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法人の不法行為

2009-09-09 02:18:39 | 法律
法人の不法行為

民法44条は法人の不法行為のついて規定していますね。
判例の立場である法人実在説では法人独自の行為を認めるわけですから、
当然法人の不法行為も認められます。
法人が不法なことするって?っと思われるでしょうけど、実際は代表機関である理事の行為が法人行為とされるのです。
でも理事の行為が全て法人の行為とされるわけではありません。
理事の職務の範囲内の行為というのが条件です。
つまり、理事が職務範囲内において違法行為をして損害を負わせた場合に法人がその不法行為責任を負うわけね。

問題は理事から代理権を与えられた者がその代理権の範囲内で不法行為を行った場合はどうでしょう?
この場合は、たとえ理事から代理権を与えられたとしても、法人の行為とは見なされません。
あくまでも代表機関である理事の行為が法人の行為とされるのです。
それじゃこの場合の責任は誰が取るの?
民法44条は適用されませんが、715条の使用者責任を追及することができます。
但し、使用者責任は44条の不法行為責任とは違って過失責任とされていますよ。
だから、選任・監督責任をきちんと果たしていたと解される場合は、715条の責任を負うことはないわけね。
そうなると法人は責任を負わないけど、実行行為者である理事やその行為に対して賛成した理事などが責任を負うことになる。

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