卯月の手鏡

小さな手鏡でも、広い世界が映る。

カーナビ

2007年05月24日 | 卯月の雑感
手話通訳依頼で、市外の見知らぬ場所に出かける事がある。
そんな時は、前もって地図を見て行き方を調べておく。

毎回、そんな作業をしている私を見て、ふっくんがカーナビを付けてくれた。

カーナビって便利なんだけど・・・・。

先日、見知らぬ土地へ出かけた帰り道、ナビは右に行けと言った。

でも、私はまっすぐ行きたかった。

この道をまっすぐ行けば、自分が知ってるあの道につながるような気がした。
走りやすくて景色が好きな、その道を通って帰りたいと思った。

ただ、まっすぐ行けばそこにつながるという確信がない。
ワケの分からない所に行ってしまうといけないので、ナビの指示に従った。
ナビ通りに行けば間違いなく帰れるとわかっていても、知った道に出るまでの間、すご~く不安だった。

「700メートル先、左方向です。」と、一方的に話す機械に頼らざるを得ない状況。
機械に言われるがままの自分。
一体全体、自分がどの辺にいるのかも分からなかった。

あらかじめ地図で調べた場合は、初めての場所でも俯瞰で、だいたい自分の位置を把握できる。
帰りは、来た道と別の道、こっちから行けばあの辺りにつながるかもと、知らない道の開拓も出来る。
そんな時の勘はたいがい当たる。見当外れでとんでもない所に出てしまう事もあるけど、それはそれで面白い。

元々、人間には鼻の奥に方向を感知する器官があったと、何かの文章で読んだ事があるような気がする。


脳トレの川島隆太教授は、「便利になった分だけ、前頭前野を使わなくなった。」と言っている。


わずかに残っているかも知れない、その能力を退化させないためと、
ナビに操作されるのではなく、ナビに対抗できるよう、あらかじめ地図もチェックして出かけようと思った。