クロアチアの北部海岸の街・オパティアは、オーストリア・ハンガリー帝国の時代からのリゾート地。オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ、ルクセンブルク公国のアドルフ大公、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世、作曲家のグスタフ・マーラー、ピエトロ・マスカニーニ、舞踏家イサドラ・ダンカン、アイルランドの小説家ジェームス・ジョイスなど、数々の著名人が訪れ、この地に滞在した。
当時の貴族のヴィラや別荘は、現在ホテルやレストランンに改装されている。
イストラ半島の東の付け根、クヴァルネル湾の奥に位置するこのエリアは、ベネチア船の航路でなかったため、ベネチアの占領の対象から外れていた。ダルマチア地方の多くの街がベネチアに占領されていたのに対し、このエリアは、どちらかとえいば、ハンガリーやオーストリアと関わりの多い歴史を歩んできた。そのため、オーストリア風の威風堂々とした建物が多く、ベネチアの影響の濃いダルマチア海岸とはひとあじ違う街並みが残されている。
車の行き交うメインストリートのちょっと海よりに、海辺に沿った遊歩道が整備されている。
オパティアでの散歩には、このプロムナードをおすすめしたい。小さな入江がいくつも現れ、沖の島影を見ながら、ひとやすみできるこんなベンチもある。
遊歩道沿いには、椰子や松、ブーゲンビリアなどが植えられている。貴族のヴィラを改装した瀟洒なホテルが点在し、優雅なティータイムも楽しめそう。夏には夜遅くまでオープンするカフェバーも現れる。波音を聞きながら月夜のお散歩、なんてのもいいかもね。
遊歩道は、東のヴォロスコから西のロヴランまで12キロも続いているそうです。