歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

シャーペンを巡る冒険

2012年06月19日 | 日記
今日は休み。
久々の2連休に、友達の結婚祝いとして絵を描こうと思っている。

結婚するその子は私と高校の同級生で、学年トップの成績の持ち主だった。
そんな彼女はずっと憧れていたサッカー部の先輩とこの夏結婚する。
めでたい結婚だ。

そんな彼女に送る絵。
どうしようかと考える。
私の絵にはいつも影がつきまとう。
無意識的だがどこか壊れている。
あまりハッピーな絵を描くのは慣れていない。
それでも絵を送りたいと思うから、これまたややこしい。

まぁいいさとにかく描き始めよう!
と、その前に準備の段階でつまずいた。
いつものシャーペンがない!
基本的に道具を選ぶタイプではないので、そこにある画材でどうにかするのが常。
紙とペンさえあればいい。

しかし最近はそうはいかなくなってしまった。
つい2ヶ月ほど前の誕生日に知人からお勧めのシャーペンをいただいた。
これがなんと、重さ、形、ノックの固さ、すべてにおいて完璧なのだ。
紺色、シンプルなデザイン、すべてにおいて気に入った。
この短期間で下書きを要す絵には欠かせないアイテムとなった。

そんな大事な大事なシャーペンを、なんと1週間ほど前になくしてしまったのだ。
ブランドも覚えていない。
自分で買おうにも置いてある店見たことないし、大変である。
手がかりになるのは知人の言葉。
「絵を描くときによく使う黒と青と白のデザインのあの鉛筆と同じブランドだよ。」
幸い私も使っている鉛筆だ。

「STAEDTLER」

そして私のシャーペンを巡る冒険が始まった。

まずは、近場で探してみる。
駅周辺、住宅地であるこの街には駅合併型のショッピングモールとその目の前にTOKYUのデパート、あとはイトーヨーカドーのような大きなスーパーがあるくらいで、下町のようにごちゃごちゃした商店街など皆無。
私はやっぱり下町に憧れているところがあるから、この街は好きになれない。
この中で探すとしたら、ショッピングモールの中にある本屋有林堂くらいである。
がしかし、置いてあるわけもなくすぐ電車に乗る。

ガタガタと電車に揺られながら、ふと私はシャーペンを手に入れるために交通費往復1000円もかけてこんな遠い街までやって着てしまったのだと我にかえる。
でも結局手に入らないことには何も始められないのだと開き直り、そこで大きな駅に降りた。

行き交う人、人、人。
これぞ都会。

この駅には大きなTOKYU HANDSがあるのを知っていたのでそこに直行した。
ここになかったら最後の頼みで世界堂だ。

まず、TOKYU HANDSに行き筆記用具コーナーに目を通す。
たくさんのシャーペン、ボールペン、値段も形も様々。
私が探し求めているシャーペンと似たようなデザインの物もあり、それを手に取ってみるのだが圧倒的違いは重さだ。
あのシャーペンの何をそんなに気に入っていたのかと言うと、創作意欲が沸き立つ何ともいえない重厚感。
手にしっくりくる本物の重さ。
いくつかのシャーペンを手にしてみたが、あのシャーペンを体感してしまった今、どれもうさんくさく見えてしまう。

筆記用具コーナーを何往復もし、ここにはないと諦めかけた。

いや待てよ、そういえば同じブランドの鉛筆も見ていない。
あんな有名な鉛筆が置いてないなんてあり得ない。
きっとそこにあるはずだ。
そしてその鉛筆を見つけるも、そこには炭とかパステルしか置いておらず。
やっぱりだめか、とまた諦めかける。

あー!そういえばここに製図コーナーがあった。
そこには高級なコンパスや定規、そしてシャーペンもきっとあるはず!
ここになかったらもうお手上げだ。
世界堂にもあるとは思えない。

そうして製図コーナーにてやっと目当てのシャーペンを見つけたというわけ。
見つけたときの感動たるや。

もう当分はこのシャーペンしか使えそうにないです。






コメント
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