去年開通したスルジ山のロープウェイに乗ってみた。
駅はプロチェ門を出て5,6分。カフェをすりぬけ、
階段をちょっと上がったところにあった。
ボディは、市バスのリベルタスと同じオレンジのシンボルカラー。
30分に1本が基本だそうだけど、そこは融通のきくお国柄、
お客が多いからと、その合間だったけど動かしてくれた。
トランシーバーで上の駅と連絡をとってくれたケーブルボーイのお兄さん
頂上までは2分くらい。街の景色がみるみる遠ざかる。
頂上の駅には展望テラス、絶景のカフェ、売店があった。
ここは2年ほど前まで、破壊された駅の残骸が残されていた場所。
(cf 2006.9.13の「傷跡」をご覧下さい)
頂上駅のとなりには、戦争博物館があった。
1800年代の初頭に、ドブロブニクを崩壊させたナポレオン軍が建てた要塞は
ユーゴスラビア時代、レストランやディスコがオープンしていたところ。
独立戦争の時に被害をうけ、今はドブロヴニクが受けた戦災を記憶する博物館になっていた。
黴くさい石造りの建物に恐る恐る入ると、
1991年12月6日のビデオが上映されていた。
聖ニコラウスの聖人の日にドブロヴニクに落とされた
2000発のミサイル砲。
この歴史に満ちた美しい街を血に染めた日。
黙してビデオに見入る人々の姿があった。
隣の部屋には戦乱の旧市街で撮られたこんな一枚の写真が
けれど、今山の上から見る旧市街は美しかった。
傷ついたひとつの時代が終わり
新しい時代の訪れの象徴として
シーズンを迎えるこれからは、もっと多くの人々を乗せて働き続けるだろう。
スルジ山の展望台では
ドブロヴニクの絶景を楽しむ人々の笑い声や賞賛やざわめきが
響き続けることだろう。
僕が行った時は復旧するのはいつになるかわからないと言われていたので、山の斜面に広がる家並みの間の階段を登り、かろうじて全体が見える道路から眺めました。
ちゃねこさんの写真、きっちりと城壁に収まっている旧市街の様子が手にとるようにわかりますね。
黄色い花とオレンジの屋根のコントラストも素敵です。
ロープウェイの開通、感無量でした。
山頂駅から見る町は模型のよう。
あそこが本屋のマヤさんの家、床屋のヘルベイさんの家はあそこ、といった具合に、だれの家かまで特定できそうなくらい町が親密に感じられました。
もちろんバックに広がるアドリア海の美しさも格別でした。
黄色い花に、オレンジの屋根。城壁の下の緑もキレイ。いってみたいですね~♪
ドブロヴニクには絶景ポイントがいくつかありますが、やはりここはダントツ。 時間があれば、片道切符だけ買ってのぼり、下りは景色や海からの風を楽しみながら、ハイキング気分で歩いて帰ってもいいかもしれませんね。
写真にはありませんが、展望台駅で後ろを振り返るとボスニア・ヘルツェゴビナへ続く丘陵が延び、それもまた美しいのです。この風景を見にぜひいらっしゃってください!
お帰りなさい! ロープウェイに乗られたんですね!
冬は曇天が多いアドリア海ですが、運がいいといいお天気に恵まれますし、街も静かで落ち着いていたのではないでしょうか。