フフフ……ついに見つかりましたよ、
シベニックの「猫の水飲み場」。
旧市街のクラリャ・トミスラヴァ通りの
「犬の水飲み場」のすぐ近くにあるから行く人は見逃さないでね。
(※今日のは08・10/27 「これはなんでしょう?」(シベニック)の続編でちゅ)
それにしても今ここは旧市街のメインストリート。
車が通らない歩行者天国とはいえ、ショップが並び、人通りも多い。
飼い主と散歩できるワンちゃんと違い
人混みを嫌う猫が、安心して水を飲みに行けるような場所ではない。
犬の水飲み場にはイタリア語の文字が刻まれているから
この猫の水飲み場が同じ頃作られたものだとしたら
おそらくシベニックがヴェネチアに組みこまれていた頃のものだろう。
だとすると、少なくても200年以上前のものになる。
昔から、夏に雨のほとんど降らないアドリア海では、
水はワインより大事な命の糧だった。
灼熱の夏、人間たちと同様に
この街を寝床とする猫たちも、厳しい乾きの日々を送ったことだろう。
そんな小さな生き物のために、誰かがこの石の囲いを用意し
命の雫を注いでおいてくれた。
古ぼけた時代のささやかな優しさの記憶が
シベニックの街角に今もそっと残されていた。