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今更「南北統一構想」を語り出すナチ・リベラル

2019-08-20 13:21:54 | アジア情勢複雑怪奇

昨日、ナチ・リベラルの狙いは東ドイツを潰したように北朝鮮を潰して統一朝鮮を作ることだろうと書いたところだけど、朝日には18日付けで、韓国の文大統領の「南北統一構想」の話ができいた。

「なぜいま」って、ずっと考えてたでしょ、と言いたいところですけどね。

文大統領、なぜいま「南北統一構想」 日本への影響は?/朝日デジ
今さら聞けない世界 佐藤達弥 2019年8月18日11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASM8J6VT9M8JUHBI057.html?iref=comtop_8_04

8千万人の単一市場が生まれ、経済規模での世界トップ6入りも――。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が15日の演説で、遅くとも2045年までに朝鮮半島の南北統一を成し遂げる構想を打ち出しました。政治経済体制が全く異なる両国にとって統一へのハードルは高そうですが、実現する可能性はあるのでしょうか? また、どんなメリットやデメリット、日本への影響があるのでしょうか。現代朝鮮半島の政治に詳しい平岩俊司・南山大教授に聞きました。

 

で、

「経済分野についての統一構想は1950年代にも、北朝鮮の最高指導者だった金日成(キムイルソン)氏が唱えていました。」

「韓国側では、南北の平和統一を唱える金大中(キムデジュン)大統領が2000年、北朝鮮への経済支援などを盛り込んだ「ベルリン宣言」を発表。直後に金正日(キムジョンイル)氏との初の南北首脳会談を実現しました。」

などと昔からの悲願です、みたいな感じでこの先生はお話しているわけですが、1950年代だったらソ連の復興と平行してた北の方が進んでるわけだから、北が主導にならざるを得なかった。だから、それがいやさに1960年代に、日本を焚き付けて日韓を和解させて、金を突っ込ませて、現在の日韓関係があるわけでしょ。

ということで、現在は南がだいぶ大きくなったので、ようやく南主体で北を飲み込めると2000年代から考えている人がいるんだと思うな。

 

で、これは、欧州でドイツ統一があった後のことを考えてみると実は、そんなに安全でも平和的な話でもなくなる可能性を秘めている。

欧州の場合、ドイツ統一の次に欧州統合が来たことを思い出さないとならないと思う。

これがつまり、こっち側では、アジア・太平洋域の経済統合という発想に繋がっているんじゃなかろうかと思うわけです。TPPにしてもRCEPにしても同じことの部分、試走みたいなものか。

そして、その「域内」を、東アジアの、というより太平洋版のNATOとする、というところじゃないでしょうか。

つまり、EUとNATOの関係を太平洋にも作るという設計。

この版図は、かなりのところ大東亜共栄圏そのものなので、意外に喜んでいる日本人もいそうな気がしないでもないけど、「域内」を作るということは域外と敵対する可能性を秘めるので、そう簡単に乗るべきじゃないでしょう。

また、その域内は、現在のEUでは、各国が様々な意味で経済主権を失い、あわせて、一体誰がどうコントロールしているのかさっぱりわからないテロ組織みたいになってるNATOという軍事組織を生じさせたことによって、各国は軍事主権も失っている。

つまり、グローバリストというのかdeep stateというのか、世界の支配者層というのかが上の方で勝手に決めたアジェンダを遂行するだけの各国が存在する、という形式になっちゃうわけね。

 

そして、欧州で起こったように、域内の人、モノ、金の移動を自由にしてのへちまのという話が来るんじゃなかろうか。どこでも、皆が幸せになれるように、アジアのための、アジア人の空間なのです、とか、多様性こそアジアなのです、とかなんとかいろいろキャッチフレーズが来るけど、要するにそれは組織的な移民政策によって各国の文化、文明を破壊して、生活ユニットとしてだけ生きさせるという、グローバリスト200年の願望の実現みたいなものでしょう。

 

さてしかし、ところがこの一里塚であろうと思しき南北統一の話は、表面のおめでたさとは裏腹に実は東ドイツを亡き者とするプランを踏襲するわけだから、北朝鮮にとっては当然に不評。

というわけで、昨日書いたように、南は勝手なことを言ってんじゃねー宣言が出た。

こじれてる南北朝鮮 & 中露朝、小じっかりの趣

 

また、統一朝鮮が太平洋NATOとなれば、自国領のすぐ隣までNATOが来ることになる中露にとっては、現状ではまったく受け入れられない話。

ということで、中露+朝が足並みをそろえて、これらタカ派リベラル(このブログとしては、ナチ・リベラル)の主張にノーを言っているといった感じではなかろうかと思う夏のある日でございます。

 

■ オマケ1

面白く思うのは、上の朝日新聞の記事のリンクを開けると、そこには、金ちゃんと文ちゃんが笑顔で握手している写真が出てる。

しかし、直近の話題は上でも書いたように、金ちゃんは韓国の統一省のやり方に腹を立て、知らん顔してりゃまた南北対話できると思ってるだろうと南を不実であるとののしってる。

南朝鮮当局が今回の合同軍事演習が終わった後、何の計算もなしに季節が変わるように自然と対話の局面が訪れると妄想しながら今後の朝米対話から漁夫の利を得ようと首を長くして覗いているが、そのような不実な未練はあらかじめ諦める方がよかろう。

後に見れば分かるだろうが、われわれは南朝鮮当局者らとこれ以上言うこともなく、再び対座する考えもない。

http://www.naenara.com.kp/ja/news/?0+103473

 

この状況を無視しちゃうというのが、ナチ・リベラルらしいとも言えるでしょう。

各国が本当に何を考えているのかなんてことには興味がない。そうではなくて、CSISだのなんだのの力の強いシンクタンクとかどこそこのパワーのあるグループがゴーサイン出してるからこっちの方が強いのだ、みたいな考え方をしてると思う。

 

タカ派リベラル(ナチ・リベラル)には本当の意味で共存という考えない。その意味で、やっぱりナチだわな、だし、よく考えると Exceptionalist(アメリカは例外である主義)も他者を他者として考える気がないという点で同じ。

アメリカ例外主義者たちは自分たちをindispensable nationなどとも自己評価していた(オバマ等はホントに言った)。indispensableは不可欠なという意味。では他の人たちはdispensable、必要じゃない、欠かしてもかまわない存在なのかよ、って話。

どこにも、友好関係を築けそうな発想がない。アメリカの指導者層は実に恐ろしい。

 

■ オマケ2

いやしかし、それはそれとして、こうやって考えてみれば、

NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた

みたいな、どう考えても西側にとっての裏切り問題で、ここから世界がおかしくなったと考えられる出来事が政治分野でほとんど話題にならなかった意味もわかるというものではなかろうか。

 

要するに、そんなことはどうでもいい。平和を目指すわけでも、共存を目指すわけでもない。軍事的にアメリカ(というより西側、あるいは東インド会社の成れの果て)の下につく制度を整えることが目標なのだ、という話だからでしょう。

ナチ・リベラルがコントロールする言論環境でない環境が少なくとも必要だ。

 

■ オマケ3

ナチ・リベラルは左翼とは異なる。1945年に存在していた左翼を打倒するために作られていったいわゆるニューレフト運動の成果だと思う。どうしてこうなったのかをそのうちまとめてみたい。

 


 

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1 コメント

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アジア、太平洋域の経済統合 (セコイアの娘)
2019-08-22 06:20:47
先日、連れ合いがASEAN某国に里帰りしてきた。驚いたことに、彼の国では、一般市民の間に中国への反感が広まっていることだったそうだ。中国のODAでダム、港湾建設が進められているのだが、ダム建設による立ち退き問題、しかも見込まれる電力の9割が中国向け、港湾の出資比率も中国が7割と、そういったことに、都市部の住民より、田舎の人達が札束で頬をひっぱたかれているような気持ちになるらしい。中国人ビジネスマンが闊歩する首都の不動産は既に東京の不動産価格を上回って久しいのだけれど、一帯一路以降、中国との国境の街の地価上昇が激しく、それも地元民の生活を圧迫しているらしい。
ASEAN諸国の中国政府に対する姿勢は、それぞれ事情があるのだけど、こと経済に関してはすでにどこも中国経済圏の中にすっぽり収まっているのが現状ではないかと思う。
それと、中国は、彼の国に建設中の港湾からインド洋に出られるし、そっちの方の布石もうっていると思う。
ただ、心配なのは、急激なマネーとヒトの流入は、いつも反感を伴うということ。香港にも言えると思う。香港デモに繰り出した一般市民の間に、大陸からの急激な人、カネの流入が混乱を招き、それに対する怒りが根底にあるのではないかと。
東南アジアには、中国人排斥の歴史があるので、友達として中国に言いたい。もう少し、節度を持たないと、足をすくわれてしまいますよ、と。カオスを好機と狙っている国が、虎視眈々と狙ってますよ。
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