クロアチアの風  ~茶猫の旅カフェ~

アドリア海の国クロアチアと旧ユーゴの風景をお届けします。旅行情報、写真をお楽しみ下さい。番外編では世界の猫も登場!

クロアチアの赤白チェックの意味は?

2007-01-31 05:07:33 | クロアチアこぼれ話
 
 昨年のFIFAワールドカップで
 クロアチアのナショナルチームが着ていたユニフォームが
 赤白のチェックだったこと、覚えてる?
 
 K1やプライドを舞台に活躍している
 クロアチア人の格闘家ミルコ・クロコップは
 いつも赤白チェックのパンツをはいているね。
 
 1年ほど前からスターアライアンスに加盟するようになった
 クロアチア航空のシンボルもこのチェック。
 
 どうして赤白チェックの市松模様が
 クロアチアをあらわすものに
 使われているんだろう?
 
 クロアチアの国旗は赤、白、青のトリコロールなんだけど
 そのまん中に陣どる国章の一部になっているのが
 この赤白チェック。
 クロアチアでは
 「シャホヴニツァ」と呼ばれているもの。

 これはクロアチアの初代国王トミスラヴ王が
 925年の戴冠式のときに使用した模様で、
 そこからクロアチア人のシンボルとして
 意味をもつようになったといわれている。
 
 この写真はクロアチアの国章だよ。
 シャホヴニツァの上に
 王冠の飾りのように、5つの紋章がついている。
 この紋章は、今のクロアチアを構成する
 5つの歴史的な地域のシンボルを意味している。
 左から、クロアチア、ドブロヴニク、ダルマチア、
 イストラ、スラヴォニアだよ。

 (ちなみに
  この冠みたいな5つの紋章の意味を知りたいマニアックな人は
  茶猫の書いた旅名人ブックス「クロアチア」(日経BP社)
  読んでね!)
 
 クロアチアは、
 日本の7分の1ほどの小さな国だけれど、
 ギリシャ、ローマ時代からはじまって
 ビザンチン、ヴェネチア、
 ハンガリー、オスマン・トルコ、オーストリア、イタリアなど
 地域によって、さまざまな異なる民族の支配を受け、
 国の名前も、国境も、歴史の中で変わってきた。

 異なった歩みをしてきたそれぞれのエリアが、
 この赤白チェックをまとった中世の国王のシンボルを
 民族の共通のきずなとして掲げ、
 1991年に誕生した新しい国のシンボルとした。

 過去、さまざまな民族が行き交った豊饒の地、
 そして苦悩の地。

 このシャホヴニツァは、
 大国の思わくにより過去に分断されてきた人々が
 まとまり、新しい歩みを刻むための
 特別な思いがこもった「つなぎめ」なのかもしれない。

 ヨーロッパや中近東などのように
 異民族の中でもまれることのあまりなかった日本では
 たいして意識されることのない
 「国の自由と独立」の意味。
  
 その重みを知る人々が
 この赤白チェックのシャホヴニツァをまとって
 「クロアチア」という新しい国の存在を誇りとし
 今、世界に向けてアピールしている。
 
 そんなわけで
 クロアチアといえばやっぱりこのチェック、ということで
 よく目にすることになるのかな。
 
 

 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
国旗を沢山みました。 (Fado)
2008-11-21 02:39:31
建物のある所に国旗掲揚あり!といった感じでした。
公的な建物だけではないように思いました。
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