ちょっと小忙しい一週間でジャーナルを付けられずにいた。
いろいろおかしな話ばっかり続くなぁと思っているけど、私としては今朝の北朝鮮のミサイル誤報騒ぎは、なにか不吉なものを感じた。
記念に貼っておこう。
NHK、「北朝鮮ミサイル発射」と誤報 ネットのニュース速報で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191227-00000001-mai-soci
NHKは27日午前0時22分、インターネットサイトなどのニュース速報で、「北朝鮮がミサイルを発射した」などとする誤報を出し、その後、テレビ放送で訂正・謝罪した。
NHKは「北朝鮮のミサイル 海に落下と推定 北海道襟裳岬の東約2000キロ」と配信。約20分後、サイト上で「速報は誤りでした」と訂正するとともに、テレビ放送でも謝罪した。
ネット配信のみだったのだろうか? 「北海道襟裳岬の東約2000キロ」というのは一連のミサイル避難訓練という馬鹿も休み休み言えという事態の時の場所であろうと思われるので、訓練用のテキストというのもまぁありかなとは思う。
これで場所がIt's NEWみたいなものだったら、NHKの謀略か、または北にひっかけられて情報網にケチがついたとかかなとか思った。
(ミサイル実験をする際にはどこの国でも関係国に通知することを、決まってないだろうがでも現実的に相互の安全のためにやってると思う。なぜなら、誤って迎撃して、そこからホントに戦争になる可能性を否定できないから。米ソだってホットラインがあった。意図の確認というのがとても重要。
だけど日本と北朝鮮は正式な国交がないから誰かが仲立ちしていないと情報共有はないと思う。で、北はその仲立ちを黙認する。日本はそれを使って、準備して安倍が妙に攻撃的なことを言ってみたりとかの準備をする、って感じで推移していたのではないのだろうか。
ところが今回何もなかった。
これは何を意味するのか。間違いというより、いつも使ってるそのルートはもう使えないぜ、という北からのメッセージだったりして?とか思ったわけ。
スパイ網を無効化する時ってこんなことするっていうじゃない。そういうやつ。)
■ 1939年と今日、似てると思わざるを得ない
で、他方で、昨日はプーチンがロシア国防相のエライ人たちの会議で、
1939年のポーランドの駐独大使リプスキーがユダヤ人をアフリカに送り出すというヒトラーの計画を喜んで、もしできたら巨大なモニュメントを立てないとだな、などと言っていたことに言及し、この大使をののしっていた。
Poland wanted to ‘erect magnificent monument’ to honor Hitler’s plan to send Jews to Africa – Putin cites WWII archives
https://www.rt.com/news/476748-poland-hitler-deportation-jews/
さらに、それを受けてロシアの国会議員が、ポーランド当局は1930年代ナチとコラボレーションしてたことを詫びるべきだと踏み込んでいた。
Poland must apologize for collaboration with Nazis in 1930s — senator
https://tass.com/politics/1103221
プーチンは他にもいろいろ言っていたけど、プーチンとその周辺は何をやっているのかというと、再々書いている通り、西側のナチ問題。
ナチ英雄化問題と西側はケツが拭けないお話
この中心にあるのが、モロトフとリッペントロップのいわゆる独ソ不可侵条約。
実際問題ヨーロッパ各国は関係国はほぼみんなヒトラーと中立条約的なものを結んで仲良しにしてた。ソ連だけがしてなかった。が、最後に、紆余曲折あってモロトフとリッペントロップが中立条約を結んだ。
現在の西側世界は、ここを第二次世界大戦の遠因みたいに扱ってる。すなわち、ナチスとソ連は両方悪いのだ、この二人の悪者がいたから世界大戦が起こったのだ、ポーランドは犠牲者だ、っていう、なんというかタイムラインを盛大に無視したストーリー展開なんだけど、漫画チックには受け入れられるんでしょうね。
再々書いている通り、1933年にヒトラーが政権を取ってから1939年に至るまでの6年間の動きを見ていれば、大戦争を回避しようと真剣な行動を取っていたのはスターリン政権だけというしかない。他の欧州諸国および米は、もしドイツがソ連をやっちまってくれるならそれがいいんだが、という野望を根っこに抱えながら、ソ連を孤立化させていった。
ところが、という展開だったのが1939年。
ではどうしてこれが今日重要なのか。
もちろん、結果として多大な犠牲を出したソ連の人たちの名誉を回復させなければならないという考えが1つにはあるでしょう。西側は冷戦期に少しずつ少しずつおかしな歴史を作っていって、今では、ノルマンジーが歴史を変えた一戦みたいな馬鹿みたいな話が結構なインテリにさえ信じられている(例:いっぱいるんだろうけど、4年前久米宏がノルマンジーをそのように認識しているのがわかって、私としては仰け反った。簡単なアホやん、ってところ)
だけど、もう1つあると思う。それは、よくよく見れば現在の西側のかたくなな馬鹿さ加減というのは、実は1939年と非常によく似ているとプーチン周辺は認識しているのではなかろうか。
だから、これは、うっかりしていると、誰も本気にしていなかったことが起こっていく暗黒スパイラルがあり得る、と思っているんじゃまいか。
そこで、妄想から離れて、ある程度の人口にちゃんとした経緯、タイムラインを知っておいてもらうべきだ、といった1930年代の記録整理キャンペーンをしているって感じがする。
各国で工作していって、合成の誤謬が生まれたみたいなことにならないためにも。
で、
そんなことを考えながら今朝のNHKの展開を思い起こすと、極東の妄想帝国も要注意なわけだよと改めて思わないわけにはいかない。
日本人の中にはとてつもない無鉄砲、無責任が存在してたし、今でも同じだと思う。
■ 外交の失敗&内政の失敗
現在、西側はやたらめったらロシア叩きをやっている。主流マスコミはこの路線を全然変えない。いくつかの国では北朝鮮叩きも変えてない。さらに、イランについても西側では馬鹿みたいな論調でしか語られてない。
こういう状態というのは、枯草をわんさか積み上げているようなもの。
ぶっちゃけていえば、何か軍事衝突があった場合、当事者たちが拡大を望まないと思えば拡大させられずに終わらせることができる。
しかし、この時障害になるのは、現場の軍人というより、世論を煽ってそこまでたどり着いた軍人や政治家。つまり、偏った情報にさらされた一般人が、扇動された際に擦り込まれた妄想に憑りつかれているから、なんでそこで止めるんだ、悪いのはあっちだ、どうせあいつらは悪者だ、やっちまえ!になる。撤兵すべきだろう、とか情報を整理して話し合おうというのが「弱腰」に見える状況というのはどうあれ危険。
戦争は外交の失敗だとよく言われるけど、内政の失敗という側面の方が問題が大きいように思う。外交は、双方に冷静なリーダーがいればまだ立て直せるが、双方の国民が妄想を信じている状態を仕切るのは並外れたカリスマを持った優れたリーダーでもなかったらなかなかできない。
ともあれ、中露イランの辛抱強さ、頭の良さ、何かを作ることに情熱を持った国民が多数いるという彼らの国情といったものに助けられてなんとか被害は最小限で食い止められているとはいうものの(シリアやリビアの被害を小さいというのならば、だが)、2019年を通じて西側主流メディアの「特定ヘイト」方針になんらの変化も見られなかったというのは懸念しておくべき事態ではある。
■ オマケ
プーチンは、戦間期のポーランドのリーダーをののしる際に、ロシアのアーカイブに保存されている資料を引用して言っていた。そう、ロシアはアーカイブが非常に充実していることで知られる国。そして、戦勝国だったので多数の書類を押収してる。
ポーランドのようなワルシャワ条約機構の国に関しては、今まで黙ってたものも結構あるんだろうと思う。
まだまだ何か来るのではなかろうか。多分、記録に基づいて情報と分析を整理、確立するところまでやるのでは? でもそれは必然的にユダヤ問題になる。であればそれもいいのかも。
であれば、日本は、ドイツと結んでいた「防共協定」をポーランド、イギリスにも拡大しようとして有田八郎あたりがうろうろしていたことが知られているんだから、日本のこの動きもソ連の孤立化を意図したもの。
是非、こっちも含めて記録を整理していただきたいものだ。ソ連は東西から挟撃されていたという点が現在の主流メディア、主流アカデミアは多分故意に見落としてる(東西から挟撃されていたという見方は、どちらかというと右派キャンプの人からは出てると思う)。
ホントはソ連をやるつもりだったとあっさり明言してた藤井裕久氏のためにもなるでしょう。
自分で蒔いた種「ネオリベ」を超えられるのか
そこに見えるのはポーランド人の根強い反ユダヤ感情だ。
これを言えるプーチンは人権を理解している数少ない指導者だ。
惜しむらくは彼の発言は日本では意図的に封鎖されているといっていい状況だ。
ロシアに信仰の自由が復活して約30年。
ロシアの努力に対する理解は日本にはない。
戦前のノモンハン事件に先立つシベリア出兵に対して日本が何をしたのかを知ることは同様に現在の東アジア情勢を読み解くうえで欠かせない。