アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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再会

2005-12-30 05:50:03 | 恋愛・結婚
10日間のクルーズ旅行から戻ってきた翌日、Jimmyとの再会を果たした。

11月に参加した水球練習でJimmyに出会い、その後付き合い始めてから、1日以上間をおいて会わないということがなかった僕たちにとって、10日間というのはとても長いお別れとなった。

まだ僕にとっては、元カレJamesと一緒の旅行だったことや(もちろんJimmyも了承済み)、クルーズ旅行の間に知り合ったゲイのカップルたちと楽しい時間を過ごしていたからましだったものの、最初の5日間、Jimmyは一人仕事の日々を過ごしていた。かわいそうなことをしてしまったと反省。



だけどこのクルーズ旅行はJimmyと出会う前から予約してたから、僕にとっても想定外だったんだけど。でもJimmyは不満を一言も言わなかった。エライ。後半の5日間は、Jimmyもテキサス州オースティンの実家に戻って家族と過ごしたので僕のことなんて考える暇なかっただろうけど。

そして水曜夜、Jimmyと久々の再会。自宅前まで車で迎えに来てくれたJimmy。助手席に飛び乗ると同時に、Jimmyにキスとハグで挨拶。そのそばを通り過ぎていく通行人の目も気にせずに。僕の手には旅行中に買ってきたJimmyへのお土産袋。そしてサイドブレーキの近くには、Jimmyのものと思われる赤い包み紙があった。きっと僕へのクリスマス・プレゼントに違いない。

レストラン近くの路上に駐車し、そこで僕に赤い包み紙に包まれたものを渡そうとするJimmyに対し、僕は「レストランで交換しようよ」と提案した。中華料理店に入り、注文を済ませて、プレゼント交換。まずは僕から包み紙を開けた。Jimmyが自分で包装したと思われる包み紙。不器用に、だけど注意して貼られたセロハンテープをはがしながら、

「これって、テキサスで買ってきたの?」と聞く僕。

「明けてみると分かるよ」と薄ら笑いを浮かべて答えるJimmy。

赤い包装紙の中身は、輪ゴムで無造作に縛られたベースボール・キャップとTシャツ。その両方に"Texas-Austin"というロゴがデカデカとプリント/刺繍されていた。



一瞬、引きそうになる僕。お世辞にも趣味がいい贈り物とは言えない・・・。これまで僕がどういう服を着ていたかっていうのをまるで無視したプレゼント。だけど10日間も置いてけぼりを食わせた身にとって、不平を言う立場にはない。包み紙を開くとほぼ同時に、

「うぁー、ありがとう。この帽子の色がいいね」

なんていうお礼が口をついて出ていた。そしてその帽子をかぶってみせる僕。「あぁ、僕ってJimmyのことが好きなんだ」、とこのとき皮肉にも実感したのでした。

それにしても、僕の好みかどうかなんて完全無視してこういうプレゼント選定をするJimmyって、いかにもJimmyらしい。これまでにも紹介したように、オレンジジュース嫌いだったり奇天烈な嗜好の持ち主のJimmyの性格をよく表している。そんなJimmyに好かれる僕って・・・ちょっと複雑な心境。

Jimmyのプレゼント選定基準って、『僕が気に入るかどうか』というのじゃなくて、『Jimmyの好みかどうか』というのが基になっているような気がする。『このプレゼントはオレ自身だ!』っていうメッセージみたいなのが、この僕の趣味とはかけ離れたプレゼントを眺めながら強く感じたのでした。

そして次はJimmyが僕のプレゼントを開く番。僕が買ってきたのは、マヤ遺跡をモチーフにしたロウソク立て。男性がヨガのポーズのようにのけ反って、自分の両足首を掴むポーズを取っている。そして足の上にロウソクを立てるというデザイン。地元の人が粘土をこねて作ったような素人風の出来で、顔もブサイクなんだけど、なぜかこの置物/ロウソク立てに僕は強く惹かれてしまった。ホンデュラスのロアタンという貧困国だったにもかかわらず、18ドルもしたこの置物。実はJimmy宅には変な置物類が色々とあって、きっとJimmyが気に入るんじゃないかと思って買ってきた。プレゼント選びってその人の性格が露骨に出ます。

マヤ遺跡風置物を手に取り眺めるJimmy。

「それ、ロウソク立てなんだよ。Jimmyの家には色々な置物があるでしょう?気に入るかなとおもって」と説明する僕。

「ありがとう。ロウソク立て以外にも、なにかの入れ物になるね」と嬉しそうに色々な角度から眺め回すJimmy。

とりあえず僕からのプレゼントを気に入ってくれたみたい。

* * *

中華料理店での食事を済ませたのが夜10時過ぎ。明日は仕事納め。しかも早朝ミーティングが入っていた。そろそろ帰って寝る準備を、なんて考えていたら、Jimmyが、

「今晩、家に来る?」と聞いてきた。

「え?でも今日は平日だよ。Jimmyも明日仕事あるでしょう?それに、これまで平日の水球練習で出合っても、食事だけでお泊りすることなかったじゃない?」

「じゃ、僕が今晩、車で運転して家まで送ってあげるから、僕の家に来ない?」

「???」。なぜ、Jimmyがここまで今晩は強引なのか、僕には理解できなかった。

「OK、あと1日2日は我慢するよ」と諦め顔で結論を出すJimmy。

すっかり休暇ボケしていた僕は、Jimmyがこの晩、11日ぶりの「再会」を果たしたかったのだとようやく気がついた。

「あ、ゴメン、気がつかなかった・・・。僕も11日ぶりだから・・・じゃ、Jimmyの家に行くね」

と言って、僕はこの晩、Jimmyの車に乗り込んで彼のマンションへ行った。

11日ぶりにJimmyのネコたちにも再会。リビングで荷物を降ろし、靴を脱いで、Jimmyとハグ。久々だからか、Jimmyはいつもより強くハグしてくる。しかも時間が長い。僕も久しぶりのJimmyとの抱擁に陶酔――。

そして、ついにこの晩、僕はJimmyに'L' wordを発してしまった。

"I love you, Jimmy."

――2秒くらいの沈黙。そして思い出したように、Jimmyも僕に

"I love you, too."

僕が言ってから、間髪いれず返事してくれなかったのはなぜ?あの2秒の間に、Jimmyは何を考えたのだろう?この言葉を言うことで生まれる責任?コミットメント?色々な想像が僕の頭を駆け巡っていった。考え抜いた末に発せられたJimmyからの"I love you, too."には、何か重いものが秘められている気がした。

* * *

大晦日は、実はJimmyの誕生日。マヤ遺跡のお土産渡したところだしなぁ・・・。Jimmyの誕生日ってタイミング悪すぎ。絶対に彼の両親も、5人兄姉(きょうだい)の末っ子として生まれたJimmyへは、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを一緒にしてますよ、きっと。僕もマヤ遺跡をあげたところだし、改めて何をプレゼントしようか思案中。デパートでのギフト券があるので、それで何か洋服を買ってあげようというのが第一候補。

今日30日が仕事納めのJimmy。電話で今晩何する?なんて話していたら、Jimmyが、「今晩は僕が夕食を作るよ」なんて初めて言い出した。100%テキサス料理好みのJimmyはとにかく野菜嫌いの肉好き。僕は日本料理、その他アジア料理、シーフード、野菜系が好き。それを知っているはず(?)のJimmyなんだけど・・・。あのプレゼントの後だと確信が持てない。初めての手料理に期待する半面、やっぱりJimmyの性格を前面に押し出した料理になるのではないかと、正直、不安がよぎります。


Fab Five

2005-12-28 12:33:14 | 旅行・外国
長い間、更新しなくて申し訳ないっす。サボってたわけではないのだけど、インターネットがあまり普及していない第3世界とその周辺を旅してきたので、その間、このブログを更新する手段がなかった。

クリスマス休暇を利用して行ってきたのは、コズメル(メキシコ)、ベリーズ、ジョージタウン(ケイマン諸島)、バハマ諸島、そしてロアタン(ホンデュラス)。クルーズ船でぐるっと西カリブ海を回ってきました。船上では、ゲイのカップル5組とも友達になった。この旅行の体験談は、また時間を見つけてご報告します。

(この間、Jimmyを1週間半も置き去りにしてしまいました。旅を終えて、罪悪感がフツフツ・・・。明日早速、Jimmyとディナーの約束をしてお土産を渡す手はずを調えたところ)

身辺調査

2005-12-16 14:08:53 | 恋愛・結婚
「日本大使館です。在留届についてご質問したいことがありますので、XXX-XXXXまでお電話いただけますか。よろしくお願いします」

――という留守番電話が入っていた。わざわざ日本大使館から自宅に電話があるなんて初めて。これですぐに思い出したのが、先週末、Jimmyと話した会話。

「旅先からJimmyに絵葉書出すから、住所教えて」

「いいよ。あ、住所といえば、僕もTyの住所を教えてもらわないといけないんだ。仕事柄、政府の仕事を請けてるから、外国人と付き合うときは報告しないといけないんだ。Tyって不法滞在者じゃないよね?」

単にJimmyに絵葉書を出したかったという無邪気な理由から持ち出した話題が、僕の身辺調査の話題に展開するとは誰が予想できたでしょう。でも、過去にデートした男の中にも、同じような職業に就いていて、同じような身辺調査の必要性を言われたことがありました。Joeみたいに、軍関係の仕事をしてるというので、逆に、絶対自分の職業の内容について話さないという人もいたなぁ、そういえば。

最も厳しい身辺調査になると、近所の人にも聞き取り調査をしたり、電話の通話履歴やクレジットカードの使用履歴も調べられるらしい。テロの時代だけに、笑い事じゃないよねぇ。まさか自分にもこんなアメリカ政府の手が伸びてくるとは想像もしませんでした。

「だけど、Jimmy、水球チームで僕にアプローチをしかけてきたのはJimmyの方だよね?」

「諜報部員はね、相手の好みや行動パターンを調べ上げて、ターゲットとする人物が近づきたいと思うスパイを使うんだよ」

「じゃ、その手は僕には通用しないね。僕は、タイプの人がいても、絶対自分からは話しかけないから」

「そういう人には、ちゃんと積極的に話しかけるスパイを仕向けるんだよ」

「じゃ、Jimmyはもしかしてスパイかも?」

「そう、この家にある家族の写真は、ぜんぶでっち上げなんだ。全員、赤の他人で、君をだますために仕組まれた壮大なウソ・・・」

ここまで話して、二人で大笑い。忘れないうちに、僕は自宅の住所を手書きしたメモをJimmyに手渡した。

だけど、そうやって僕のことをお付き合いしている人として会社に報告してくれるっていうことが、Jimmyが僕と「本格的に」お付き合いし始めたと考えてくれている証と思うと嬉しい。変なところで愛情を感じてしまう。

早速今日、仕事の合間をぬって、JimmyにEメールを出した。

「昨日、日本大使館から在留届について質問されたんだけど、Jimmyが僕のことについて会社に報告したからかなぁ?」

「え?まだ会社には何も言ってないけど?」

ガクッー。てっきりJimmyの会社経由の身辺調査だと思ったのに。完全に勘違い。こういう偶然というかタイミングというか、重なるもんなんですねぇ。それにしてもタイミングが合いすぎ。実は、Jimmyも知らないところで僕の身辺調査が始まっていたりして。きゃー、このブログも調査対象になってたらどうしよう。僕の痛い過去もバレちゃう~。


互いによく知るということは

2005-12-15 15:32:51 | Weblog
付き合い始めて1ヵ月半。だんだん気心知れてきたということもあって、互いに本性をみせはじめました。火曜の夜、Jimmyと初めてデートに行ったギリシャ人経営のハンバーガー屋にまた行ったのだけど、つまらないことで議論に。そのパターンが、またまた過去の別れた某男を彷彿とさせるような展開。

Jimmyの性格の弱点は、「いつも自分が正しい」っていうような一方的な話し方をしがちということ。僕が別の見方を提案してもそれを認めたがらなかったり、僕が単に見聞きしたことを伝えてるだけなのに、なぜか反論してくる。

ストレスの溜まった僕は、Jimmyに、「これまでにもきっと誰かが指摘してると思うんだけど、Jimmyって自分の意見を主張するばっかりで相手の言うこと聞かないよね?」って言っちゃいました。そうすると、Jimmyも開き直って

「僕ってそんなにpleasantな人間じゃないから」。

開きなおる手段に出たJimmyにこっちもムカッ。レストランから出てJimmyの車まで歩くのに、僕はJimmyより2、3歩先を早足で歩いて会話はなし。そして、僕の自宅前まで到着したとき、Jimmyが「木曜夜、また会える?」と少し不安そうに聞いてきた。一応Yesと応えておいたけど、その晩は少なくともJimmyとそれ以上口をきく気にはなれなかった・・・。

水曜はJimmyに会う日じゃないので、火曜日のわだかまりを引きずったまま、Jimmyに連絡を取るつもりは甚だなかった。だけど、会社の昼休み、インターネットで週末の映画を調べていたら、待ちに待っていた話題のゲイ映画、『Brokeback Mountain』が公開されるというのを思い出した。オンラインでチケットの残り具合を調べてみると、金曜夜、7時以降はすべてソールドアウト。かろうじて午後6時からのチケットが残っている。モタモタしているとこれもすぐにソールドアウトになりそうな気配。実は、今週末の土曜日からメキシコ、ベリーズ、ホンデュラス方面にクルーズ旅行に行く僕は、金曜しかこの映画を観るチャンスがなかった。

慌てた僕は、即、Jimmyの仕事先にEメールを送った。

「金曜、6時からBrokeback Mountainの映画チケットがまだ買えるんだけど大丈夫?」

いつもはすぐにJimmyから返事が返ってくるのに、今日は30分たっても返事がない。痺れを切らした僕は、Jimmyの返事を待たないまま、チケットを2枚購入。

「チケット2枚、もう買ったから」

という速報メールを出しておいたら、Jimmyから夕方、「Groovy!」という一言メールが返ってきた。

この映画、全米で議論を巻き起こすほどの話題になってます。監督は、ゲイ映画『Wedding Banquet』や、アカデミー賞受賞作の『Crouching Tiger, Hidden Dragon』、以前ここでも紹介した『Ice Storm』、そしてSF映画の『Hulk』なんかも手がけている今、最も多彩な才能を開花させている監督。彼自身は台湾人で、ストレート。だけど、なぜかゲイ映画を2本撮っている。

今回の『Brokeback Mountain』は、ピューリツァー賞を受賞した短編小説が原作。ワイオミング州で、ひと夏、羊の群れの番をすることになった2人のカウボーイたちの純愛を描いている。映画評論家たちも大絶賛。NY Timesの記事によると、この映画の最後は、涙が止まらなくなるようなエンディングなのだとか。運良く試写会で観たという知人からは、「ティッシュと、隣に手を握れる人を連れて行くように」というアドバイスまであった。

火曜の夜にギクシャクしてしまったJimmyとの関係だけど、旅行前に、感動のゲイ浪漫映画を二人で観ることで仲直りできるか?!(その前に木曜夜にまた会いますが・・・。)

真面目な冗談?

2005-12-12 15:11:30 | Weblog
今週末は忙しかった~。先週末、あれだけJimmy宅で時間をもてあましたというのが信じられない。

Friday:

金曜夜はJimmyと普通にレストランで夕食を食べた。だけど、これまでになく会話がすごく盛り上がった。トピックは何かと言うと、仕事。実は、Jimmyと僕は仕事が同じ業界のため、業界用語とか最近のビジネス・トレンド、追っかけているテーマなんかが同じ。なので僕が仕事上知り合った人をJimmyに紹介するなんていう話にもなりつつある。色気ない話だけど、この晩はJimmyと仕事について面白いディスカッションができてよかった。

Saturday:

昼過ぎに、僕とJimmyは久々に「20代の集い」の知り合い10人くらいと合流して映画『The Chronicles of Narnia』を観にいった。映画自体はC+ってぐらいでイマイチ。

20代の集いでかつてよくつるんでいた中華系アメリカ人Benや、ハワイとオーストリア育ちのRyan、ロシア人のVictor、MIT卒業のアフリカ系アメリカ人Tonyなどなど、懐かしい人たちと半年振りくらいに再会した。きっかけは、BenがEメールで誘ってくれたということ。ちょうどJimmyとその映画を今週末観にいく予定だったというのもあって、距離を置いていた20代の集いのグループに久々に参加した。

だけど、6ヶ月以上も姿を見せなかった僕。何でいまさらっていうのもあって、幽霊が帰ってきたみたいな雰囲気。しかもJimmyっていう年上の恋人を連れてきてるし。Benは、同じアジア人として僕を運命共同体として親身に思ってくれている反面、逆にライバル心を持っているのが言動に見え隠れ。だけどカトリック教徒のBenは、そうした不穏な心内を持っていながらも、表面上は平静を装って僕とJimmyに親切に接してくれた。

映画を観終わって、僕とJimmyは二人だけで映画館を立ち去ることにした。というのも、この夜、水球チーム主催のクリスマスパーティーがあり、それに二人で参加することにしていた。立ち去る時、20代の集いの人たちには一応、挨拶をした。そしてJimmyと二人で数歩歩きかけたところで、Tonyが僕に声をかけてきた。

「Hey、久しぶり。5分くらい時間ある?もしかして急いでる?最近、全然、集まりに来ないから、どうしてたのかと思ってたんだ。いつも、『Tyはどうしたの?』ってみんなに聞いてたんだ」

このTony、僕が20代の集いに通っているときから、アタックを仕掛けてきてた、、、。

この日もJimmyが僕の隣にいるにもかかわらず、僕にまくし立てるように話すTony。半分、Tonyに引っ張られるようにしてみんなのところに戻る羽目になった。

幽霊の再来。

みんな何を話していいか分からず、Jimmyも何を話していいか分からず、嫌な沈黙。Tonyは、残ったポップコーンをRyanに投げつけ始めた。緊張のあまりその場をもてあまして子供じみた行動に出たTony。彼の心の置き場のなさが目に見えて、みんなも居心地悪い雰囲気。

20代の集いに来る人たちは、だいたい自分たちと同じ年代にしか興味なかったり、内気なタイプが多い。なので、Jimmyは一人取り残されて僕の隣で沈黙している。そしてついにJimmyが、「もう行こう」と催促してきた。僕たちは映画館のロビーに輪になってたむろする状態で、グループの一人からも、「なんで僕らはまだここにいるの?」と痺れを切らした声も聞こえ始めた。

それを機会に僕らは出口にノロノロ動き始めた。そして僕とJimmyは、みんなにじゃあねと告げて映画館を出た。

出たとたんに、Jimmyは、「みんな、あの年寄り誰って感じで見てたよね」と本音をポロリとこぼした。僕はそんなことなかったと思うのだけど、平均年齢25歳くらいのグループの中で一人40代というのは、確かに肩身が狭かったかも。20代の集いのメンバーに対面するのをそれなりに楽しみにしていた風なJimmyだったけど、かなり失望した模様。

Sunday:

先週ブランチを一緒に食べたJohnとGreggが、この晩、自宅マンションでクリスマスパーティーを開いた。日曜朝、Jimmyは、

「TyはJohnとGreggのこと好きじゃないんだよね」

と言ってきた。その言葉の裏には、「だから彼らのクリスマスパーティーには行きたくないよね?」っていう気持ちが隠されていた。僕は、「彼らのことは好きじゃないけど、もしJimmyが僕に一緒に行って欲しいんだったら行ってもいいよ」と言った。Jimmyは、そういう返事のされ方が好きじゃないっていうのは僕も分かっていた。なので、Jimmyは僕に「これは君の選択だから、自分の意思で決めるべきだよ」なんて予想通りのことを行ってきた。

結局、この会話は結論の出ないまま別の話題にすり替わっていた。そしていつのまにか、Jimmyの中で、僕はこのパーティーに行くことになっていた。

2つのマンションの壁をぶち抜いたような広いリビングに、子豚の丸焼きや、フォアグラのパテ、ドリンクを注いでくれるケータリング・スタッフと、かなりゴージャス。30名くらいゲイばかりが集まった。そこはゲイバーと変わらない風景。年齢層は、やっぱりJohnとGreggの年齢を反映していました。なので、ここでも一人アジア人でしかも年齢も10~20歳他の人より低い僕は、文字通り異色。

Jimmy以外の人と2、3人、話をしたけど話題が盛り上がるわけでもなく。一人、壁に掛けられた高価そうな絵画やタペストリー、クリスマス用の内装、ツリーなどを興味津々に眺めて時間をつぶした。不幸中の幸いは、ホスト役のJohnもGreggも他のゲストの対応に大忙しだったということ。彼らとあまり話をする機会はなかった。そしてパーティー後半、Jimmyも知り合いとの挨拶を終え、一人椅子に座っている僕の隣に戻ってきた。なのでパーティー後半は、Jimmyと二人でディープな話をすることに。

Jimmyの祖父はイギリスからNYに移民してきたということ、そして母親はカナダ人ということは、ずっと前に聞いていた。だけど、母親がカナダ人ということで、Jimmyは簡単にカナダ国籍が取れるらしい。これで思い出したのが、Brian。彼も父親がカナダ人なので、アメリカ国籍を持ちながら、カナダ国籍もその後取得していた。

「カナダだと僕たち結婚できるね。カナダに移民するんだったら、やっぱりバンクーバーだよね。移住するんだったら、その前に下見にいかないとね」

なんて話し出すJimmy。あんまり冗談のようには聞こえなかったんだけど・・・。