クロアチアの風  ~茶猫の旅カフェ~

アドリア海の国クロアチアと旧ユーゴの風景をお届けします。旅行情報、写真をお楽しみ下さい。番外編では世界の猫も登場!

スヴェタンおじさんのストンの塩

2008-06-30 23:03:55 | クロアチアのお土産
 

 先日紹介したスヴェタンさんの作っているストンの塩は
 今やクロアチアでも希少価値。
 ドブロヴニク周辺でしか手に入らないみたい。
 
 このあいだは1kb 入りの袋を偶然
 ヘルツェゴヴィナのネウムのスーパーで見かけたけど
 konzum などスーパー・チェーン店では
 かえって見つけるのが難しい。

 マリストンのスヴェタンおじさんのレストラン
 ヴィラ・コルナでは
 ちょっとオシャレな小袋に詰めて売っている。
 
 塩の結晶のような粗塩だから
 テーブル用には
 ソルトミルで挽いて使ってね。

 ちなみに、この袋に描かれているのは
 ドブロヴニクの守護聖人、聖ブラホ。
 そういえば
 「私の塩は、昔のドブロヴニク共和国内で
  売っているんだよ」
 と、スヴェタンおじさんは自慢げに微笑んでいたっけ。

 

ストンでは生牡蠣を食べなくっちゃ

2008-06-06 22:26:53 | ストン
 
 昨日のブログで紹介した
 ストンで塩田を経営しているスヴェタンさんは、
 隣町のマリストンで
 ヴィラコルナVila Korunaというレストランを経営している。

 ここで食べてみたいのは、なんといっても生牡蠣。 
 塩と並ぶストンの名産で
 日本では牡蠣といえば「広島」とか「宮城」だけど、
 クロアチアで牡蠣といえば「ストン」なのだ。

 おじさんのレストランのまん前は牡蠣の養殖場。
 採った牡蠣をその場で剥いて出してくれるんだから
 新鮮なことこのうえない。
 
 1年中牡蠣が食べられるとあって
 ドブロヴニクからわざわざ車で食べに来る人もいるくらい。

 ストンの牡蠣は日本のものとちょっと違って
 平牡蠣という、平らでうすいタイプが多い。
 レモンを搾って、つるっといただくのがこちら風だ。

 おじさんの店なら1コ6クーナ(130円)だから
 ドヴロヴニクの半値!
 1ダースくらいは軽くいけちゃいそうだけど、
 頼めば1コからでも剥いてくれるよ。

 ワインはもちろんキーンと冷やした
 地元ペレシャツかコルチュラの白。
 ポシップあたりがいいでしょう。

 ほかにも牡蠣のクリームスープや
 イカスミのリゾット、牡蠣のハーブソース、
 ムール貝や手長エビのブザラ
(ダルマチア風のワインとニンニクソースあえ)
 などのシーフードがあり、どれもおいしいよ。
 牡蠣づくしのコースメニューまで用意されてます。
 味付けには
 もちろん自家製のストンの塩が大活躍。
 
   Vila Koruna, Mali Ston 
  TEL: +385-(0)20-7544-999
 (385はクロアチアの国番号です)
  ※ 住所や番地は特にないみたい。
    マリストンのヴィラ・コルナといえば、みんな知ってます。
    宿泊もできますよ。
    
 



ストンの塩は太陽と海と風がつくる

2008-06-05 12:07:17 | ストン
 
 アドリア海の天然塩では、ニン、パグ島も有名だけど
 茶猫が特に好きなのはストンの塩。

 ストンは、ドブロヴニクから車で1時間ほどの海辺の町で
 かつてはドブロヴニク共和国の一部だったところだ。

 この小さな町で塩田を経営するスヴェタンおじさんは
 「ストンの塩は、アドリア海の海の水と太陽と風がつくるのさ」
  と笑い、ザラメのような塩を手にとって見せてくれた。
 「ストンの塩作りは4000前から始まった。21世紀の今でも
  昔とまったく同じ方法で塩をつくっているんだよ」

 (写真の右はスヴェタンおじさん。左は息子さん)

 塩作りは、雨の降らない夏におこなわれる。
 天候をみてアドリア海の水を塩田に引き入れ、
 太陽と風の力をかりて、塩分の濃度があがるのを待つ。
 ついに塩田はクリスタルの結晶のような白い塩で
 一面埋め尽くされる。
 シャベルでかき集め、トロッコで運び、袋詰めする。

 パグ島の塩と違って、スヴェタンおじさんの塩田では
 化学処理は最後まで一切おこなわない。
 だからこの塩はさらさらじゃなく、ざらざらの粒状で
 その粒も不揃いだ。
 でもミネラルたっぷりで自然の甘みがあって、
 美味しいんだな、これが。
 ほんものの海からの贈り物だね。

 スヴェタンおじさんは愛知万博のときに日本に来て
 クロアチアのパビリオンで
 アドリア海の塩を紹介した。
 だからなかなかの親日家だよ。
 今乗っているトヨタもそのときに買ったんだって。

 おじさん、息子さんと一緒に
 いつまでも元気に、
 ダルマチア伝統の塩を作り続けてね。