芳子ちゃんの団地。
ここの3階に芳子ちゃんは住んでいる。
私が高校生の時に引っ越してきた市営団地だ。
新築で入ったから、もうかれこれ30年以上経っている。
同じ階の住人で、芳子ちゃんが一番古株だ。
ちょっとの差で越してきたお宅の奥さんはちゃんと私のことを覚えてくれている。
勉強は全くダメだったけれど、一人前に挨拶だけはキチンとしていたからかな。
「あら、ちいちゃん、お母さんの所へ来たの?元気だった?」
こんなオバハンになってもちゃんとわかるんだね~~~。
覚えてくれていたんだ。
嬉しいなあ
バス通りに出る階段のところにこんなものがある。
もう何年も前から設置されているが、こんなに綺麗な状態ではなかった。
必ず汚れていた。
泥の足跡がべったりついていたり、生ごみの切れ端がおちていたり、汚物がついていたりで、とても座れる状態ではないのだ。
あまりの酷さにベンチが泣いているよ・・・
それを見るたび、とても淋しい気持ちになって、そのうち腹が立ってくる。
こんな風に粗末に扱う人がいるのなら、いっそ外してしまえばいいのにとさえ思った。
出来たら、この団地の住人ではなく、外部の人であってほしい。
長い階段を一所懸命登ってきて、こんな風にきれいなベンチが待っていてくれる。
身体の不自由な人や、お年寄りにとって何より嬉しい憩いの場。
いつの頃からか、このように綺麗でいつでも安心して座れるベンチになってくれた。
本当によかったよかった
菊みたいな可愛いお花もたくさん咲き乱れているよ。
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