意外に危ういバランスの中で、なんとか中央集権を保っているのが中国の実態 by佐々木俊尚 飯田浩司のOK! Cozy Up 令和元年6月19日放送分
https://youtu.be/vxAatZMaVLE
25:00位~
あのね、中国の中央政府ですね。習近平の正当性をどこまで脅かすかっていうの、キーポイントじゃないかと思っていて。
正当性?
要するに、この条例に関しては、あくまで香港の行政府がやってる事であると。それは香港が勝手にやった事だから、中国政府にはあまり関係ない。
だから、それ、撤回しても大丈夫。でも行政長官をクビにするっていうのはね、香港の行政長官は本国の任命指名なんです。それをクビにしてしまうと、これは中央政府の正当性に抵触するんですよ。だからコレは絶対出来ないっていう。
アッなるほど。
だから、権力に何処まで接触するかどうかで、多分、この問題は考えないといけないんじゃないかと。中国はね、さっきもチョッと話しましたけど、中国共産党の正当性みたいなのを滅茶苦茶気にしてるんですよね。あの国を統一する為に。
だから、例えばウィグルとかね、チベットとか、無茶苦茶弾圧するじゃないですか。なんであんな…別にチベット仏教が盛り上がっても、別にそれで中国が侵略される事は無さそうなんだけども、何故、そこでやるかっていうと、どっかで反乱の火の手が上がってしまったら、抑えきれなくなるって恐怖が常にある。
中国って実際、過去を見るとね、征服王朝時代っていのが結構あって。
征服王朝?確かに。
漢民族の王朝もあるんだけど、例えば「明」とかは漢民族の王朝でしたよね。でも、その後にきた「清」は満州族の王朝だし、「明」の前の「元」はモンゴル帝国ですから、これも征服王朝。要するに、ほっとくと、どっかから侵略されて、侵略者に王朝を作られるっていうのが中国の歴史で、それを皆、怖がっているワケですよ。中国の人たちはね。中国政府は。
そうならない様に、必至で抑えているのが中国なんですよ。だから共産党独裁政権に見えて、意外に危ういバランスの中でなんとか中央集権を保っているってのが中国の実態であるっていうことを知れば、案外、こういう問題ってスッキリ見えてくるモノが僕は有るんじゃないかと。怖がってんですよ、実は。
怖がってる?!
怖がってる。
で、これ、中国の中央としては、まぁ、色々識者の人も指摘していますけども、まぁ、経済的に潤おわせて、そして、徐々に権利は剥奪しながらも、「でも、金が稼げるからイイだろう、イイ暮らし出来るだろう」って言ってきたのに、今回、二百万人が表に出てきた。これってやっぱり、どうなんですか?怖いんですか?
基本的には怖いでしょうね。だから、それが海外から言われた分には彼ら気にしないワケですよ。逆にね、例えばアメリカや日本が何か言ってきたとしても、それは、それに対して立ち向かう共産党っていうイメージを作れるじゃないですか。
1番怖いのは、香港二百万人デモが国内に波及する事ですよね。それが旨く防げるんであれば、後は、もう、ほっとけみたいな感じなんじゃないかなぁ。内乱ですよ。彼らが1番怖いのは。
もうね、中国共産党って何考えているのか、何を怖がっているのかって、もっと日本は学ばなきゃいけないんじゃないかなと凄く思うんですよね。
確かに、色んなニュースがネット上飛び交っていますが、ラジオ・フリー・アジアっていう、そこの中国語版のツイッター・サイトが書いていたんですけど、北京の市内で地下鉄の出口ん所で、公安が張ってて、スマホ見せてみろと。
で、スマホに香港のデモに関する様な画像だとかが入っていたら、その侭しょっ引くみたいな事をやっているっていう報道が。あれしかも映像付きだから、恐らく本当にやってんだろうなという感じ。エッこんな事までやんの?っていう…。
ラインとかで、中国人らしき犯罪者が、お金送ってみたいな詐欺事件起こすじゃないですか。あん時…
ロマンス詐欺みたいな。
そうそう。天安門事件って返事すると消えるらしいですよ。中国共産党が全部盗聴してるっていうか。フィルタリングしているので
Great Fire Wallっていう奴。
そうそう。そこで天安門事件ってやりとりが出た瞬間に、バサッとアカウント削除されるらしいです。
アカウントごと
そうなんですよね。もう、徹底してますよね、そこはね。それもねぇ、やっぱり、巨大な権力を誇示したいとかっていう、そんなバカな話じゃなくって、もう、徹底的に恐怖がありですね、統制しなければならないですね。
確かに中国って軍事費がドンドン伸びていくっていう怖さも指摘されていますけど、国内の公安に掛ける金ってもっと凄いんでしょうね。
中国行くと分かるんですけど、こんなに警察官要る?っていうね、そこら中に警察官が居る。しかも軍隊と征服があんまり変わらないので、何かそこら中に軍人が居るイメージが凄いですよね。
僕思うんだけど、日本ってあんまり中国の事、研究してこなかったじゃないですか。まぁ、歴史的にみると、それこそ奈良時代に、遣唐使、遣隋使の時代には、中国に一種「朝貢国」みたいな扱いで行ってたんだけど、その後、もう、ドンドン距離をおいてですね、
多分その後歴史的に接触したのは、元寇位。弘安の役とかね。あれもまぁ、九州で撃退して、何もなく終ったんですが、それから江戸時代に至る迄、細々と貿易くらいしてたけど、政治的には殆ど接触しないまま、近代まで来ちゃったワケですよね。
で、近代になって、もう1回接触始まるんだけど、そこでは最早、日本はいち早く西洋化、近代化して、強大な武力を持った国として、中国を侵略しに行ったって。立場がひっくり返ってしまった。
で、そのなんか歪な関係性が尾を引いていて、何となく…例えば今、右、左の人達がどういう風に中国を思っているかと言うと、右の人は何か嫌中ですよね。中国嫌い、気に食わない。
で、一方で、左の人はどう思っているかと言うと、日中戦争でね、中国に対して大変な損害を与えて、中国人は被害者であるみたいな。
何か極端な弱者、被害者と何か強大で気に食わない国っていうね、何か両極端になってしまっている。
もうチョッと、冷静に客観的に中国って一体どういう国で、何を考えていて、日本としては、どういう風に付き合えば良いのかって言うね。最早、中国と付き合わないでは、我々生きてはいけないですから。
香港がここでね、大変な事になったら、台湾にも波及し、台湾に波及したら、日本にも波及し。
結局、北朝鮮問題で、何が問題なのかっていうと、韓国っていう、あそこの重しが無くなってしまって、北朝鮮側、中国側に行ってしまったら、日本は直接、中国と向き合わなければいけない。
色んな意味でね、もう、中国と対面する機会がドンドンドンドン増えてきている。そこで我々はもう1回、だからこそ、中国を冷静に客観的に研究する時期が来てるんじゃないかなぁと思うんですよね。
研究して、そしてまぁ、ある意味、どうやったら、巧い事、離れて付き合えるか
そうなんですよ。だって戦争はしない方がイイし、したら負けますよ、日本はね。
向こうは残念ながら、核保有国であるという事を考えなきゃいけない。
そうなんですよ。それからアメリカの重しが無くなったら、その先、どうなるかも考えなきゃいけなくなってきているワケですよ。だから、まぁ、向き合う為にはどうすれば良いのかということですよね。
https://youtu.be/vxAatZMaVLE
25:00位~
あのね、中国の中央政府ですね。習近平の正当性をどこまで脅かすかっていうの、キーポイントじゃないかと思っていて。
正当性?
要するに、この条例に関しては、あくまで香港の行政府がやってる事であると。それは香港が勝手にやった事だから、中国政府にはあまり関係ない。
だから、それ、撤回しても大丈夫。でも行政長官をクビにするっていうのはね、香港の行政長官は本国の任命指名なんです。それをクビにしてしまうと、これは中央政府の正当性に抵触するんですよ。だからコレは絶対出来ないっていう。
アッなるほど。
だから、権力に何処まで接触するかどうかで、多分、この問題は考えないといけないんじゃないかと。中国はね、さっきもチョッと話しましたけど、中国共産党の正当性みたいなのを滅茶苦茶気にしてるんですよね。あの国を統一する為に。
だから、例えばウィグルとかね、チベットとか、無茶苦茶弾圧するじゃないですか。なんであんな…別にチベット仏教が盛り上がっても、別にそれで中国が侵略される事は無さそうなんだけども、何故、そこでやるかっていうと、どっかで反乱の火の手が上がってしまったら、抑えきれなくなるって恐怖が常にある。
中国って実際、過去を見るとね、征服王朝時代っていのが結構あって。
征服王朝?確かに。
漢民族の王朝もあるんだけど、例えば「明」とかは漢民族の王朝でしたよね。でも、その後にきた「清」は満州族の王朝だし、「明」の前の「元」はモンゴル帝国ですから、これも征服王朝。要するに、ほっとくと、どっかから侵略されて、侵略者に王朝を作られるっていうのが中国の歴史で、それを皆、怖がっているワケですよ。中国の人たちはね。中国政府は。
そうならない様に、必至で抑えているのが中国なんですよ。だから共産党独裁政権に見えて、意外に危ういバランスの中でなんとか中央集権を保っているってのが中国の実態であるっていうことを知れば、案外、こういう問題ってスッキリ見えてくるモノが僕は有るんじゃないかと。怖がってんですよ、実は。
怖がってる?!
怖がってる。
で、これ、中国の中央としては、まぁ、色々識者の人も指摘していますけども、まぁ、経済的に潤おわせて、そして、徐々に権利は剥奪しながらも、「でも、金が稼げるからイイだろう、イイ暮らし出来るだろう」って言ってきたのに、今回、二百万人が表に出てきた。これってやっぱり、どうなんですか?怖いんですか?
基本的には怖いでしょうね。だから、それが海外から言われた分には彼ら気にしないワケですよ。逆にね、例えばアメリカや日本が何か言ってきたとしても、それは、それに対して立ち向かう共産党っていうイメージを作れるじゃないですか。
1番怖いのは、香港二百万人デモが国内に波及する事ですよね。それが旨く防げるんであれば、後は、もう、ほっとけみたいな感じなんじゃないかなぁ。内乱ですよ。彼らが1番怖いのは。
もうね、中国共産党って何考えているのか、何を怖がっているのかって、もっと日本は学ばなきゃいけないんじゃないかなと凄く思うんですよね。
確かに、色んなニュースがネット上飛び交っていますが、ラジオ・フリー・アジアっていう、そこの中国語版のツイッター・サイトが書いていたんですけど、北京の市内で地下鉄の出口ん所で、公安が張ってて、スマホ見せてみろと。
で、スマホに香港のデモに関する様な画像だとかが入っていたら、その侭しょっ引くみたいな事をやっているっていう報道が。あれしかも映像付きだから、恐らく本当にやってんだろうなという感じ。エッこんな事までやんの?っていう…。
ラインとかで、中国人らしき犯罪者が、お金送ってみたいな詐欺事件起こすじゃないですか。あん時…
ロマンス詐欺みたいな。
そうそう。天安門事件って返事すると消えるらしいですよ。中国共産党が全部盗聴してるっていうか。フィルタリングしているので
Great Fire Wallっていう奴。
そうそう。そこで天安門事件ってやりとりが出た瞬間に、バサッとアカウント削除されるらしいです。
アカウントごと
そうなんですよね。もう、徹底してますよね、そこはね。それもねぇ、やっぱり、巨大な権力を誇示したいとかっていう、そんなバカな話じゃなくって、もう、徹底的に恐怖がありですね、統制しなければならないですね。
確かに中国って軍事費がドンドン伸びていくっていう怖さも指摘されていますけど、国内の公安に掛ける金ってもっと凄いんでしょうね。
中国行くと分かるんですけど、こんなに警察官要る?っていうね、そこら中に警察官が居る。しかも軍隊と征服があんまり変わらないので、何かそこら中に軍人が居るイメージが凄いですよね。
僕思うんだけど、日本ってあんまり中国の事、研究してこなかったじゃないですか。まぁ、歴史的にみると、それこそ奈良時代に、遣唐使、遣隋使の時代には、中国に一種「朝貢国」みたいな扱いで行ってたんだけど、その後、もう、ドンドン距離をおいてですね、
多分その後歴史的に接触したのは、元寇位。弘安の役とかね。あれもまぁ、九州で撃退して、何もなく終ったんですが、それから江戸時代に至る迄、細々と貿易くらいしてたけど、政治的には殆ど接触しないまま、近代まで来ちゃったワケですよね。
で、近代になって、もう1回接触始まるんだけど、そこでは最早、日本はいち早く西洋化、近代化して、強大な武力を持った国として、中国を侵略しに行ったって。立場がひっくり返ってしまった。
で、そのなんか歪な関係性が尾を引いていて、何となく…例えば今、右、左の人達がどういう風に中国を思っているかと言うと、右の人は何か嫌中ですよね。中国嫌い、気に食わない。
で、一方で、左の人はどう思っているかと言うと、日中戦争でね、中国に対して大変な損害を与えて、中国人は被害者であるみたいな。
何か極端な弱者、被害者と何か強大で気に食わない国っていうね、何か両極端になってしまっている。
もうチョッと、冷静に客観的に中国って一体どういう国で、何を考えていて、日本としては、どういう風に付き合えば良いのかって言うね。最早、中国と付き合わないでは、我々生きてはいけないですから。
香港がここでね、大変な事になったら、台湾にも波及し、台湾に波及したら、日本にも波及し。
結局、北朝鮮問題で、何が問題なのかっていうと、韓国っていう、あそこの重しが無くなってしまって、北朝鮮側、中国側に行ってしまったら、日本は直接、中国と向き合わなければいけない。
色んな意味でね、もう、中国と対面する機会がドンドンドンドン増えてきている。そこで我々はもう1回、だからこそ、中国を冷静に客観的に研究する時期が来てるんじゃないかなぁと思うんですよね。
研究して、そしてまぁ、ある意味、どうやったら、巧い事、離れて付き合えるか
そうなんですよ。だって戦争はしない方がイイし、したら負けますよ、日本はね。
向こうは残念ながら、核保有国であるという事を考えなきゃいけない。
そうなんですよ。それからアメリカの重しが無くなったら、その先、どうなるかも考えなきゃいけなくなってきているワケですよ。だから、まぁ、向き合う為にはどうすれば良いのかということですよね。