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旅の友・ポップス編 (370) 『女ともだち』

2018-03-05 15:15:18 | 旅の友・ポップス編

『女ともだち』 サウンド・トラック
”Le Amiche” Sound-track 【YOUTUBEより】


1955年制作のミケランジェロ・アントニオーニ監督による同名のイタリア映画の主題歌です。
映画はチェーザレ・パバーゼの小説をもとに、トリノのブティックを舞台にして主人公の女ともだちとそれに関わる人々
との無味な人間関係を鋭い感覚で描いたアントニオーニ監督の初期作です。後日の『情事』や『太陽はひとりぼっち』
のように【個】を中心とした完成された作品ではありませんが、群像劇の中に見受けられる知的リアリズムの開花は
高く評価される新手法であったことは間違いありません。アントニオーニはこれを機に、映画は物語を見せるものではなく、
登場人物の心理を映像表現する映画へと進化していきました。
主題歌の『女ともだち』はジョヴァンニ・フスコの作曲でサウンドトラックも彼の楽団の演奏によるものです。アンニュイな
メロディは人間不信の冷たさを見事に表わしていいます。
作曲者のジョヴァンニ・フスコは、これまでのアントニオーニ作品『女ともだち』『さすらい』『情事』『太陽はひとりぼっち』
『赤い砂漠』などを担当したアントニオーニの盟友でしたが、『赤い砂漠』を最後にコンビを解消しています。

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映画の公開順が、完成された『情事』、『太陽はひとりぼっち』の後だけにどうしても見劣り感が否めなかったのは
仕方がありませんね。