クロアチア南部に
「アドリア海の真珠」と呼ばれる美しい町がある。
それがここドブロヴニクだ。
日本では
一番よく知られたクロアチアの町なんじゃないかな。
ドブロヴニクの旧市街は、
全長２kmのがっしりした城壁で囲まれている。
その城壁の中に、赤屋根の古い町並みがぎっしりと並び
どこまでも青いアドリア海につきだし出している。
キラめく陽光の中
町は独得の明るさと気品をたたえて佇んでいるよ。
ここはヨーロッパの隠れ家的なリゾート地としても
知られてきた。
古いところでは
アガサ・クリスティも新婚旅行で滞在している。
宮崎駿さんのアニメ「紅の豚」も
このドブロヴニクを代表とする
アドリア海の美しいイメージの中で
製作されたものだと聞いているよ。
夏にはたくさんのヨーロピアンが休暇を過ごし、
沖合には、毎日のように
豪華な地中海クルーズ船が停泊しているよ。
とても小さな町でありながら
この町は、中世アドリア海の海洋都市として
長いこと独立を保ってきた。
だから、
ヴェネチアやハンガリーやオーストリアなど
他民族に長く支配されていた地域が多いクロアチアでは
ここは特別な意味を持つ町でもあるんだ。
そう、自由と独立の歴史を持つ誇り高き町としてね。
ドブロヴニクは海もきれいだよ。
海水は驚くほど透明だよ。
茶猫もひとけのない夜のビーチで
アドリア海の水にそっと足を浸してみた。
真っ黒い闇の中、
月の光が波打ち際まで届き、
透き通った冷たい水の下で
茶猫の足のツメがきらりと光っていたよ。
