アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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やらしすぎない?

2006-07-15 02:53:05 | スポーツ・水球
今週末からはついにゲイ・ゲイムズが8日間にわたってシカゴで開催される。そう、ゲイ・ゲイムズ。ちゃんと韻を踏んでるってところがゲイならではの気の利いたニクイ演出。

ゲイ・ゲイムズは4年に一度開催されるゲイのためのスポーツの祭典で、今回で7回目。前回はシドニー、その前はパリと、世界各国・・・といっても主に「西側」の国々で開催されている。今回のシカゴ大会では、ゲイに人気のコメディアン、マーガレット・チョー(韓国系アメリカ人)もオープニングに参加することが決まって盛り上がりをみせている。

ゲイ・ゲイムズのTVコマーシャルがこのサイトで見れます。

そしてちょうどゲイ・ゲイムズの1週間後、7月29日からはカナダのモントリオールで、1回目のワールド・アウト・スポーツが開かれる。これもゲイのためのスポーツの祭典なんだけど、明らかにゲイ・ゲイムズと競っているよね。シカゴとモントリオールなんて、飛行機で小一時間の距離。しかも時期が1週間違いって、あんた、そりゃ狙ってるでしょ。何があったかしらないけれど、ゲイ・ゲイムズの主催者と仲たがいした人たちが始めたって見るのが妥当だろうね。まだまだ差別と無理解が根強く残っているゲイ・コミュニティーなのに、自分たちで仲たがいして、おろか~って思うのは部外者だから?

ちなみに、この「西側」ばかりで開催されているゲイ・スポーツの祭典、タイとかで開いたら大盛況だと思うんだけど。日本も、こういう世界のゲイの祭典を誘致できるくらいの観光立国になって欲しいもんだよねぇ。だけど、極東っていう立地条件がイタイね。ヨーロッパからも北米からも飛行機代が高くつく上に物価も高いときている。しかも英語も通じにくいし気候もトロピカルじゃないしってイタタタタっ。

僕の水球チームの中には、2、3週間休みをとって、シカゴとモントリオールの両方に行くっていう人がいるから、そりゃすごいねって脱帽。2、3週間の休みが取れるってところもすごいけど、ゲイ・スポーツにそこまでリソースを費やしてるっていう思いの強さがね。一年間の預貯金を全部カーニバルに費やすっていうブラジル・リオ顔負け。ま、4年に一度だからっていうこともあるんだろうけど。

いきさつはどうあれ、やっぱりこれまで7回開かれてるゲイ・ゲイムズに軍配が上がっているっていうのは当然といえば当然。僕らの水球チームは、今日土曜日からシカゴ入りして、明日の日曜はシカゴで試合直前練習をする。僕も3月ごろまではやる気ムンムン、じゃなくマンマンで、地元から参加しているその他のスポーツ・チームとオープニングセレモニーでおそろいで着るユニフォームも注文していた。先週末は、その注文していたユニフォームを受け取りに行ってきたところ。

「中身を確認して。ちゃんと自分が注文したサイズかどうか」

と僕にユニフォームの入ったビニール袋を手渡しながら話しかけてきたのは、僕ら地元のゲイ・スポーツ協会を取りまとめる会長。何のスポーツをしているか知らないけど、短髪・ブルー・アイズで、身長が185センチはある。ラグビー選手かなぁと思わせる。年齢は45歳以前後といったかんじ。一見、汚れ系なんだけど、カツラをかぶせてメークアップすればドスのきいたドラッグ・クイーンにも早変わりしそうな。

「ちゃんとSサイズのポロシャツにタンクトップ、それにベレー帽も入ってます」とビニール袋をガサガサ言わせながら中身を確認。

「ベレー帽、かぶってみてよ」と会長。有無を言わせぬその言葉に僕はベレー帽を頭に乗っけてみる。

「ほら、ゴージャス」と満面の笑みで褒め称えてくれる会長。

この紺と赤のベレー帽は、前回、アメリカの冬季オリンピック・チームがかぶったのと同じデザインなのだとか。

「何のスポーツしてるの?」と質問してくる会長。

「水球です」

「ポロシャツの腕のところ、見てごらん。ちゃんとウォーター・ポロ(水球)って刺繍が入ってる」

「あ、本当だ」

「ゲイ・ゲイムズは行ったことある?」

「いいえ、これが初めてなんです」

――最初は行くつもりだったけどジミーと別れたから行かなくなった、なんてね、言えないよね。それにユニフォームも買っちゃってるってところがみっともない。だけどそんなウラ事情を知らない会長は、

「あらそう、楽しいわよぉ~。でね、ほかの国や地域の選手とピンバッジを交換するの。2個はその袋に入ってるけど、もっと欲しければ2個5ドルなんだけど?」とセールス・トークを始める始末。

「いや、いいです」と丁寧にお断り。

「ホントに?このピンバッジの交換が楽しいのに。いくらあっても足りないわよ、絶対」と押してくる会長。

「いや、いいです」

「そう。じゃ、シカゴで」と諦めてくれた会長。

「じゃ」――本当はシカゴには行かないんです!っていうのが喉元まで出かかったけど、誰と交換するでもないピンバッジ2個とユニフォームをビニール袋に丸め、僕は会長の視線を背中に地下鉄駅へと向かったのでした。


先週から水球練習を再開したけど、このゲイ・ゲイムズを直前にしていたから練習内容がとってもハードで実践的だった。そんな中でも、先週出会った新人君(ピアス青年)は頑張って練習に来ていた。

「前回、自己紹介しなかったよね」と言って僕のほうから話しかけてみた。

「ああ、僕はトム。だけど、君、20代の集いに来てたよね。2年位前のことだけど」

え?どうも僕らは昔出会っていた模様・・・。でもきくところによると、トムはその1回しか20代の集いに行かなかったとか。よくよく記憶を辿ってみると、そういえばこのトムと夕食の席が隣だった。確か大学院に通っていて、元カレが難聴者だったので手話ができるとかどうとか。出身地はミネソタ州とかミシガン州とかその辺りで、風貌が物語っているように両親は北欧系の出身とか。

水球チームに(というか、アメリカ人一般の間で)大人になってもここまでブロンドっていう人(特に男)がいないので、トム君はとても目立ちます。しかも顔立ちもかわいい20代。僕とトム君がキャッチボールの練習をしていたら、キャプテンのマークが仲間に入ってきて3人でパス練習。その後、トム君と僕、ジーンともう一人の4人でシュート練習をしていたら、ジーンともう一人がトム君に優しい手ほどきで、いつのまにか僕は孤立状態・・・。身長190センチはあろうかという巨体のゴールキーパー、トムなんかは、泳ぎが下手なトム君の体を水中で支えながら、もろ体さわりまくりの手ほどき。そしてジミーもトム君へ手取り足取りの指導。しかもロッカールームではトム君の眼前に水着も脱いで仁王立ちするジミー。

あんたら、やらしすぎ!と心では思いながらも、トム君への嫉妬心に気づいた僕は、そんな感情を抱いてしまった自分をいやらしいと思って我に返ったのでした。