見間違う町並み ビルが占領してる
僅かな隙間さえ 埋めてくパーキング
数年のブランクが 俺を余所者にする
歩く道さえ 磁石を狂わせる
食えない時代に 助けてくれた
彼の家も なくなっていた
雲を消しながら 吹きすさぶ風が
思い出の笑顔を 引き千切って逃げてゆく
港回りの道 ビルの看板も無い
かすかな記憶から 繋がった先には
身を寄せていた 彼の母親だけ
遅過ぎた噂は 真実だと分かった
「ありがとう。」と繰り返す 懐かしい声
「遊びにおいで。」と 昔のままに・・・
「今も忙しいの?
食べたいものがあったら送るから・・・
若いのに遠慮したら駄目だよ」と
"あの頃"の俺に 語る
入り混じる記憶
乱れた時系列
生き易いように
組み立てては崩す思い出・・・
「あなたは息子みたいなものなんだから
送って欲しいものがあったら 何でも言いなさいよ?」
「はい・・・その時は・・・相談します・・・」
彼の母親は 嬉しそうに電話を切った・・・
I turned a face down,........
and cried with the handle.........
人の死が この世に遺すもの・・・
人の死が この世で歪めるもの・・・
人の死が 遺族に与えるもの・・・
人の死が この世から奪うもの・・・
人の死が この世に教えるもの・・・