだろうと思うしかない。

まとめてみるに、戦後、ソ連に降伏したことを見たくなかったグループは複数あると思われる。

      • アメリカにだけ降伏したかった日本の支配層
      • ご主人は俺たちだけだとしたかったアメリカ
      • 上の成り行きを見せてしまうと面倒だなと思った戦後の支配層
      • 面目なさすぎだろ、と思った戦後の軍関係者(特に陸軍)

そして、朝鮮戦争からはもう一つ加わると思う

      • 朝鮮を解放したのは紛れもなくソ連軍だったと思い出したくない人々

第2次大戦の結果を認められない唯一の国

 

そして、こんなところで引っかかるから、余計に、ドイツと組んで東西からソ連を挟み撃ちしてたけど失敗しましたという、ありていにいえばそういう歴史をざばっとみられない。

いい加減、東京裁判の内容を歴史の話の中にきちんと入れるべきですよ。その上で反論があるならしてみればいい。そう簡単ではないですよ。なぜなら当時まだ行為から幾何も経ってない時分に証人集めてきてある程度でも事実認定した裁判記録ですから。

とどのつまり、日本が70年間、わけのわからない右派を総動員して否認してきたのは、だいたい東京裁判の部分否定に集約されるのだろうということ。だから「第2次大戦の結果を完全に認めることができない唯一の国」と言われ、危険視される。

東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい

 

でね、こういう嘘の歴史をぐじゃぐじゃやってきたことも、昨今の歴史修正主義という名前ももったないようなインチキ&カルトのコンビネーションみたいな集団を生む培養地の形成に寄与していると思う。

右派じゃなくてリベラル(古典左翼ではない)という集団も相当へんだし。

 

■ オマケ

こうなってくると、前にも書いたけど南の朝鮮の態度の曖昧さというのが目立つ。南の朝鮮は、ぶっちゃけていうと日本とアメリカにとって都合いいからこう読めと言われた歴史をなぞってる。つまり、ソ連ファクターを徹底的に無視してる。

私は日本人なので言いにくいが、日本の正規軍は臨時政府なんか大して気にしてなかったでしょう。だってそういう程度のものだもの。それに対して最終的に北朝鮮になる人たちは満洲の中国人、すぐ隣のソ連と交流しているわけだからそれはどれだけ日本のメディアがナメたことを書いていたとしても、日本にとって現実的なリスクだったし、実際そうなった。

安重根にしても臨時政府にしても、前哨戦、背景ではあっても、コリア民族独立の決定的なモメントにはなり得てないわけでしょ。そこからすると、北朝鮮のパルチザン神話は、一部には嘘、誇張もあるにせよ、大枠は合ってる。

忖度で作る建国神話はもたないだろうと思うわけですよ

 

何をどうこねくり回そうとも、コリア、中国北東部から日本軍および日本人が掻き出されたのは、ソ連による8月の侵攻作戦の直接の結果。

関特演と1945年ソ連満洲侵攻作戦

 


 

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