アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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かりふぉーるにゃ旅行記 【木曜日&金曜日編①】

2006-07-22 06:22:44 | 旅行・外国

なんでシンシナーティに行かないといけないわけ? あまりに楽しいLAでの週末を堪能した僕の脳裏で、こんな葛藤が繰り広げられたのはほんの3、4時間前。ジャドソンに別れを告げ、相乗りバン・サービスのスーパーシャトルに乗り込んだのが8時30分。そして9時過ぎにLAXに到着して長い行列を経た後、セルフ・サービスでチェックインを終えてチケット2枚を手にした僕は、最初の目的地がオハイオ州のシンシナーティであることに気がついた。帰りの便は、シンシナーティで乗り継ぎなのだ。

椰子の木が生い茂るLAから、誰が好んでバックアイ・ステートのオハイオなんかに行かないといけないのか。しかもバックアイ・ステートは、前回の大統領選挙でゆれにゆれて、結局、過半数が共和党に投票したいわくつきの州。(オハイオ在住の方がいたらゴメンナサイ・・・。) 

 

(レッド・ステートには住みたくない!)

ただでさえ、楽しすぎた週末に泣く泣く終止符を打ち、やさしくもてなしてくれたジャドソンにも涙を隠して笑顔でお別れをした矢先。楽しかった思い出を象徴するカリフォルニアの青空に、急に黒雲が立ち込んで大雨に降られる気分。 そんな黒雲が頭の中に立ちめぐる中、11時31分、定刻より31分遅れでLAXを出発。そして今ちょうど1時間がたち、機内でPCが利用できるようになって、ドリンクとスナックのサービスが始まった。たぶん、今はネバダの上空を飛んでいるぐらい。

デルタの機内は満員御礼の超満席。3列席の僕の隣には10代風の男の子が座り、その向こうの窓際にはボビー・リーに似たコメディアン風アジア系アメリカ人の男の子が座っている。

 

日本人で言うと、お笑いコンビ、キャイーンの天野君に似てるかも・・・。その他、にぎやかに旅をする中年のドイツ人っぽい観光客集団が20人くらい僕の前の座席を陣取っている。シンシナーティ行きの便だけあって、乗客も「それ相当の」顔ぶれ・・・。あのアトランタからLAX行きの便で隣に座ったハンサムなサラリーマンはどこに?このシンシナーティ行きのフライトじゃないことだけは確実。

ちょうど今、アジア系男性のフライトアッテンダントが僕にドリンクを配りにきた。(LA発なだけあってアジア人比率が高い機内。)美容と健康を考えてトマトジュースを注文。どうにかこのトマトジュースで気分を取り直しつつ一息つけて・・・。僕の隣で、暇をもてあまし気味に手にしたコークをそそる青年の視線が、僕の日本語表示のPC画面に興味深げに注がれている・・・そんな視線を気にしつつも、忘れないうちに、そして心の黒雲を少しでもかき消すために、旅の記録を徒然なるままに綴ってみます。

* * *

木曜夜、定刻より遅れること30分あまり。夜7時過ぎにゲートを出ると、ジャドソンが待ちわびたように手を振って出迎えてくれた。ジャドソンに会うのは約1年ぶり。他の人の目線も気にせず、ここはLAでしょ!と思いっきりジャドソンにハグして再会できた歓喜を表現。ジャドソンの後ろに立っていた韓国系お母さん(オモニ)と目が合って笑顔。

昔、ロブ・ロウ似と書いたことがあるけど、今回改めて眺めてみると、ルーク・ウィルソンにも似てるかも。ちょっと褒めすぎかもしれないけれど、お世話になったし(!)べた褒めしてあげよう。でも、目鼻立ちの雰囲気はルーク・ウィルソンで、顔の輪郭(面長というよりも、丸顔で童顔なところが)ロブ・ロウっていう感じの人です、ジャドソンは。

 これがルーク・ウィルソンっだー!

 

ロブ・ロウはこちら。

 

ジャドソンと二人でチェックインした僕のラゲージを待つのに、それがなかなか出てこず、もしや乗り継ぎ地のアトランタで積み残し?なんていうヒヤッとする瞬間もあったけど、喉につかえた異物が取れるように最後のほうにポロッと出てきてホッ。 手荷物をゴロゴロさせながら空港ビルを出たところ、そこは中東の旅商人が忙しく行きかうバザールを思わせる喧騒だった。

タクシーとホテルの送迎バスと一般車両がひしめき、そこにあわただしく乗り込む人たち。家族に迎えに来てもらっているラテン系の若い女性がお土産と思われるショッピングバッグを引きずりながら車内に乗り込むかと思えば、長距離フライトでクタクタに疲れたフライト・アテンダントの集団がホテルまでの迎えのバスを待っていた。

終わることのない車の流れを眺めていると、薄いメタリック・ブルーのトヨタ・プリウスが音もなく颯爽と僕の前に横付けされた。後部座席の窓の内側に「Get out of Iraq Now!」のステッカーが貼られている。ジャドソンらしい。LAにしては蒸し暑い夜、ひんやりとクーラーの利いたジャドソンのハイブリッド・カーに乗り込み、僕らは混乱とタバコの匂いが立ち込めるLAXを後にした。

空港からジャドソンの自宅まで行く道すがら、適当に目に付いたタイ・レストランで軽く夕食を済ませた。一応、レストランの入り口に「A」ランクの印がついていたけれど、味はCランク・・・。ジャドソンによると、カリフォルニアでは、全てのレストランの衛生状況がABCで評価され、レストランはその結果を入り口付近くに良く分かるように掲示しなければいけないのだとか。ついでに味の評価も良く分かるように表示して欲しいところなんだけど。

でも僕の週末は始まったばかり。10年以上ぶりに戻ってきたLAは、車窓から見える眺めも楽しくジャドソン邸へのドライブを満喫。やっぱりBank of AmericaやWashingtonMutual、WellsFargoなど西海岸系の銀行が多いなと思ったのが第一印象。でもRiteAidやArbey’s、Wendy’s、MacDonald、PizzaHatなどなど、僕の地元でもよく目にするお店が軒を並べているあたりは、やっぱりアメリカ。ジャドソンも、「ますます全米が均質化して面白みに欠けるよ」との嘆き。それでも、いたるところに出没している椰子の木や、PueblosとかVerdesというスペイン語名のついた道路標識を見ると、そこはやっぱりLAなんだなぁと気づかされる。

 ジャドソン邸へ向かう途中、オレンジ色のライトに照らし出されたいくつもの巨大ブリッジを渡り、何万というコンテナが積み上げられた広大なポートを走りぬけた。ハイブリッド・カーを操縦しながら、ジャドソンは観光ガイドさながらに、橋の名前や由来を説明してくれたり、目に見える景色を、僕に分かるように情報をインプットしてくれる。だけどいつもより早起きして午前中オフィスで仕事をし、アトランタ経由で大陸を横断してきた僕の頭はやや空回り気味。ジャドソンのせっかくの情報も、僕の頭にあまり残ることなく、それでも僕はそのフリーウェイの高みからの夜のLAを全身で堪能。


かりふぉーるにゃ旅行記 【木曜日&金曜日編②】

2006-07-22 06:22:43 | 旅行・外国
ロング・ビーチの一等地にあるジャドソン邸は、僕が想像した以上にゴージャスだった。着るものや身なりはいい加減なジャドソンだけど、そのテーストはハイ・ブラウ。新興の建物が多く立ち並ぶ中、ジャドソンのコンドミニアムは、ニューヨークにあってもいいんじゃないのというくらいのアンティーク調のもの。おそらく街の史跡にも指定されているだろうというような重厚で荘厳な作りの建物の9階にジャドソンのマンションはあった。そしてまだ明かりのついていない部屋の向こうには、だだっ広く広がるLAの夜景が一面に広がっていた。

翌朝、そのリビングから撮った写真。



* * *
金曜日

朝7時(東部時間の10時)に目覚ましもなく自然にジャドソンと共に起床。ジャドソンが早起きの人でラッキー。だって僕の起床時間ってジャドソンより2時間遅れの9時。東西海岸の3時間という時差も、僕らのライフスタイルの「時差」が吸収してくれる。ジャドソンが入れてくれたコーヒーをソイ・ミルクと一緒に飲みながら、眼前に広がるLAの街並みをボーっと眺める。そのそばで出社の準備をすすめるジャドソン。

マンションの建物へ入る鍵、9階のマンションへ入る鍵、そしてエレベーターの鍵をもらい、午後6時に電話で連絡を取りあう約束をしてジャドソンを送り出した。ただ、まだ起きたばかりで血中カフェイン濃度もまだ臨界点に達していない中、右手にコーヒーカップ、左手に受け取った鍵を握り締め、燦々と部屋にふりそそぐカリフォルニアの日差しを浴びながら、今日、どうやって時間を過ごそう、、、と、呆然自失となること数分。

とりあえず、まだ朝の8時過ぎ。ジャドソンのHPのラップトップからケーブルを引っこ抜き、自分のPCに差し込んで仕事のメールをチェック。ちょっとトラブってる案件があって、その後のやり取りをフォローアップ。別の外注していたプロジェクトが上がってきていてそれを軽く確認。かなり梃子摺った模様で、外注先から泣きのメールもこっそり入ってきていた。そしてプライベートのメールを確認してみると、ジェームスから「I miss you」のメッセージが入っていたほか、両親からのメールも入っていた。冷めてきたコーヒーを飲み干し、いざ、外出の準備。(ちょうど僕が外出の準備をしている間、毎週金曜日の朝にやってくるという、ハウスキーピングのメイドさんたち[ラテン系のおばさんとポニーテールのおじさんの2人]がやってきて、部屋の大掃除をしていった。)

日差しがキツイ。ジャドソンの2ベッドルームのマンションは角部屋で、リビング、キッチン、2つのバスルーム、そして2つのベッドルーム全てに窓がある。僕にあてがわれたバスルームも東側に面していて、朝の直射日光が目に痛いくらいに差し込んでくる。何もかもが蒸発してしまうんじゃないかというような日差しの中で、顔を洗い、髭をそり、コンタクトを入れて、いつもより念入りにスキンケア・クリームを2重、3重に塗りこむ。その手にも力が入ってしまう。露出しているところは、とにかくSPF30以上の日焼け止めクリームを塗りこんで防御しないと、こんな日差しだとイチコロ。シャツも、ちゃんと襟があって首を日焼けから守れるポロシャツを選び、ベースボールキャップにサングラス姿で完成。地元の地図もポケットに入れ、現金、鍵、携帯電話もカーゴ・ショーツのあらゆるポケットに詰め込んで、手ぶら状態でジャドソンのマンションを出発した。

とりあえず、目の前に広がるビーチへ。金曜の午前ということで人もまばら。ビーチに寝そべっているのは若い女性や年寄り、子供ばかりでいい男なし。それに、沖には異様に背の高い椰子の木が何本も生えた小島がいくつも浮かんでいる。ギリガンズ・アイランドのような・・・。



(後でジャドソンに聞くと、これらの島は石油貯蔵基地なのだとか。)そしてふと振り返ると、ビーチ沿いのバイク専用レーンを、上半身裸の若者たちが走り去っていく――僕はすさまじい日差しと、それを照り返す砂浜のハザマを、白昼夢の続きを見るようにバイク用レーンに向かってきびすを返した。



数分歩いているだけで既に腕がジリジリと焼けてくるのが分かる。上半身裸のいい男どころか、通行人が一人もいない中をただひたすら歩き続け、行き着いた先はレストラン・コンプレックス。海に面して作られたウッド・デッキ沿いに、中華、メキシカン、日本料理レストランなどが軒を連ねる。時間はちょっと早い11時過ぎ。だけど良く考えると東海岸時間ではすでに午後2時過ぎ。小腹もすいてきたところだったし、とにかくこの日差しから逃げたかった僕は、カリフォルニアに来たらやっぱり日本食でしょうということで、この↓レストラン「Tokyo Wako」へ入店。



受付で案内してくれたカリフォルニア・ブロンドの女性が、ピンク色の、着物とも浴衣ともつかないものを着て出てきたのを見て、「あぁ、ここはカリフォルニアなんだ」と思いを新たにした。

手早く昼食を済ませ、このレストランから徒歩5分ほどのところにある水族館Aquarium of the Pacificへ。入場料は大人一人19.95ドル。パンフレットに日本語版もあった。金曜の昼間で、やたらと小学生くらいの子供が多い。多分、学校の遠足か課外授業で来ているみたい。子供を連れた家族連れも多くて、そんな中にハンサムなパパを見つけて、水槽そっちのけでパパの観察を始めてしまう僕。でも一応、魚の写真もパチパチ撮ってみました。
















ちびっ子どもに囲まれながら、トロトロ歩く家族連れを追い越して水槽を見て回るうちに、小一時間ほどで全部見終わってしまった。まだ時間は2時過ぎ・・・。日差しはきつくなるばかり。まだしばらく日がかげるまでは、水族館で時間つぶしかなぁ・・・と見渡すと、映画館が。3Dの映画が2本(15分ずつの短いもの)が上映されていた。しかも、その入り口でチケットを切ってるアルバイト風のお兄さんがモロ・タイプ(ムフっ)。

ピンボケしてるぅ~


でも雰囲気だけでも伝われば・・・


チラチラ見てるとお兄さんと目が合ってしまって、これはもう入場するしかないでしょう!ってなわけで、5ドルを払って入場チケットを手に握り締め、すでに並んでいたちびっ子小学生の後ろに並んだ。そして係員のお兄さんにチケットを手渡すとき、またチラッとお兄さんの目をみたら、「Thank you」って言ってくれた。僕の前に並んでいたちびっ子にはなかった「Thank you」。もしや?でもこういうときってどうすればいいの?常時、連絡先と名前を書いたメモかなにかを持っておいて、サット手渡せばいいのかなぁ?どっちにしても臆病者の僕は、笑顔を返すので精一杯・・・。しかも地元の人間じゃないし・・・。チッ。

結局、3Dの映画は、イマイチ。紙でできたメガネが、平べったいアジア人の顔用に作られてないのか、なかなか立体映像に見えなくてストレスだけがたまった。微妙にメガネを折り曲げてみたり角度を変えてみたり、立体に見えろ!って頭で念じると少し立体に見える瞬間があったり・・・言うことを聞かない子供のようで疲れました・・・。でも上映が終わって出口にまたお兄さんが登場したときは、ちびっ子を差し置いて先頭に立って笑顔を振りまきながらお兄さんにお別れ。

そして4時過ぎ、そろそろ水族館にも飽きてきた。日も傾き始めたかなと外に出てみると、猛暑。この週末は、カリフォルニアにも熱波(ヒートウェーブ)が襲ってすごい暑さになっていた。いや~ん、めちゃくちゃ暑いじゃん。朝塗った日焼け止めクリームは、もうとっくに時間切れ。日焼けするぅ~と叫びそうになりながらも、すでに水族館を出てしまった身。もう後戻りは出来ない状況。人もまばらな猛暑の中を、僕は町の中心に向かって歩き始めた。

Pineアベニューっていうのがどうも街の目抜き通りのもよう。でもサザン・カリフォルニアなだけあって、金曜の夕方なのにストリートを歩いている人が少ない。やっぱり車社会なんだぁと、ここでも東海岸との文化差を実感。たまに、道路を上半身裸で汗だくになりながら猛スピードで自転車で駆け抜けていくクレージーな若者を見かけながら、どうにか中心街風な一角に出た。洋服のお店やレストランが立ち並んでいて、それに路面電車の駅もあった。砂漠の中でやっとオアシスについた遊牧民の心境。

Pineアベニューの景色



そのままPineアベニューを北上していると、ゲイ御用達のGold’s Gymを発見!僕の地元にもあるジムで、日々、ゲイが身体を鍛え上げているところ。しかも、その入り口付近には、ジムで人汗流してきたばかりのようなCali guysたちがたむろっている。顔の角度を変えず、だけどサングラスの奥ではバッチリ目で彼らの腕っ節なんかを追いながら、そ知らぬ振りして通り過ぎた。すると、向こうも僕に気が付いた模様で、ジロジロ。え、っそんなに僕ってバレバレだった?それだったらちょっと声かけてくれてもいいんじゃない?なんて高飛車な態度を内に秘めながら、そのまま歩き去ってみる・・・。でも数ブロック歩くとそこはもうゴーストタウン状態。工事の途中で終わってるような廃墟や、閉店してしまったお店など、まさにワンブロック離れただけでこの変わりよう。さすがアメリカ。

逃げるようにその一帯から逆戻りして、また目抜き通りのOceanブルバードへ。だけどこのお日様からだけは逃げられない。ヒイヒイいいながら、ジャドソンのマンションへ戻る決意を固めてみたはいいけれど、日陰がない。途中まできたところで、ギブアップしてコーヒーショップで休憩。中はガラガラ。だけどカウンターに若いブロンドのお兄さんが女性客とお話している。下唇のすぐ下の真ん中にこれまたブロンドのヒゲをちょびっと生やしていて、カッコいいんだかよくないんだか。いや、でもかっこいいんでしょう。

アイスラテを頼み、窓際に座って地元のコミュニティー・ニュースペーパーを読んで待つこと数分。ブロンドお兄さんが、高級レストランのウェイター並みのスムーズな手つきでアイスラテを運んできてくれた。サンキューのお礼を言って、またニュースペーパーに目線を落とす。それから数分して、またお兄さんが僕のテーブルまでやってきた。今度は何?と思っていると、「他に何か注文ありますか?メニューを持ってきましょうか?」のサービス。めちゃくちゃ親切ぅぅ!それとも、このウラには・・・なんてまたもや妄想に陥ってしまう僕。もうカリフォルニアに来たとたんにイイ男がすべてゲイに見えちゃうっていう病気にかかってしまった模様。それともこれは暑さのせい?

症状が悪化しないうちにジャドソン邸に戻って午後の昼寝でもしようとコーヒーショップを出たのはいいけど、数歩歩いたところで、テーブルにチップを残してこなかったことに気が付いた。しまった!っと思って振り返ってみたけど、涼んだコーヒーショップは遠く蜃気楼のような距離。ま、3ドルのアイスラテだけだったし・・・チップといっても1ドルでしょうと、せっかく優しくしてくれたお兄さんに罪悪感を覚えながらも、でも、多分、二度とあのコーヒーショップに戻ることはないなっていう打算も働いてそのままに。嫌なアジア人って思われてしまったかもしれないけれど。ゴメン!(ここで謝ってもしょうがないね。)

ジャドソン邸に戻ったら今度は急に元気が出ちゃって、寝るに寝れない。そこで寝室の窓を全開にして、海からのそよ風が吹きぬける中、ブリーフ一枚でヨガ体操を開始。腹筋、腕立て伏せなんかも組み込んで40分も体操をすると、汗がフツフツと皮膚の表面ににじんできた。それを蒸発させるように吹き込んでくるシーブリーズ。そよ風が唇に吹いたとき、初めてそれがヒリヒリしているのに気が付いた。火照った身体をベッドに横たえて呼吸を整えていると、ジャドソンが仕事から戻ってきた。

かりふぉーるにゃ旅行記 【木曜日&金曜日編③】

2006-07-22 06:22:42 | 旅行・外国
この晩は、地元のイタリア・レストランで食事をした。ジャドソンはイタリア・ソーセージの料理を頼んで、僕はこの日取れたレッド・スナッパーをメインに注文。料理が出てきて一口食べたけど、味が薄くてイマイチ・・・。多分、魚自体は新鮮なのだろうけど。

「レッド・スナッパーはどう?」と早速、聞いてくるジャドソン。

「うん・・・ちょっと味が薄いかな。食べてみてよ」と一口勧めてみた。

「そうだね、味がついてないね」とジャドソン。

「でしょう?多分、このイタリア料理屋は北イタリアで肉料理が専門なんじゃない?魚料理って『Today’s Special』の中にこの1品だけしかなかったし。確実にナポリや南イタリア系じゃないね」と僕。

すると、ジャドソンは、冗談気味に、「You’re so hard to please….」。僕ってそんなにビッチ?実はこのセリフを聞くのは初めてじゃない。東京でつきあってたアメリカ人の彼にも同じことを言われた記憶が蘇ってきた。だけど、事実を事実のままコメントしちゃいけない?それにこのレストランを選んだジャドソンを責めてるつもりはなかったし・・・。ウソでも「この魚とってもおいしい」って言うべきだった?だけどね、互いの料理を一口ずつ交換して、ジャドソンが頼んだソーセージを一口もらったとき、それはおいしいねって言ったんだよ。なので、ジャドソンも、自分が言ったことを訂正するように、「You liked my dish!」と自己フォローしてくれました。そして僕が自分の分は払うと言ったのに、「いいからいいから」ということでジャドソンのおごりに。

夕食後、地元のゲイ・バーめぐり。BritやFalcon、そして Silver Fox などを駆け足でめぐってみました。

Silver Foxでは、オーナー兼バーテンダーのオヤジさんがジャドソンと顔見知りらしく、とても親切にしてくれた。よく言えばアットホーム、率直に言えば田舎の冴えないバー・・・(もちろん、そんなことはジャドソンには言わなかったよン)。だけど肩肘張ってなくて気軽に入れてよい感じかなと思いましたよ。まさに南カリフォルニアのlaid backな雰囲気が出てました。

狭い店内を一周した後、夕食のお礼に、僕がドリンクを注文するねと、カウンターに近づいていった。僕が若いバーテンダーに話しかけると、ジャドソンの知り合いのオーナーも僕らのほうにやってきた。ジャドソンが注文したのはメルローのワイン。オーナーのほうはジャドソンのワインを注ぎに立ち去ったので、僕は、若いバーテンダーのほうに、

「スミルノフの、、、小瓶に入ったカクテルってありますか?」と聞いた。商品名が思い出せなくて、やたらと長ったらしい説明だったけれど分かってくれたみたいで、

「あーちょうど切らしてるかも。Just a sec、冷蔵庫の中を見てくるから」と立ち去る若いバーテンダー。そこにメルローのワインを手にもどってきたオーナーの方が、

「君の注文は?」と聞いてきた。

僕とこの二人のバーテンダーとの足並みの揃わないベタなやり取りを隣で見ていた若い(しかもちょっとカッコいいかも?)男性客が、

「彼はスミルノフ・アイスを注文したよ。XX(←若いバーテンダーの名前)が裏に取りにいってる」と、状況を完璧に説明してくれた。そういえば、そのカクテルはスミルノフ・アイスと言うんだったなと、このとき思い出した。このときジャドソンは、一人で少し離れたところで、テレビ画面に映し出されたMad TVのコメディーを見入っていた。そこにはボビー・リーによるゲイ・ネタのスキットが流されていて、半裸でベッドに横たわる白人コメディアンが、「そのコリアン・アスをこっちにもってこい」なんていうセリフが僕にも聞こえてきた。

親切にしてくれた(若い)バーテンダーと一般客へのお礼もそこそこに、僕は両手にドリンクを持って空いた座席に座り、ジャドソンもそれに気が付いてやってきた。

「あれってボビー・リーだね」と僕。

「誰?そのボビー・リーって?」とジャドソン。こんなオバカな番組を知っている自分が少し恥ずかしくなってしまいながらも、ボビー・リーは韓国系コメディアン&Mad TVのレギュラーで、最近テレビへの露出度が高いことなんかを説明してあげた。僕がまだ説明の途中で、突然、ジャドソンが僕の膝を撫でてきた。4年来の知り合いだけど、ジャドソンがこんな愛情表現するなんて初めてかもしれない。これはメルローのせい?それともリラックスした行きつけの地元ゲイバーのせい?僕はジャドソンをさせるがままにしつつ、そして何気に後ろを振り返ってみると、僕のすぐ背後でじっと僕らを見つめる一人の男性客。はっはぁ~ん。判りましたよジャドソン。他のシングル客へのアピールとして僕に唾をつけときたかったわけですね。でもこの晩、幸か不幸か、ジャドソンに勝るような人は一人もいませんでしたよ。

この後、SM系のバーもちょっと覗いたけど別世界。ジャドソンも疲れたというので、11時過ぎに僕らは帰宅。明日に備えて、早めに(東海岸時間では深夜2時だったけど!)就寝しました。

(土曜日&日曜日編へとつづく・・・)

かりふぉーるにゃ

2006-07-21 02:35:43 | 旅行・外国
ついに到着!アトランタ経由のデルタ航空で、、、。

なぜデルタ?とジャドソンにも質問されてしまったけど、数年かけて地道にためてきたマイレージを使ったのでデルタになりました。それでも1000マイルほど足りなくて50ドルくらい追加で取られ、出発まで2週間を切っていたので別途50ドルほど取られ、そして通常手数料でまた50ドルとられ、実際には150ドルほど支払ったけど。だけど東西海岸の往復チケットが150ドルってお得だよね。

ユナイテッドのマイレージもそろそろ貯まってきていて、しかも、最近、手紙で「今年の10月から、国内往復チケットと引き換えるのに、これまでの40,000マイルから50,000マイルに『値上げ』されます」という警告文が届いていた。こりゃそれまでに使わなきゃ!と思ってユナイテッドのサイトに行ってみたけどこれが最悪。手紙では10月からって言っていたのに、ウェブでは国内往復チケットと引き換えるのに既に50,000マイルが請求されていた。しかも、ブラックアウト・デー(マイレージを使って購入できない日)が多すぎて使えない・・・。

そこでデルタのサイトに行ってみたら、ブラックアウト・デーなんてなくて、気が利いてる。ってなわけでユナイテッドのマイレージはお預け。急いで使う理由もなくなったし。やっぱ、チャプター11(破産法)を申請しているだけあって、ユナイテッドのサービスは杜撰だぁ。

デルタはよかったよ。いまどきの航空業界にしてはサービスが親切だった(機体はおんぼろで、ダンボールでできてるんじゃないの?ってくらいグラグラ、ユレユレで心配になったけれど)。

しかも、僕が飛行機に乗ると、だいたい、となりはジジババだったり若い女性だったりするんだけど、今回、アトランタからLAの便は、隣がハンサムで若いビジネスマンだったのだぁ~!しかも僕の座席のライトのアングルがずれてて、彼の座席を照らしていたら、手を伸ばして直してくれたり、フライト・アッテンダントがドリンクを聞きにきたときも「先にどうぞ」ってとっても紳士。「『Sky(機内誌)』持ってない?」なんて何気に話しかけてきたし。狭い座席で足や腕が触れてもそのままだったっし、、、これってもしかして?とドキドキ状態のまま5時間のフライトを堪能しました。もうちょっと反応しておけばよかったかもと思いながらも、こういうパブリックな場所でナンパなんてはしたないって自制心が働いてしまった。やっぱかりふぉーにやはイイっ。

さて、10年以上ぶりにきてみたLA。やっぱり空気がカラッとしていて「かりふぉーるにゃ(←シュワルツネッガー知事風に)」してる~。しかもジャドソンのマンションはビーチに面してるしLAなのに徒歩で色々周れる環境。今日金曜は、ジャドソンは通常通りのお仕事なので、僕は一人で街を散策する予定。ビーチでいけてるかりふぉーるにゃ・ガイどもを堪能してきまっせー。

ドラマ

2006-07-16 01:20:25 | 映画・TV・エンタメ
日曜朝、寝ぼけ眼でテレビをつけたら、ニュース番組で往年のハリウッド映画スター、タブ・ハンターへのインタビューをしていた。タブ・ハンターなんて知ってる?聞いたことないよね。それとも知らないのって僕だけで実は超有名人?1950年代に一世を風靡したスターらしい。大女優ソフィア・ローレンなんかとも共演していたり、歌手デビューも果たしていて、ロック全盛期にエルビス・プレスリーを1位の座から蹴落として12週連続1位を記録したとか。 1931年生まれってあるから今じゃ75歳。テレビ・インタビューでも、確かに老けていたけど、75歳には思えないくらい若々しかったな。60代くらいにしか見えない。今の彼。

彼がなぜまたテレビ・インタビューを受けることになったのかというと、去年出版した自伝、『タブ・ハンター・コンフィデンシャル』という本が話題をよんでいるから。タイトルに「コンフィデンシャル」っていうだけあって、秘密が暴露されてる。なんかこれだけでソソルよね。50年代ハリウッド全盛期の舞台裏を往年のハンサムなスターが暴露。ちょっとチープなタブロイド紙ネタって感じだけど、「ハンサムな大スターがカミングアウトした」って言ったら、もう僕のブログで取り上げるしかないでしょう。 彼がどれくらいハンサムだったかっていうのは当時の写真で。

ハリウッド大女優の恋の相手役を張ったタブ・ハンターがゲイだったなんて、当時を知らなくてもスキャンダラスでソソル~。

ジェームス・ディーンとも共演。彼とはデートしなかったんでしょうか?このタブ・ハンターの横顔が、水球でチームメートのキャメロンに似てなくもない・・・。ソソル~。

これって何の映画?当時のハリウッド映画って、ある種、今以上にゲイ。

1950年代のハリウッド映画といえば、『紳士はブロンドがお好き』(1953年) っていうマリリン・モンローの代表作があるよね。あれって、ものすごくゲイなのってご存知?プール脇でマッチョな男たちが半裸状態で大また開きしたり、体操するシーンがある。それに一人の女性に紳士が2、30人群がるシーンが至るところに・・・。この機会にオススメ。

このシーンで彼は何を考えていたのか・・・。

テレビ・インタビューでは、今の彼のパートナーも一緒に出演していて、4、50代になってもカワイイ系を維持している人でした。ちゃんとタブ・ハンターの写真や雑誌記事をスクラップブックにキレイに整理していて、「タブは自分の写真や雑誌カバーなんかを保存してないんですよ」とインタビューに答えていた。一方、タブ自身はというと、「僕は仕事が終わると、次!っていうタイプだからこういうのをのけておかないんだ」という男っぷり。 このブログを書くにあたってタブ・ハンターについてグーグル検索してみたら、出るわ出るわ。やっぱり有名人なんだね。しかも、『タブ・ハンター・コンフィデンシャル』の中で、映画『サイコ』で有名なハリウッド・スター、アンソニー・パーキンスと、50年代に付き合ってたって暴露してる。 1950年代に撮影されたアンソニー・パーキンスの写真。 目線が完全にゲイでしょう。

付き合ってた頃、デートで映画に一緒に行くことがあっても、ベースボール・キャップを目深にかぶったり、別々に映画館に入ったりしてゲイでしかも付き合っているっていうことを隠すことに大変だったっていう苦労話を紹介している。だけど映画スターなんだったら、デートで映画館なんて行くなよ!って思うのは手厳しすぎ? 当時、タブ・ハンターは、アンソニー・パーキンスに何度もカミング・アウトするよう説得したらしい。だけど、アンソニー・パーキンスはその後、結婚して息子ももうけていたりする。そして1992年にエイズで他界・・・享年60歳。残された妻ベリー・バーレンソンは、2001年の同時多発テロでボストン発の飛行機に搭乗していてその犠牲に。 もっとアンソニー・パーキンスの写真を見た人はこちらを。 ついでに、50年代ハリウッド・スターで、ロック・ハドソンもゲイという情報を発見。 ロック・ハドソン

今月号のゲイ雑誌『Out』でも、イギリス人役者のイーアン・マケラン(「X-MEN」で悪役、マグニートを演じている)についての非公式の伝記『Ian McKellen』(Virgin Books出版、マーク・バラット著)が紹介されていた。その中で、イーアン・マケランのコメントがちょうどタブ・ハンターのことと重なっていたので紹介します。

 「(1991年のイーアン・マケランのコメントとして)ゲイであるということは、その人が人生の中で秘密にしなければいけない一部となっている。だからゲイはスパイになるのに優れているし、王侯貴族は彼らを雇い入れてきたし、そして多くのゲイが役者になっている。それは我々が真実を隠すことに人生を費やしているからである」。