アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

新ブログに引越!My new blog http://gayjapaneseexpat.blogspot.com/

Billy Bean

2006-02-25 13:36:54 | 
少なくともアメリカでは、俳優やミュージシャンでカミング・アウトする人たちが増えてる。だけど、スポーツの世界ではめっきり少ない。即、思いつく有名どころでは、マルチナ・ナブラチロワ、それとオリンピックのダイビングで金メダルを取ったGreg Louganisくらいかなぁ~。今期のトリノ・オリンピックで、アメリカ代表としてフィギュア・スケートに出場しているJonny Weirも、その見た目から、「彼はゲイに違いない」というゴシップがマスコミで流れているけど、本人は「スポーツと僕のセクシュアリティは関係ない」なんていうコメントを発表して頑な姿勢のまま。確かに、私生活に土足で入り込むようなマスコミの下品さには僕も嫌悪感を覚えるし、Jonny Weirが「自分がゲイかどうかなんてあんたにとって関係ないでしょ」というのもとても理解できる。(ただ、彼のようにバレバレの場合、ちょっと悪あがきの感も否めないけれど・・・。)

この機会に、スポーツ界でカミング・アウトした人たちについてちょっと調べてみたら、結構いました。(末尾に年表で紹介します。)

僕の予想では、テニスとかフィギュア・スケートなど、個人スポーツでのカミング・アウトが多いかなと思っていたけど、意外や意外、アメリカン・フットボール、ラグビー、サッカー、そして野球なんていうマッチョを王道で行く集団スポーツでカミング・アウトしている人たちがいる。だけど、その多くが、引退してからカミング・アウトしていて、やっぱりチーム・メートとの信頼関係が鍵になってくるスポーツで、現役中にカミング・アウトするというのは困難を極めるみたい。

そんな引退後にカミング・アウトした一人が、元メジャー・リーガーのBilly Bean。彼が現役を引退したのが1995年で、その5年後の1999年にカミング・アウト。すっかり忘れてたけど、彼がカミング・アウトしたときはかなり大きなニュースになっていた。しかも、写真を見ての通り、かなりの男前。ここまでカッコよくなかったら、これほど大騒ぎにはならなかったはず。

彼は現役時代の体験を手記として出版していてベスト・セラーになっている。僕もその見た目に惹かれてパラパラと立ち読みしました(あ、また僕のつましい生態がバレバレ)。特に心躍ったのが、Billy Beanが(確か)現役中に、スポーツ・ジムのロッカー室で、目線の合った人ととっさに電話番号を交換した話。メジャー・リーグで現役中、一般のスポーツ・ジムで男に電話番号を渡すなんて、ある種の賭け。もし相手がマスコミなんかに漏らしたら、それこそ選手生命が絶たれていたかもしれない。

そんなドキドキが文面から伝わってきて、僕もそのロッカー室でのやり取りを悶々と想像しながら読み耽ったものでした・・・。そしてその電話番号を交換した人は今でもパートナーで、一緒に暮らしているなんていうのが写真つきで紹介されていて、羨ましい限り。でも、Billy Beanのパートナーは、見た目かなり年上っぽい人だったのが意外。

それが去年あたりからまた話題になってたみたいで、知人の一人から、「元メジャー・リーガーBilly Beanの『Moneyball』っていう本、面白いよね」と言われたり、新聞でもOrkland Athletics(メジャー球団の一つ)のジェネラル・マネジャーを勤めるBilly Beanの本『Moneyball』がベストセラーになってるという記事を見かけた。僕の記憶では、Billy Beanはパートナーと一緒にフロリダに在住だったと記憶していたのだけど、「へぇ~、彼って球団のジェネラル・マネジャーになったんだ。大出世だなぁ~」、なんて勝手に自分の中でつじつまを合わせていた。

つい先日も、会社の上司から、「Billy Beanの本、面白いから是非読んでみるように」なんてお勧めされてしまった。上司には、「ああ、Billy Beanについてなら聞いたことがあります」なんて答えてしまったけど、まさか彼のカミング・アウト本で知ったなんてとても言えない。「え~、あのゲイのBilly Beanって、こんなにビジネスで有名人になっちゃってるの?」なんて腑に落ちないまま、強くお勧めしてくる上司に「じゃ、読んでみます」と答えておいた。

そしたら、やっぱり、僕が知っていたBilly Beanと、最近有名になったBilly Beanは別人だったようです。同姓同名、、、というか、微妙につづりがちがうのだけど。僕が知っていたのはBilly Bean。そしてもう一人の方はBilly Beane。最後に「e」がついてるんですねぇ。分かりにくい~。とっても微妙。でもようやく僕の去年からのモヤモヤが解消された瞬間でした。

P.S.
祝、金メダル!ようやく日本にもたらされたメダル。荒川静香さんおめでとう!正直、感動しました。アメリカのTVではアメリカ人しか追いかけないので、荒川さんを初め日本人選手の事前情報が全然流れなくってストレス溜まりましたが・・・。アメリカ人はやっぱりサシャ・コーエンに相当期待していたみたいで、荒川さんの金メダルが決まった後も「Aarakawaは金メダルにふさわしいか?」なんていう視聴者への調査をやっていた。結果は78%がYesで、残り22%がNo。あの演技を見て22%もNoと言っているのが納得いかない。



以下はカミング・アウトしたスポーツ選手の一覧。

<種目、カミングアウトした年、名前、コメント>

野球
1988 Dave Pallone
NL president Bart Giamatti fired the umpire after NL owners demanded his ouster

1995 Glenn Burke
Played for Dodgers and A's (1976-79); helped popularize "high five"; died of AIDS in 1995

1999 Billy Bean
Infielder with Tigers, Dodgers and Padres from 1987-95 (not the Oakland GM)

バスケットボール
2005 Sheryl Swoopes
Houston Comets star makes disclosure in latest edition of ESPN The Magazine

ボクシング
1992 Mark Leduk
A silver medalist at the Barcelona Olympics, he admitted being gay in a TV documentary

乗馬
2003 Robert Dover (←カッコいいかも)
Captain of U.S. Olympic Dressage team from 1984 through 2000; won three bronze medals

フィギュア・スケート(やっぱりフィギュア選手はゲイが多いみたい・・・)
1976 John Curry
Olympic champ outed by a German tabloid; admitted sexuality before dying of AIDS in 1991

1992 Matthew Hall
Former Canadian champion became one of first to reveal sexuality while still competing

1997 Rudy Galindo
Winner of 1996 men's U.S. title disclosed homosexuality in his autobiography

1998 Brian Orser
Former world champ revealed in a palimony suit filed by an ex-boyfriend

アメフト
1975 Dave Kopay (←この写真はそそるよねぇ~)
Ex- UW running back, first pro team-sport athlete to come out, played for five NFL clubs

1987 Jerry Smith
Former Redskins player described as Dave Kopay's "first love" in Kopay bio; died of AIDS

1992 Roy Simmons
Ex-Giants guard made the disclosure on the Phil Donahue Show

2002 Esera Tuaolo
Former nose tackle played nine seasons in NFL, including with Atlanta in 1999 Super Bowl

ゴルフ(ゴルフでカミングアウトしているのはレズビアンばっかり!)
1996 Muffin Spencer-Devlin
LPGA veteran spoke about being a lesbian in the March 18, 1996 issue of Sports Illustrated

1998 Patty Sheehan
Detailed adoption of daughter with partner Rebecca Gaston in Golf World magazine column

2003 Karrie Webb
Hall of Famer outed by Australian journalist who detailed affair with fellow pro Kelly Robbins

2004 Rosie Jones
LPGA player signed an endorsement deal after her disclosure in a New York Times column

ラグビー
1995 Ian Roberts (←彼については、以前このブログでも紹介した記憶が。彼はヌード写真も撮っていていマス。写真1写真2写真3写真4写真5写真6写真7
One of Australia's most popular players, Roberts even posed nude for a gay magazine

サッカー
1990 Justin Fashanu
Nottingham star became first prominent English player to announce his homosexuality

水泳
1994 Greg Louganis
Gold medal diver "came out" during 1994 Gay Games; admitted he was HIV positive

1998 Mark Tewksbury (←イケテルかも)
Gold medalist in 100 backstroke in Barcelona became strong supporter of Gay Games

テニス(ここでも一人を除いて女性ばっかり!)
1920 Bill Tilden
Tilden, who did not hide his homosexuality, won seven U.S. Opens, three Wimbledons

1981 Billie Jean King
"Outed" when ex-lover Marilyn Barnett sued her for "galimony"

1981 Martina Navratilova
Wimbledon champ disclosed orientation during interview with New York Daily News

1995 Conchita Martinez
Associated Press wrote story about affair with fellow pro Gigi Fernandez

1997 Helen Hull Jacobs
Won nine grand slams; obituary named her partner, Virginia Gurnee

1999 Amelie Mauresmo
French player talked about relationship with girlfriend in USA Today article

陸上競技
1968 Tom Waddell
At age 38, Waddell placed sixth in 1968 Olympic decathlon; founder of Gay Games

出典はこちら

世界の輪

2006-02-24 06:16:16 | 旅行・外国
最近、オーストラリア在住のSpecial 'K'さんからメールをもらって、彼が新しく立ち上げたブログを教えてももらった。

こちら→http://blog.goo.ne.jp/bloodoforchid/

最近はご無沙汰してるけど、ロンドン在住のYoYoさんもいるし、このブログで世界各国に輪が広がってるのが不思議な反面、とても嬉しい。世界に進出している日本人ゲイがこんなにいるんだなって、、、宮元亜門だけじゃないんだな、と。

YoYoさんのブログはこちら→http://blog.livedoor.jp/urbanehall/

奇しくも、僕ら3人は全員、英語圏だけど、大陸ヨーロッパ、中東、アジア、南米、アフリカなどに進出されている方がいたら、自己紹介がてら地元紹介をしてくれると嬉しいな。次の旅行先候補になるかもしれないし。もちろん、日本国内の方も大歓迎っす。

旅行といえば、最新号の『The Out Traveler』雑誌で、Home Sweet Swapという面白い記事があった。(この写真は、その雑誌に掲載されていたイスタンブール特集記事から。)

手っ取り早く言うと、行きたい場所に住んでいる現地人と、住宅を一時的に交換(swap)するということ。例えば、この記事では、NY在住のライターが、パリ在住のPhilippeとアパートを交換した体験談が載っている。そのメリットは、なにかと高くつくホテル代が節約できることや、異国の町で地元住人のような暮らしぶりを体験できることなど。

そういう住宅Swapを斡旋しているサイトが色々あるようです。

GFN Home Exchange Club
掲載数: 2,000 (2/3 アメリカ; 1/3 アメリカ以外)
コメント: 1年以内に住宅交換相手が見つかることを保証。見つからない場合、2年目は無料。訪問した家の評価をウェブ上に載せられる。
会員費用: 年間44.95ドル

Mi Casa Su Casa
掲載数: 258 (2/3 アメリカ; 1/3 ヨーロッパ)
コメント: 1992年に設立以来、優れた実績を誇る。しかしフル・メンバーでないとすべての掲載情報を閲覧できない。
会員費用: 3年間60ドル

Home Around the World
掲載数: 350 (ほとんどがヨーロッパ)
コメント: 検索機能に優れている。旅行者保険や、航空チケット/ホテルの割引も提供している。掲示板もあり。メンバーシップを更新する場合、50%割引が適用される。
会員費用: 2年間39ポンド(約71米ドル) or 5年間65ポンド(約115米ドル)

One World One Family
掲載数: 120 (2/3 アメリカ, 1/3 ヨーロッパ)
コメント: 無料だが、アカウントを開設するのに48時間がかかる。ページを8ヶ国語(日本語もあり!)に翻訳してくれる機能あり(ただしとてもラフな訳)。写真が大きい。
会員費用: 無料

Gay Home Exchange
掲載数: 551 (2/3 ヨーロッパ, 1/6 北米, 1/6 その他)
コメント: 無料だが、ポータル・デザインが貧弱でリンク数が少ない。
会員費用: 無料




President's Day

2006-02-20 14:14:13 | ゲイ事情
1週間に1回はブログを更新しようと決めて、だいたいまとめて時間の取れる(しかも何かとイベントが起こりやすい)週末に書いてることが多いのに、今週末は今日の月曜まで時間が取れませんでした。期待して日本時間の月曜日にチェックしてくれていた方、すいません。

言い訳を言うと、アメリカでは月曜日がPresident's Dayで休暇で3連休だったのであります。そしてその3連休を利用して、Jimmyと僕はゲイ・ビーチへ2泊3日の小旅行に行ってきたのです。そのゲイ・ビーチというのはデラウェア州にあるRehoboth Beach。ここを知っている人がいたら、それはかなりのアメリカ・ゲイ事情に通じた人。僕が太鼓判を押してあげます。


アメリカ東海岸でゲイ・ビーチといえば、マサチューセッツ州のProvince Town(通称、P Town)、ニューヨークのFire Island、フロリダ州マイアミのSouth BeachやKey Westなどが有名だけど、デラウェア州のRehoboth Beachも5本指に入るくらいゲイ・ビーチ。その東海岸5大ゲイ・ビーチを制覇した感想をまとめると・・・

【P Town】
アメリカ本土の北限ニューイングランド地方に位置するため、夏ですら泳ぐには寒いくらい。でもボストンから車で数時間の距離にあって便利だし、ケープ・コッドという高校の地学に出てきた砂洲で有名な場所でもある。ホエール・ウォッチングもできる。P Townは、まさにその砂洲の先端にあってこじんまりしたまさにtown。ゲイ人口は高くてレストランやホテル、民宿なんかもゲイ・テーストが前面に押し出されている。メーン州やマサチューセッツ州では同性愛結婚が州法で認められているように、ニューイングランドはとてもリベラルな地域なのでP Townもとてもリベラルな雰囲気でいっぱい。(P Townの「P」はpenisのPも意味してるんじゃないかと・・・。)

【Fire Island】
ロングアイランドの一部で、マンハッタンから車 or 電車、そして船で数時間の距離にあるため、おしゃれで金持ちなニューヨーカーたちの夏の定番。ゲイじゃないニューヨーカーたちの間では、週末ハンプトンに行くことがハイ・ソサエティーの一員であることのステータスなのと同じように、マンハッタンのゲイの間では、Fire Islandに行くことがとても大きなステータスになっている。Fire Islandはホテルがなく、ゲスト・ハウスを共同で借りるか、サマー・ハウスを持っている金持ちの知人やsugar daddyを見つけるしかない。それだけexclusiveな場所ということ。そのため、自然とFire Islandで見かけるゲイは平均年齢が上昇気味で、30代後半といったところ。だけど90%がジムで鍛え上げたマッチョ系・モデル系で占められる。たまに、超金持ちのジジイと、若くてキレイなだけがとりえのハスラーっていう組み合わせをビーチで見かけたりする。良くも悪くも、ニューヨークの極めつけを凝縮したような場所。人間観察するには飽きのこない場所だけど、自分の容姿に劣等感をもたざるをえない環境なだけにバカンスでリラクゼーションどころかストレスが散々たまって二度と行きたくないって思うことになるかも。ただ、exlusiveな分、ゲイ人口は100%といっていいんじゃないかな。

【South Beach】
いわずと知れた常夏のマイアミにあるビーチ。ここはゲイの名作映画、Bird Cageの舞台になったことでも有名。さらには、ゲイのデザイナー、ベルサーチがハスラーに殺害されたのもこのSouth Beach。今でもベルサーチのマンションはSouth Beachの目抜き通りにたたずんでるし、ベルサーチが毎朝通ったというお気に入りのカフェも健在。ゲイも多いけど、マイアミだから普通の観光客も多い。しかも、キューバ移民も多くて道を数ブロック内陸に入るとスペイン語しか話せないようなウェイターが経営しているカフェがあったりと異国情緒たっぷり。常夏のマイアミなだけあって、海はエメラルド・グリーンで南国リゾート気分は十分味わえるし冬でも泳げる。しかも、ゲイ・ビーチと言われるだけあって、ビーチを歩けば自然とゲイばっかりが寝そべっている一角に行き着く。なぜゲイばっかりと分かるのかというと、水着、体の鍛え方、そしてなにより男ばっかり100人ちかくがたむろってるから。外国人比率も多いんではないかと。特にフロリダは何故かドイツ人にとって一大観光名所。イギリス人も多いかも。

【Key West】
アメリカ本土の中では最南端。フロリダ半島の南端に位置する小さな島(key)。ヘミングウェーが愛したことでも有名で、彼の家は現在、ミュージアムとして残されている。ここも観光名所なのでゲイじゃない人たちも多い。だけど、ホテルで働いている人たちを見ると、ほとんどがゲイのような気がしました。そんなフレンドリーなホテルの人にナイト・スポットを尋ねたら、「僕だったら目抜き通りの西側には行かないわね」とアドバイスをもらいました。つまり、西側はノンケ・バー地区、東側はゲイバー・地区ということ。くっきり分かれて分かりやすかったデス。

【Rehoboth Beach】
デラウェア州というマイナーな州にあるビーチなだけに、とてもこじんまりとしている。ゲイのシンボル、レインボー・フラッグも目にしたのだけど、ゲイ人口はそれほど多くなくて、ノンケ、しかも退職したような高齢者や家族連れが50%以上を占めている気がした。常夏のSouth BeachやKey Westほど華やかではないし、Fire Islandみたいにゲイの人口密度が高くないという意味ではP Townに一番近いかも。だけど、P Townほどオープンじゃない。ある意味、一番、落ち着いてリラックスできる雰囲気。デラウェア州は消費税がないということもあって、ショッピング・モールが近くに沢山ある。

* * *

そもそも、Rehoboth Beachに行くことになった理由は、Jimmyの知人で金持ちのJohnがサマー・ハウスをそこに持っているから。今週末は彼に誘われたのです。そう、このJohnは、去年、ゴージャスなクリスマス・パーティーにも呼んでくれたJohn。そのパートナーのGreggとの初対面では苦い思い出があった。

なので、最初に「JohnがRehoboth Beachの彼のサマー・ハウスに今週末、招待してくれたんだけど、行く?」と聞いてきたJimmyに、思わず嫌な顔を向けてしまった。

「え、あのJohnとGregg?」

「そう。Greggは実家に帰ってるからいないって」

このとき、JohnとGreggの名前を思いっきり反対に勘違いしていた僕は、「え・・・Johnだけしかいないの・・・」とかなり嫌そうな返事をしてしまった。

「僕はJohnとはとても気が合うんだけど・・・」

と戸惑うJimmy。なにか話がかみ合ってないような、と思い始めた僕は、念のために

「Johnってあの保険会社Aetnaに勤務してる?」と確認してみた。すると

「違う違う、それはGregg。Johnはもう一人の方」と訂正してくれた。

「あ、あっちの方がJohnなんだね。Johnはいい人だよね」

「そう、Greggはbitchでqueenだけどね」とJimmy。

* * *

Rehobothまでの道すがら、本当にアメリカってド田舎だなぁ~って思った。国土が広い分、市街地を一歩出るとそこはもう大自然。高速道路にはリスやスカンクが車に跳ねられた死骸(road killsと言います)が数マイルおきに横たわってたし、デラウェアに入ったときには、刈り入れの終わった大草原を真っ白に埋め尽くしたカナダ雁(?)の群れに遭遇した。その隣にはホルスタインの牛舎。日本の田園風景ならぬ、アメリカの大草原風景だねぇ~っと見とれながらも、「Bird flue(鳥インフルエンザ)とmad cow disease(狂牛病)だね」なんて冗談を言ってみる僕。

Jimmyの車でひた走ること数時間、アメリカの高速道路脇によくあるロッタリー(宝くじ)の看板に、「$365 million」という数字が掲げられてるのを何度も目にした。そう、今週末は、全米史上最大のjack pot(大当たり)があるとかでニュースにもなっていた。(自分で好きな数字を選ぶ宝くじのため、当りの出ないときには賞金額が次回に持ち越しになる。なので、何回か当りが出ないと賞金が膨れ上がって365 million(3億6,500万ドル)なんていうとんでもない金額になる。)Jimmyも、「1日100万ドル(約1億2,000万円)使っても1年間もつね」なんて言っている。

3億6,500万ドルという金額はすごすぎるにしても、Johnもかなりのお金持ち。市内の自宅はゴージャスなものだし、それ以外にももう1軒、郊外に家があると言っていた。そしてこのサマーハウス。しかも、年がら年中、海外旅行に行ってる。サマー・ハウスは、夏の観光シーズンにはレンタルに出して良い収入になってるらしい。父親からビジネスを引き継いで、働かなくても収入があるってJimmyから聞いていたけど、そういう不動産ビジネスも手広く手がけているらしい。近年、日本でも話題になった日系アメリカ人、ロバート・キヨサキ著の『金持ち父さん』を地で行っているカンジ。

僕がFire Islandに行ったというのも真実を明かすと、当時のボーイフレンドJamesの知人Paulが年収300万ドル以上というハーバード大ロースクール卒業のやり手弁護士で、彼のサマー・ハウスにおよばれされたから行けたのでした。そして今回も同じような境遇・・・。これは偶然なのか必然なのか?金持ちボーイフレンドにとことん縁のない僕・・・ボーイフレンドに金持ちの友達はいるんだけど・・・。だけど、PaulもJohnも、お世辞にもカッコいいとは言えない風貌なんだなぁ。特にPaulは、映画バットマンに出てくるペンギンにそっくりでかなり引きました・・・。Johnはそこまでブサイクではないけど、僕の趣味とは180度違う。カッコよくてしかも裕福で、それでもってアジア人を好きで、都合よく恋人と別れたところの独身で、しかも僕の近所に住んでて・・・それって確率的にほぼゼロですね、きっと。お金持ちでタイプじゃない人か、庶民だけど自分のタイプかって言ったら、もちろん後者を取るでしょう。まだボーイフレンドに裕福な友達がいてそのご利益にあやかれるっていうだけでも感謝しとかなきゃね。

でもJohnはとっても親切で、ゲストに対しておもてなしを自然にしてくれる人でした。例えば、2晩目にJimmyと僕の寝室に、ハート型の巨大クッキーが2つ置いてあった。僕はJimmyがこっそり買ったのかと思って聞いてみたらJimmyも心当たりがないという返事。Johnに確認したところ「もらい物だけど、おいしかったから」というのでこっそり枕元に置いてくれていた。僕も実はひそかに本屋で『金持ち父さん』を立ち読みしたのだけど(本を買わないっていうところがセコイ)、「お金を欲することは守銭奴で悪いっていうイメージがあるけど、お金を持ってるほうが他人に寛大になれるし心が豊かになる」みたいなことを書いていた。それを読んだときはイマイチ納得しかねたのだけど、今回のJohnのおもてなしを受けてそれを実感した気がしました。きっと金持ちにもケチな金持ちと寛大な金持ちがいるんだろうけれど。

* * *

あいにく、今週末、東海岸はカナダからの寒気団のせいで極寒状態。土曜の最低気温が華氏15度(摂氏-9.4度)というすさまじい環境。なので僕らはほとんどを家の中でまったりと過ごしただけだった。いつもJimmy宅でまったり過ごす週末とあんまり変わりないじゃん!と思ったけど、場所が変わったせいか、(しかも僕ら以外の人がいるせいか?)Jimmyがいつもよりスキンシップを求めてきて愛情たっぷりだったのが意外だった。しかも1晩目は僕が遠慮して何もなかったのだけど、2晩目はJimmyに求められるがままに・・・。そのときの背後からのキス攻撃に、いつになくJimmyの愛情を感じちゃいました。


結局、期待した冬のビーチも2回歩いただけ。だけど、月曜の朝にはビーチにアザラシがやってきていて、幾分、寒さの緩まった中を僕らは散歩がてら海岸にアザラシを見に行ったら、既にパトカーがやってきていてアザラシの周囲に黄色いテープで囲いを作っていた。それを取り巻いてみる野次馬が20人ほど。その光景を見ながら、「日本で『タマちゃん』騒ぎになってたなぁ」なんてふと思ったのは野次馬の中で僕だけだったはず。

* * *

このサマー・ハウスに泊まったゲストにコメントを書いてもらっているという『ゲスト・ブック』があるとかで、Johnに是非なにか書いて欲しいと言われ、僕はこんなメッセージを書いた。

The coldest day, but a very warm stay. Thank you, John.

「day」と「stay」が韻を踏んでて我ながらの秀作。Johnからも、「こんどはビーチ・シーズンの6月以降に来たらいいよ」と言われ、「ぜひぜひ」と欲望丸出しでアピールしておいた。

バレンタインデー

2006-02-14 10:30:40 | 恋愛・結婚
今年はなにかとすごかった。テレビCMでは「バレンタインデーにダイヤモンドを贈りましょう」っていう宝飾店が大々的に販売戦略に出たり、チョコレート屋だけじゃなくて他のお店も便乗戦略を最大限発揮したって感じ。例年、ここまでバレンタインデーって盛り上がってたかなぁ?なんて不思議に思うくらい、今年はバレンタインデー商戦が白熱してました。そう感じたのは僕だけじゃなかったようで、アメリカ深夜番組の大御所、Jay Lenoも、「バレンタインデーに花を買うのは面倒なので、ダイヤモンドを買います、なんていう男なんているのかね」なんていう皮肉ジョークを言っていた。

基本的に、アメリカではバレンタインデーは男性が女性に花束やチョコレート、メッセージカードをあげるというのが通例かなぁ。もちろん、女性が男性にプレゼントやカードをあげることもありだけど、断然、愛情表現を金銭的なモノで表現するのは男性からというのが常識になってるような気がします。フェミニズムの意識が高まっても所詮、男は貢君たるべしってことでしょうか。

僕とJimmyは男同士だし、何もしなくていいかななんて思ってた。そのかわり、火曜の夜は二人で映画とディナーを計画。そしたら、当日、待ち合わせ場所の映画館でJimmyに会うと、照れくさそうにチョコレートとカードが入ったビニールバック(色気な~い・・・)を手渡された。チョコレートを買ったお店のビニールバッグに入ったままのチョコレート、それとカード・・・。Jimmyらしいというかアメリカ人(テキサス人)的というか。だけど、そんな文句は言えません。だって僕は何も用意してなかったから。

その場で即、開いたメッセージカードには、

Let's do it doggy style. Love

とのメッセージが書かれていました。カードの表紙は、ふんどしをつけたブルドッグが相撲をとっている写真。Jimmyなりのジョークと愛情表現だったようです。


マリッジ・ブルー?

2006-02-13 16:05:48 | 恋愛・結婚
プールがだんだん狭く感じるようになった。水球を始めた頃は、プールは深くて広くて移動するのにも四苦八苦していたのに、最近、体が軽く感じるようになった。

「練習毎に上達してるんじゃない?」というのはたまに手ほどきをしてくれるPJのコメント。以前、「すぐ休憩するけど、しんどくてもプールから出ずに頑張るから上達するんだぜ」なんて練習数回目の僕に厳しい忠告をしてきたSamも、「上半身が強くなったな」なんて言ってくれた。この他にも要所要所でお褒めの言葉をもらうようになって自信が少しずつついてきた。最高気温が零下の中を、仕事が終わって疲れた身に鞭打って練習を続けてきた甲斐が報われつつある快感。

僕にそんなstrokingをくれたチームメートの一人がCharles。20代後半くらいで身長は約180センチの引き締まった体型。僕が知る限り毎回練習に参加しているCharlesは、人見知りするタイプなのか、ほとんど口を利いたことがなかった。ゴール・シュートの練習で一緒に並んだときも、他の人には話しかけるのに、僕はまるで透明人間みたいに無視してくる。「嫌な感じ、、、イケテルけど」なんて思いながらこちらも距離を置いていた。そしたら、うまく僕のシュートが入った日、「すごくいいシュートだった」なんて唐突にプールの中で僕を励ますようなことを言ってきた。「サ、サンキュー」なんて僕もお礼を言ったけど、これまでの冷たい印象とのギャップにこちらも戸惑い気味。

Charlesのシャイな性格はシャワー・タイムのときにも表れている。大体全員がシャワーを浴びながら水着を脱ぐ。僕も初めはドキドキで口から心臓が飛び出しそうになったけど、今じゃ、面の皮が厚くなって怖いもの知らず。いつものことになるとそれが普通になって特に意識しなくなってしまった。だけど、僕より水球暦が長いCharlesなのにシャワー中に脱いでいるところを一度も見たことがない。しかも、彼が着る水着はいつもネイビー・ブルーのボクサー・タイプで地味。彼ってもしかしてストレート?

だけど先週、僕がシャワーを浴びている隣にCharlesがやってきてそのネイビー・ブルーのボクサー型水着に手を掛けた。よく発達したオシリに、筋肉がうっすら浮き出たわき腹と太もも・・・。シャワーの水が目に入ってくるのもお構いなく僕の視線はCharlesの後姿に釘付け。「こっち向けッ」なんて念じてたけど、Chalesは頑なに背中を見せるだけでこっちを向くことはなかった。シャワーを浴びている数分間、僕とは反対側で鼻歌交じりにシャワーを浴びていたJimmyと話を続けたCharlesだった。

冬にもかかわらず、常に新しい人たちが練習にやってくる。続く人は少ないのだけど、とにかく人のトラフィックは多いのが嬉しいこの水球。先週は、ガタイのしっかりしたこれまたイケテル風な人が練習に来ていた。足がつりそうになった僕に「大丈夫?」なんて声をかけてきてくれて、Jimmyというヒモがついてなかったらコロッといってたかも。(その日以来、彼は練習に来てないのが寂しい。グスン。)そして前回の練習では大学時代に水球をやっていたという体育会系でJockタイプのBlakeが声をかけてくれてパス練習を一緒にした。

いるところにはいるじゃ~ん。イイ男がこんなにも。この水球を始めるまで散々、出会いの場を求めてさまよい続けていた頃が信じられない。バーに行ってもおしゃれでハンサムな人たちは雲の上の存在だったし、20代の集いに行っても、自分と同じようなタイプばっかりで恋愛に発展することはなかった。オンラインはそれなりに出会いはあったけど、所詮、オンライン。まじめにお付き合いしたいっていう人が極端に少なかった。これって僕の人生最大の教訓かも。

――『恋人探しはスポーツ・チーム』


でも今、僕はJimmyのもの。Jimmyにも浮気しないでってお願いしてあるし。Jimmyとの契約締結、早まりすぎたかも?!もう少し待ってれば、色々な選択肢の中からベストな人を選べたかもしれないのにぃぃ。

こんな気持ちがくすぶる先週金曜日、Jimmyと夕食に行った。僕の近所のレストラン街。この晩はかなり冷え込んで、Jimmyと一緒に歩いているとすぐに耳が痛くなってきた。

「どこに行く?」と互いに聞く僕ら。だけど、Jimmyが食べたいものは百も承知。Jimmyが挙げるレストラン名も、ピザやハンバーカー系ばかりが続く。僕が何も返事をしないものだから、Jimmyは

「中華やタイ料理でもいいよ」なんていう譲歩をみせた。だけどこれというパッとした中華系レストランもタイ料理のお店もこの辺りにはない。あるのは、中華・タイ・日本料理の混じった無国籍アジア料理。でもそこは僕のお気に入りで、おいしいキムチ・ラーメンがおいてある。そんなことを考えていたら、Jimmyの方からそのレストラン名を口に出してきた。

「え、そこでもいいの?」と聞いてみる僕。

「いいよ。焼き鳥とか僕が食べれるものも置いてあるでしょ」

実は、そのレストラン、Jimmyと立ち話をしていた場所から半ブロックしか離れていない。僕の視界には既にそのレストランが入っていた。やったー!とばかりに僕とJimmyは信号を渡ってレストランに向かって歩き始めた。すると歩きながらJimmyが、

「悪い選択肢だけど、この間のタパス料理ほど悪くないから」なんて言い出した。

「悪い選択肢?だってJimmyそこでいいっていったじゃん」と詰め寄る僕。すると、

「前にこのレストランで食べたことあるけど、焼き鳥のちっちゃい串が4本くらいで5ドルとかするよね?2皿頼んだらそれだけで10ドル」と前回の嫌な体験を語り始める。

「じゃ、嫌なんだね、このレストラン。じゃ、なんでOKなんて言うの?」

「だって行きたいんでしょ、このレストランに」

「そうだけど、行く途中に『悪い選択肢』なんて言われて僕が楽しく食事できると思う?」

「・・・」

「最悪。レストラン選びがこれからも障害になって立ちふさがるよって前に話したけど、こんなことが続くんだったらもう付き合えない」

我ながら思い切ったことを言ったなと思う。だけど、そのときストレスが最高潮に達したのは事実。極寒の中を30分近く押し問答してこの結果。Jimmyの心無い一言でせっかくの金曜夜のワクワク感を台無しにされて、心のやり場のなさが唯一見出したはけ口がこの言葉だった。しかも、水球練習で散々、イイ男を素通りせざるを得ないことに疑問を感じ始めていた矢先だった。

「ゴメン。さっきのは失言だった。謝るよ。それに、食事が合わないのって僕にとっては恋愛の障害になるようなことじゃないよ。君があのレストランで食事をしたいんだったら、食べればいいじゃないか。僕は別のところで食べてくるから」

「Jimmy、それ本気で言ってる?冗談でしょう?それ本気だったらマジで信じられないんだけど。一緒に暮らしている家族や夫婦って、絆が深まる一つの理由はいつも食事を共にするからだと思うんだよね。一緒に食事できない人と恋愛関係はありえない」

「じゃ、今晩、どこに行きたい」

「・・・」今度は僕が沈黙する番になった。寒さと悲しさのあまり、目が潤んできた。Jimmyとも目が合わせられなくて、視線をそらしながら必死で涙がこぼれ落ちないようにしていた。

この後も、レストラン選びについて押し問答が続いた。この際にとばかりに、僕はJimmyに本音をぶつけた。

「Jimmyってハンバーガーとかピザとか、red meatとかが大好きだよね。僕も食べるけど、例えばピザを今晩食べたら、今週末はピザやチーズ系なんかはもう食べたくない。もし今晩、red meatを食べたら、今週末はもう食べたくない」

「僕だって毎日red meatを食べてるわけじゃないよ」と反論してみるJimmy。だけど断然、Jimmyがred meatを食べる頻度が多いのは明らか。

「いままでつきあった人と食事について問題にならなかったの?」なんていうこれまで聞きたくても聞けなかった質問もしてみた。

「インド人で菜食主義の人と付き合ったことがあったけど、長続きしなかった。基本的に、一緒に食事をすることはなかったよ。ま、我慢してたねそのときは。でも食事が原因で別れたんじゃないよ」なんて当時を語るJimmy。逆に、僕の過去について質問をしてきた。

「君の場合、これまでつきあった白人ボーイフレンドとは問題なかったの?」

僕にとっては待ってましたといわんばかりの質問。僕のこれまでの恋人は、みんな日本や中国に興味があって料理もバッチリOKだった。そのことを話したら、やぶ蛇だったといわんばかりの表情で引き下がるJimmy。結局、この晩は以前二人で楽しい食事をした思い出があるCosiという短絡な方法で解決した。

こんな事件で始まった先週末は、Jimmyは僕の扱いに特に慎重になっているみたいで、食事は僕が言い出すまで話題にならないし、Jimmyは必ず「何が食べたい?」って僕に聞くようになった。僕がはっきりした返事を出さない時も、「じゃ、あの中華料理のお店に行ってみる?」なんて必ずアジア系のお店をサジェストするようになった。これは今週末だけの一時的なことなのか、それともこれを機会にずっとそうするつもりなのかJimmyの真意は不明。

そんなJimmyの気遣いを感じたので、土曜の昼はJimmyの提案通りホットドッグのサルサソースかけだった。日曜の朝食もJimmyの言うとおりチーズ・オムレツだったし。僕も要所要所で気を遣ってます。そしてJimmyが朝食を用意するために冷蔵庫をのぞいていたとき、大きなステーキ肉のパックを取り出してきた。

「今週末は食べないから、冷凍庫に入れとく」

ステーキ肉は二切れあった。もしかしたら僕と今週末食べるためにJimmyは買っていたのか?僕のためにオレンジジュースも新しいのを買ってくれていた。だけど金曜夜の僕の一言がJimmyの胸に刺さったままみたい。

「あ~、Jimmy、僕が金曜夜に言ったことで傷ついてる?」

「ちょっと敏感になってる」と素直に認める彼。

マジで堪えてたの?意外なところで繊細な一面を見せるので、僕も悪者になった気がして後味悪い。

「I'm sorry」とは言ってみたものの、その巨大なステーキ肉を食する気にはならず(しかも狂牛病が心配じゃん!)、Jimmyが冷凍庫にしまうのを止めることはしなかった。


そして明日はバレンタイン・デー。火曜日で水球の日だけど、二人でお休みして夕食と映画に行くことにした。

「普通に水球に行って、それから食事に行くのでも僕は構わないけど・・・」というJimmyの意見は却下して、僕はどこかに行きたいと主張。バレンタイン・デーの夜は、レストランもディナーセットを用意しているところが多くて、一人35ドルでコースメニューなんかを出している。僕が地元のゲイ新聞に掲載されていた広告を見せたら、「35ドル?高すぎ」で却下。Jimmyは食事に関して高くて量が少ないのはとにかくダメ。典型的なテキサス人。これも僕が気に入らない点。

とりあえず、前から僕も行きたかった映画館近くの『小洒落た』ピザ屋に予約をすることに。「君が予約してくれる?」なんて消極的な態度を見せるJimmy。バレンタイン・デーにいいところを見せようっちゅう気は全然ないんかいJimmyは?とまたもや僕はお怒りモードになりそうになるところ、ぐっとこられて、「Jimmyの部屋にそのレストランの電話番号が書いたマッチがあったよね。僕は行ったことないから、Jimmyが予約しておいて」と半ば強引にJimmyに予約をお願いした。

Jimmyって気遣いあるところを見せてくれるときもあるけど、ロマンチックからは程遠い。たまに愛されているのか疑問に思うし、僕もどれくらいJimmyのことが好きなのか分からなくなってきた。

付き合い始めの頃、「カナダに一緒に移民して結婚するんだったらバンクーバーだね」なんて無邪気なことを口走っていたけど、最近じゃ、リアルすぎて話題にもならない。昨年12月、互いにLワードを口にしたけど、それもあれ以来どちらの口からも聞くことはなくなってるし。付き合い始めて3ヶ月が過ぎて、互いに現実の重みを感じ始めた。