歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

新宿ど真ん中ナイト

2019年10月01日 | 日記
「アルタ前集合ね」と言われ、

月曜の20時半に東京ど真ん中で友達と待ち合わせ。

道行く東京人。

甘い声の路上ライブ。

ぼけっとしていると信号の色が変わるたびに入れ替わる人波にさらわれそう。

すごいな〜私ってやっぱり田舎者なんだなぁって少ししんみりした心に寄り添うように、

「東京は愛せど何もない〜♬」と歌う路上ライブの声がいかにもBGMっぽくて我にかえった。

こんなの私主人公じゃない。

センチな心を抱えて危うくポエマーになる所だった。



トーキョーは本当におもしろい。

そして新宿という街はなかなかなのである。

いろんな人がいる。

寛容ではないかもしれないけど、拒絶もしない。

怪しい男たちがネオンの下を闊歩し、きれいな服を着た厚化粧の女たちは路地裏へ消えていく。

ギラギラと燃え盛る内側をさらけ出す、ある意味で正直な街だと思った。



友達の行きつけのバーに入ると酔っ払ったロン毛のおじさんが話しかけてくる。

「日本に生まれてよかったと思う?」だって。

友達は「日本はいい国だよ」って言う。

私は「日本しか知らないから日本に生まれてよかったと思ってる」と答える。

すると「そうなんだよなぁ〜」って。



左手の5本指全てにクロムハーツのゴテゴテの指輪をはめたスキンヘッドのおじさんは言う。

「最近のキャバ嬢はキャッシュレス化がすごい進んでいるんだよ、

なぜなら韓国で整形をするのに送金が簡単だからさ。

だから俺はラインペイを覚えて彼女たちにお金を送ってる」って。



22時に入ってきたラーメンチェーンの社長と取り巻きは、

「最近のサラ金はだめだ。」なんて盛り上がっている。



めちゃくちゃでごちゃごちゃで、自分でも不思議だけど楽な街だと思った。

深入りしてはいけない、のかもしれないけど、私はこの訳のわからない街が好きだ。

少なくとも街が生きている。



年が明けたらこの店で絵を展示することになっている。

これから何度も足を運ぶことになるんだろう。


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