桜井ジャーナルさんが、最近起こったシリア沿岸のフメイミム空軍基地とタルトゥースにある海軍施設に対するドローン攻撃について書かれていた。
ロシアはこのドローンの技術は高度な技術を持った国が提供している&それはトルコではない、と既に大っぴらに発表している。それはつまり、アかイってことだとみんな知ってるといったところではあるんだが。
それはともかく、この記事は、シリアに対するアメリカ、イスラエルおよびNATO諸国による攻撃の恰好のサマリーとなっていてその点からも重要ですね。
シリアの露軍基地を攻撃したドローンの技術は米または米の同盟国が提供したことを露政府は示唆
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801130001/
その中で、おおそれそれと思い出すだに身震いするほど怖かったのは、2013年9月の一幕。
このへんのタイムラインはこれ。wikiに手頃にまとまっているものがあった。
Timeline of the Syrian Civil War (May–December 2013)
オバマはシリア攻撃をあきらめた、軟弱~とかいう話だけを記憶している人も多いと思うけど、あの状況は既に米+NATO諸国(英仏だが)が地中海に所せましと軍艦を並べていて、シリア攻撃まったなしになっていた。今適当にサーチしたら8月末時点での布陣が出て来た。
ここに、ロシアが黒海からミサイル巡洋艦モスクワを中心とした一団を送り出して、攻撃布陣の中に割り込ませていく。ほんとに来るのかぁ・・・みたいな感じでしたね。つまり、ロシアにとってシリアは重要だと知っていても、でもきっとまたリビアの時のように、ア+イ+Nが勝手をしてしまうだろうとどこかでみんな諦めていた。一連のシリアでの危機の連続の中で、プーチン政権にとって最も勇気と決断力の要る行動だったのではあるまいかと今でもそう思う。
Russia sends warships to Mediterranean as Syria tension rises
そして、9月3日奇妙な事件が起こる。
これに対抗してロシア政府は空母キラーと呼ばれている巡洋艦のモスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したと報道されている。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発の弾道ミサイルが発射されたが、2発とも海中に落ちてしまう。発射されたミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実を公表したこともあり、その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表した。
事前にイスラエルは発射実験を発表していないことから、アメリカ軍やイスラエル軍は実際に攻撃を始めたと見られている。迎撃ミサイルや機銃が使われた事実はないようで、ジャミングで落とされたのではないかという説が有力だ。ちなみに、イランの核開発をめぐり、P5+1(国連安保理常任理事国とドイツ)がイランと暫定合意したのはその2カ月後だ。
記憶では、ロシアが、早期警戒システムが2つの飛翔体を検知しました、と報じて、しばらく、確か30分かそこらだったんじゃないかと思うけど、誰も手をあげなかった。そしてイスラエルが実験してましたと言い出す。この緊張の最中に何が実験だとネットの前のオーディエンスは怒り出す。その後米軍も、そうですそうです、と報じた。この順番であったと記憶する。書いておこう、忘れる前に。
が、桜井さんが言われる通り、おかしいわけですよ。事前に発表もしていないし、あんな緊張の最中に通常の実験が行われるってへんすぎる。だから、ロシア軍の検知能力を試したか、それとも実際に撃って検知されて落とされたのかのどちらかだろうと言われている。
ジャミングで落とされたんじゃないかという説は当初は、まさか~という感じで受け止めた人も多いと思うが、その後に続くアとイの何か異常な行動を見ると、だんだん真実味が出て来た。クリミアがロシアで、黒海艦隊がそこにあるから地中海が俺らの海にならんのじゃー、と思ったんだろうなとも思う。
そして、それから2年経った2015年9月末、ロシアがシリアへの本格介入を国連で宣言し、ほどなく攻撃を開始し、自軍のミサイルの性能を天下にアピールし、トルコ軍によるロシア機撃墜を機に、ついにはロシア軍によるシリアの防衛強化策がしっかりと整えられました、という成り行き。
ということから考えるに、ドローンを使いながら、シリアの防衛体制がどうなっているのかをこちょこちょこちょこちょ試しているってことなんでしょうね。ア組とイ組とその金魚のフンのN組が。
2013年の失敗を反省、この攻撃ではジャミングを想定して59機という数のミサイルを発射、目標に到達したものもあったようだ。この時にロシア側から流れてきたのは短距離防空システムの必要性。その後、S-300、S-400だけでなくパーンツィリ-S1の配備が進んだとも言われている。
今回の攻撃で使われたドローンがジャミングの影響を受けない仕組みになっていたのはロシア側の対応を見たかったのかもしれない。パーンツィリ-S1が有効だったことも確認されたが、ジャミング以外の電子戦兵器が何だったのかは不明だ。
つまり、ア組とイ組とその金魚のフンのN組は、まだシリアをあきらめていないということでもあるし、ロシアの持っているものを試しながら、他でどこを攻撃しよっかなぁ~とかいう侵略プランをまだまだ考えるつもりだということなんでしょう。
現在の世の中を不安にしているのは、軍事というより、このア組とイ組とその金魚のフンのN組(およびそこに入りたいJ組)の、異常な侵略姿勢だと思う。だから、これってもう思想の問題だと思う。