茶花集 両忘会2020.1〜2021.8
八月はお休みしてる私達の「古典の会」ですが、現在勉強中の岡倉天心の「茶の本」の第六章「花」はまず、まるで散文詩のような華麗な花の賛歌で始まります。天心のそうした花への思い入れは生け花(華道)の三種の流儀分け評価に反映されています。華道は元来茶道の一部として生まれたものであり、茶室の空間を構成する一要素としてあくまでも掛け軸や茶器など他の諸要素と調和し決して突出して自己主張しないように配慮されていました。それがやがて華道が茶道から独立すると、さまざまなスタイルが派生するようになったのですが、天心はそれを大きく三つに分類しました。まず、様式性や造形性を重視する形式主義派、ついでより自然派に近い自然主義派、それにより自然らしさに傾くがそれでも形にはまるよう修正を加える自然派の三つです。天心は自然派こそまさに茶本来の花の在り方を示すものと説いております。茶聖・千利休は「花は野にあるように」と説いております。