卯月の手鏡

小さな手鏡でも、広い世界が映る。

ろう教育フォーラム

2009年08月31日 | 手話
毎年、託児担当で参加してきたけど、何故か年々託児の人数が減っている。
去年は一人で、今年はゼロ!

そんなワケで今回は、講演会に参加できた。
講師は明星学園教頭の榧陽子(かやようこ)さん。


明星学園は日本で唯一のバイリンガル、バイカルチュラル(手話と書き言葉の日本語、ろう者の文化と聴者の文化)
ろう教育を行っている学校。

講演では、その教育内容などを映像を交えてお話しされた。



「明星学園は子ども達を信じる学校です。
子どもが伸び、育つ力を信じる学校です。

教える事より学ぶ事を大切にする学校です。
子ども達は学ぶ事によって成長し、変わります。
変わる事とこそが子ども達の本当の収穫です。
大人に必要なのはそれをじっと待つ力。



子ども達はかつてあれをしろ、これをしろと言われてきました。
できない事をできるようになれと言われました。
そのままのお前ではいけないとみんなが言いました。
もう、そんな事はありません。
ここでは、あなたはあなたのままでいい。
みんなが同じでなくていい。
ろうでいい。ろうがいい。ろうだからいい。」
         
             (明星学園ホームページより)



本当に魅力的な学校で、文科省が思いもつかないような取り組みがなされている。
ろう学校もそうじゃない学校も、こんな風な教育方針だったらいじめも不登校もなくなるかもしれない。
(興味のある人はホームページを覗いてみて下さい。)




日本は、もっともっと教育にお金をかけて欲しい。
将来の日本を作っていくのは子ども達だもん。











ビブラション・カホン

2009年08月30日 | 手話
ビブラション・カホンの体験会の通訳に行ってきた。

それは音を振動に変えて、他の人に伝える打楽器。
楽器演奏経験のない人や、普通の演奏を楽しむ事が出来ない人、(耳が聞こえないとか)
誰もが楽しめる楽器なんだって。

どんな楽器でどんな風に音(振動)を感じるんだろう?
興味津々で出かけた。

10時から体験会で1時間前のリハで実際に体験させてもらった。
ビブラション・カホンは膝に乗せたり足で抱え込んだり、
振動を身体で感じられる体勢で叩く。
それぞれのビブラション・カホンはケーブルで繋がれていて、
誰かがそれを叩くと自分のビブラション・カホンが、
叩いたのと同じリズムで振動するようになっている。

体験会の進行役はリトミックの先生で、動物の大小様々な足形(イラスト)を見せ、
「こんな足の動物が歩いたら、地面はどんな風に揺れるかな?」
と投げかけられ、体験者は自分のイメージで叩く。


体験者は大人、子ども、耳が聞こえる人、聞こえない人、色々な人がいたけど
特に子ども達は、聞こえる子も聞こえない子も、目を輝かせ終始笑顔で体験していた。

ユニバーサルデザインの楽器。

男女共同参画

2008年02月27日 | 手話
毎年この時期に市と実行委員会共催で、男女共同参画を推進する啓発事業として「女(ひと)と男(人)のつどい」が行われる。

24日の日曜日に第17回のつどいがあり、講演と映画上映があった。
私は手話通訳として参加した。

講演は中日新聞生活部次長の安藤明夫氏、毎週水曜日掲載の「つれあいにモノ申す」のコーナーを編集されている。
この「つれあいにモノ申す」は読者が旦那さんだったり奥さんだったりの、グチをこぼすコーナー。
ん?この言い方は語弊があるかな?
ユーモアたっぷりにグチをこぼすコーナーかな?
実際に投稿されたエピソードを揚げながら、家族のあり方を話された。

映画は「魂萌え」。
自分を主張することなくつつましく夫(寺尾聡)に仕えてきた妻(風吹ジュン)が、夫の死後自分らしく生きていこうとするストーリー。

両方とも自立をテーマにした物だった。



この男女共同参画と言うのは市長挨拶の言葉を借りれば、
「男性も女性も様々な社会活動に参加でき、個性や能力を発揮できる社会。
性別だけで、地域や社会、職場での役割を決めつけてしまう意識が強く残っていて、
男女共同参画社会の実現には多くの課題がある。」
との事。



細木数子さんは、この考えを「バカな事」といつも言っている。
男には男の、女には女の役割がある。男は外で働き、女は家にいてそれを支える。
それが、男女平等だとか言って崩れてきているから社会もおかしくなる、とよく言っている。


どうなんだろ?

高齢ろう者デイサービス

2008年01月20日 | 手話
久~~し振りに高齢ろう者デイサービスに参加してきた。
最近、全然参加できてなくてみんなに忘れ去られる前に行っておこうと思ったんだけど、
参加者にはすっかり忘れ去れていた・・・。
しばらく会わないとすぐ忘れられちゃうのよね。
今日は、しっかり顔と名前を売ってきた。


今回の企画は、同じ施設利用団体の一つ「障害児親の会 ほしのかけら」との合同で、お餅バーベキューをした。
今日は少し寒い日になったけど。子ども達は寒さをものともせず外で過ごしていた。
デイサービス参加のおじいちゃん、おばあちゃんは(そう呼ぶのは失礼なくらい元気で若々しいんだけど・・)食べる準備ができるまで室内でお喋り。



フランクフルトは子ども達に大人気~。





身体が温まる豚汁。お汁粉も作ったよ。







お腹がいっぱいになったら、「卯の里獅子舞連」の方が獅子舞を披露して下さった。
獅子舞と言えば唐草模様。
この唐草模様って、元々はメソポタミアやエジプトからシルクロード経由で中国を介して日本に伝わったんだって。
唐草模様ってドロボーのイメージがあるけど、改めて見てみるとオシャレな感じだよね。
それは繁栄を示す模様で、アラブ諸国ではモスクの装飾に使われたりして、ヨーロッパでは「アラベスク(アラブ風の)」と呼ばれているんだって~。
ちょっと見直したぞ、唐草模様。






大黒様も一緒に舞ってめでたさもアップ。








子ども達はお獅子に興味津々。


撃沈~~~

2007年12月02日 | 手話
永らくのご無沙汰でした・・・。
昨日、全国統一手話通訳者試験を受けてきました。
筆記のお勉強もあったし、何よりも落ち着かなくてPC開けられませんでした。
晴れて解禁です~~~~。

でも、今回も撃沈してきました~~~~。過去最高の撃沈・・・。
筆記と場面通訳(実際にろう者と健聴者の間に入る通訳)はまあまあだったと思うけど、
要約(ろう者が手話るのを見て内容を要約して文章を書く)が最悪~~~。
手話に全然目がついていかなくて、読めないところがあり過ぎ~。
自分が理解した範囲で何とか文書を作ったけど、終わって他の受験者の人と話をしたら全然違ってた事が判明しました。
あ~~~~~~~~~~~~~~。 

場面通訳は、会話なので何とか目がついていったけど、3分間の手話には(要約)ついていけませんでした・・・。

私が通っている手話サークルにろうのメンバーが二人いたんだけど、今年になってその二人が来れなくなっちゃって、手話を見る時間が激減したのもいけなかったかな。

とにかく!絶対落ちてます!!(保証付き!!)




終わった後は落ち込んだけど、既に復活~~~~。
落ち慣れしてきました。


試験を前にしてやりたい事ができないでいたけど、これからはそれらをじゃんじゃんやってやる~。
今日は、ポットで発芽させたツタンカーメンを畑デビューさせましたよ。
編みかけマフラーの続きもやりましたよ。
読みかけの本も読みましたよ。
ブログも書きましたよ。


もっと、もっとろう者と交流しよう~~~~~!!!





映画「ヘレンケラーを知っていますか」

2007年09月16日 | 手話
知多地区情報支援センターから「ヘレンケラーを知っていますか」上映の案内が来た。

絶対観たい!

という程でもなかったけど、チケットの売り上げの一部が県の聴覚障害者支援センター設立基金になるとの事だったので、
それ重視で観てきた。

戦中の福祉の「ふ」の字も無いような時代に、
若くして突然視力と聴力を失った老女と
リストカットを繰り返す少年の心のふれあいを描いた映画。

盲ろうとなってしまったために恋いこがれた人とも別れ、
住み慣れ愛した街からも追い出されるなど、切ないシーンがたくさんあったけど
そんな中に、昇華された純愛が一粒のダイヤモンドのように描かれていた。

くちなしの花の側で、
「あなたにどうしても、お詫びが言いたかった。」
と、老女の手を握る老人。

老女とのふれあいの中で生きる意味を見いだした少年が、
改造した三輪自転車の後ろに老女を乗せて、老女が暮らしていた街へ連れて行った。
「海じゃあ!」
「お米屋さんじゃあ!」
嬉々として、匂いだけで慣れ親しんだ場所を感じる老女。
それを見て、心からの笑顔を見せる少年。

この二つの場面が、どの場面より泣けた。



テーマは重いけど陰惨な映画ではなくて、心を爽やかな風が吹き抜けていく映画だった。

地人会 朗読劇「この子たちの夏」

2007年07月20日 | 手話
朗読劇「この子たちの夏」の手話通訳依頼が来て、それを受けたのは先月半ば。

それから、通訳の日までとても気が重かった。
台本を頂いて目を通すにつれ憂鬱になった。

広島、長崎で原爆を受け、親や兄弟を亡くした子供たちの、我が子を亡くした親たちの悲痛な叫びを綴った手記の朗読。
その内容は残忍で悲しく、私たち日本人が決して忘れてはならない物。
人間として忘れてはならない物。

ただ、表現が比喩的だったり文学的だったりして、どのように手話表現したらいいか、
手記を書いた人たちの心の叫びをうまく伝えることが出来るのだろうか。
依頼を受けた日からずっと悩みの種だった。

今夜、それが終わって肩の荷が下りた。



終わってみたら、なかなか楽しい体験だった。
開演前に、出演者の女優さん(山田昌さん、山口果林さん、柳川慶子さん、高田敏江さん、長内美那子さん、大森暁美さん)やスタッフの人たちと一緒にラジオ体操をした。
その後、開演ギリギリまで女優さん達は舞台監督と詰めの打ち合わせをし、個人個人舞台の上でリハーサルをされていた。


肝心の通訳も、講演などの通訳よりも楽しかった。
女優さん達の感情のこもった素晴らしい朗読は、手記を書いた人の想いがひしひしと伝わってきて、表現しやすかったのかもしれない。
いや、これは自己満足。
自己満足に終わってはいけない。
相手あっての通訳、相手がどれだけ理解してこの朗読劇を楽しめたかで、通訳の良し悪しが決まる。

ろう者が5人ほど市外からみえると聞いていた。
遠くから交通費と入場料を払って観にみえたのに、通訳がさっぱり分からないでは申し訳ない。
それが益々私を緊張させたけど、実際には5人とも聞こえる手話関係者だった。
そのうちの一人は、おととし1年半、一緒に通訳者養成講座を受けた人だった。
そういった手話関係者に観察されながら通訳するのは、あまり居心地が良くないけど、とにかく終わった。

今後、益々精進するとして今夜はゆっくり寝よう。


サイン入りパンフレットを頂いた。







声で話せないと半人前?

2007年06月11日 | 手話
健康診断で要検査と結果が出て、再検査を受けるろう者Iさんの通訳に行って来た。
初めての受診と言う事で、受付でいくつか質問を受けた。
対応した事務の人は、受診するのはIさんなのに全部私の目を見て質問する。
そういった事はたまにある。
そんな時、相手とは目を合わさず、ろう者の方を見るようにする。
一番最後の質問に、
「何か連絡したい時は、どちらに電話すればいいですか?」
と、私とIさんをかわるがわる見ながら言った。
私に電話されても困るんだけど・・・・。

診察が終わって外待合いで待っていると、看護士さんが出てきて、
「これを受付に出してください。」
と、私に渡す。
反射的に受け取ってしまった。

本来渡すべき相手はIさんなのに・・・・。


聞こえないと一人前の大人として扱われない事が、多いように感じる。
通訳者は飽くまでも通訳者で、付き添いとか保護者じゃない。

手話は、随分世の中に広まったけど、意識の方はまだまだ・・・。



憐憫

2007年05月31日 | 手話
先日、市内の中学校へ福祉実践教室に行ったときの事。

まだ、幼さの残る1年生のクラスで、一人の男の子がろう講師に言った。

「耳が聞こえないからかわいそう・・・。」


別の男の子は聞いた。

「耳が聞こえないと楽しい事が何もないような気がするけど、何か楽しい事がありますか?」

言い方こそ違うけど、根底には「かわいそう」という思いがある。



この子達の素直な思いだとは思う。
悪意も何もない純粋な思い。


ろう者に対して、聞こえないからかわいそうと思った事はない。
確かに不便な事はあるかも知れない。
でも、それをかわいそうだと思った事はない。




・・・・・・・。









「障害者ってかわいそうだと思う?」
娘と息子にも聞いてみた。


息子「そりゃ、かわいそうでしょ。」

娘「そのことが理由で暗くなってる人はかわいそう。自分で何も出来ないような障害を持ってる人もかわいそう。」




ん~~~~~~~。





高齢ろう者デイサービス

2007年05月20日 | 手話
久~~~~し振りにデイサービススタッフとして参加してきた。

前回参加したのはいつだったかなぁ?
もしかしたら1年近く参加してないかも・・・。
企画会議には、ちゃんと出てるけどね。


久し振りに参加してびっくりした事が一つ。
ろうのYさん、初めて参加された時はすご~く無表情で、手話もままならずコミュニケーションが難しかった。
その後、毎回参加されていたようだけど、今日会ったら別人のように表情が明るくて、
お仲間のろう者と、楽しそうに会話されてた。
多分、このデイサービスを知る前までは、話をする相手もなく寂しい生活をされてたのかも知れない。


今日の活動内容は、「シバ刈り君」作り。




これが出来上がったシバ刈り君。
かわいいでしょ。





ストッキングにシバの種を入れて、その上におが屑を詰めて、鼻と耳をゴムで縛る。
後は、目を付けてめがねを作ったら出来上がり。
これに、乾燥しないように毎日水をやっていると、1週間くらいで頭にシバの毛が生えてくる。

色んなアイディアを持った有能スタッフが多いよなぁ。




シバ刈り君制作中。