ゲイ映画はB級、っていうのがだいたいの相場なんだけど、最近たて続けに「当り」に出会った。映画のタイトルは、『Shortbus』と『Innocent』。
『Shortbus』
2001年に公開された『Hedwig and the Angry Inch』というこれまたゲイ(ドラッグ・クイーン)の映画を監督したJohn Cameron Mitchellの最新作。とにかく、す・ご・い、の一言に尽きる。何がすごいかって言うと、ポルノ俳優でもない普通の役者たちが、映画の中で役になり切って本当にインターコース(性交渉)をしているから。そのシーンもばっちり撮られている。そして、オープニング・シーンの一つが、主人公ジェームスのセルフ・フェラシオ&口内射○。「この役者さん、この後、お仕事があるのかなぁ・・・」と実物の役者さんの将来を真剣に心配してしまった。
とにかくこうしたショッキングなシーンの連続があるので話題を呼んだというのが僕も興味を引かれた最初の理由。だけど、ニューヨークタイムス、ワシントン・ポストなどなど、全米の新聞がこの映画を取り上げて悪くない批評をしたのも手伝って、僕が映画館に見に行ったときは満員御礼の大盛況だった。(9割ゲイ、1割女性っていう客層でした。)
不感症のストレートのアジア人女性と、うつ病で自殺願望のある元ハスラーのゲイの青年ジェームスという二人の登場人物が主人公。不感症の女性は、セックス・セラピストで他人の性の悩みの相談にのる立場なのに、自分の性の悩みは誰にも言えず、そして夫にも言えずにいた。そこに長年の恋人関係をオープン・リレーションシップにするべきかどうか相談に来たのがジェームスとジェイミー。ジェイミーはまだジェームスのことが好きで好きでたまらないのに、かつてハスラーとして身を売っていたジェームスは、うつ病におかされ、ジェイミーの愛情に応えられない自分を責めていた。
そして彼らが自分の性、そして自分そのものに向き合うために集う場所が、Shortbusと呼ばれる秘密の社交場。そこでは、乱交、性的ゲーム、ライブ・ミュージック、語らいの場、酒場などいろいろなシーンが入り乱れた混沌とした場所。そこには、オアシスに集まる動物のように、同じようにそれぞれの悩みを抱えた人たちが集まってきている。例えば、SM女王として稼ぎ生きているドミネートリックスの女の子、ジェームスとジェイミーの隠れファン&ストーカーのゲイの青年、Shortbusを取り仕切るドラッグ・クイーンなどなど。そのキャラクターは濃すぎるくらい濃いのに、見ているとだんだん味わい深い愛着の持てる人たちになってくる。
性を通して自分の立脚点みたいなものを考えさせられる優れた作品。
でも、ストーリーとは別に、おもいっきり爆笑したシーンは、ジェームスとジェレミーがShortbusで出会った美形青年(Jay Brannan)と3Pするシーン。美形青年が、ジェームスと69のポーズを取って彼の勃起したナニをマイク代わりに鷲づかみし、そしてジェイミーは美形青年のオシリに顔を埋める・・・。そこで美形青年は、ジェイミーに対して「もっとノイズを出して!」と命令する。するとジェイミーは、オシリに顔を埋めたままアメリカの国歌を歌い始める・・・。
(日本でも公開されるのかなぁ?だとしても、モザイクがかかっちゃうんだろうなぁ。)
『Innocent』
もう一つの作品は、今月DVDが発売開始された香港の映画監督Simon Chungの作品。カナダのトロントに、香港から両親に連れられて移民してきた16歳のゲイのお話。最初はいとこ(?)のアジア系カナダ人青年に恋をし、その次は同級生のジェームス、そして中国人のウェイターに次々恋をして砕け散っていく。低予算のインディー映画なんだけど、いい味出してる作品。ハリウッド映画みたいに見せ場が3分ごとにやってくるとか、クライマックスのシーンとかはないのに、見た後、じわじわと読後感ならぬ鑑賞後感が沸きあがってくる作品。
秋の夜長にオススメ。
『Shortbus』
2001年に公開された『Hedwig and the Angry Inch』というこれまたゲイ(ドラッグ・クイーン)の映画を監督したJohn Cameron Mitchellの最新作。とにかく、す・ご・い、の一言に尽きる。何がすごいかって言うと、ポルノ俳優でもない普通の役者たちが、映画の中で役になり切って本当にインターコース(性交渉)をしているから。そのシーンもばっちり撮られている。そして、オープニング・シーンの一つが、主人公ジェームスのセルフ・フェラシオ&口内射○。「この役者さん、この後、お仕事があるのかなぁ・・・」と実物の役者さんの将来を真剣に心配してしまった。
とにかくこうしたショッキングなシーンの連続があるので話題を呼んだというのが僕も興味を引かれた最初の理由。だけど、ニューヨークタイムス、ワシントン・ポストなどなど、全米の新聞がこの映画を取り上げて悪くない批評をしたのも手伝って、僕が映画館に見に行ったときは満員御礼の大盛況だった。(9割ゲイ、1割女性っていう客層でした。)
不感症のストレートのアジア人女性と、うつ病で自殺願望のある元ハスラーのゲイの青年ジェームスという二人の登場人物が主人公。不感症の女性は、セックス・セラピストで他人の性の悩みの相談にのる立場なのに、自分の性の悩みは誰にも言えず、そして夫にも言えずにいた。そこに長年の恋人関係をオープン・リレーションシップにするべきかどうか相談に来たのがジェームスとジェイミー。ジェイミーはまだジェームスのことが好きで好きでたまらないのに、かつてハスラーとして身を売っていたジェームスは、うつ病におかされ、ジェイミーの愛情に応えられない自分を責めていた。
そして彼らが自分の性、そして自分そのものに向き合うために集う場所が、Shortbusと呼ばれる秘密の社交場。そこでは、乱交、性的ゲーム、ライブ・ミュージック、語らいの場、酒場などいろいろなシーンが入り乱れた混沌とした場所。そこには、オアシスに集まる動物のように、同じようにそれぞれの悩みを抱えた人たちが集まってきている。例えば、SM女王として稼ぎ生きているドミネートリックスの女の子、ジェームスとジェイミーの隠れファン&ストーカーのゲイの青年、Shortbusを取り仕切るドラッグ・クイーンなどなど。そのキャラクターは濃すぎるくらい濃いのに、見ているとだんだん味わい深い愛着の持てる人たちになってくる。
性を通して自分の立脚点みたいなものを考えさせられる優れた作品。
でも、ストーリーとは別に、おもいっきり爆笑したシーンは、ジェームスとジェレミーがShortbusで出会った美形青年(Jay Brannan)と3Pするシーン。美形青年が、ジェームスと69のポーズを取って彼の勃起したナニをマイク代わりに鷲づかみし、そしてジェイミーは美形青年のオシリに顔を埋める・・・。そこで美形青年は、ジェイミーに対して「もっとノイズを出して!」と命令する。するとジェイミーは、オシリに顔を埋めたままアメリカの国歌を歌い始める・・・。
(日本でも公開されるのかなぁ?だとしても、モザイクがかかっちゃうんだろうなぁ。)
『Innocent』
もう一つの作品は、今月DVDが発売開始された香港の映画監督Simon Chungの作品。カナダのトロントに、香港から両親に連れられて移民してきた16歳のゲイのお話。最初はいとこ(?)のアジア系カナダ人青年に恋をし、その次は同級生のジェームス、そして中国人のウェイターに次々恋をして砕け散っていく。低予算のインディー映画なんだけど、いい味出してる作品。ハリウッド映画みたいに見せ場が3分ごとにやってくるとか、クライマックスのシーンとかはないのに、見た後、じわじわと読後感ならぬ鑑賞後感が沸きあがってくる作品。
秋の夜長にオススメ。