武蔵野つれづれ   第3の生活を自由人として

中国での体験記を記して参りましたが2012年の秋に帰国しましたので、これからは武蔵野での生活を徒然なるままに書きます。

第30話 北京の春節2011年

2011-02-08 21:04:04 | 北京

 中国人にとって、春節(旧正月)は国慶節と同様最も大切なイベントである。一週間ほどが休日となり、この時は親族が一堂に会し、一族の安泰を確認する。

 昔のように農民がほとんどという時代は親族は近辺に住んでいたから、一堂に会するのも難しく無かったと思われるが、今のように多くの若者が農村から都会に働きに出ている時代に一斉に帰省するのだから大変である。
私の勤めている会社でも、ほとんどが20-30代の社員で中国の各省出身である。一ヶ月前から、どうやって列車の切符を入手するかが、彼らの焦眉の関心事となる。乗車10日前から売り出すが、すぐ売り切れとなる。会社を休んで窓口で長時間並ぶ社員もいる。やっと切符を入手できてもトイレの中まで人が入り込むほどキュウキュウ詰めらしい。列車・バスを乗り継いで10数時間かけてやっと故郷にたどり着いたとかいう話も珍しくない。この民族の大移動を中国語では春進と呼び、交通機関の混み具合などが連日TVで話題となる。(日本の盆暮れの帰省ラッシュを大がかりにした感じである。)

 自然院は今年の春節は北京に駐在している息子夫婦のマンションで過ごすことにした。1月の正月は日本で過ごしたから、今年は正月を2回迎える感じで、ちょっと得した気分である。

 春節の特徴は、花火である。中国人はもともと花火が大好きで、会社でもちょっとしたイベントがあったり、VIPが来訪したりするとすぐ花火をあげる。しかし、春節の花火は別格で、春節前から、街角では急ごしらえの花火の屋台出現し大々的に花火を売り始める。

 
 花火売りの屋台

 圧巻は大晦日(今年は2月2日)。夜7時頃から周囲から花火の音が聞こえ始め、12時に近づくと最高潮に達する。街の角角から花火と爆竹が聞こえる。ポンポンというような断続音ではない。外に出ると滝のそばにいるような、連続した爆音である。隣の人と話するにも大声を出さないと聞こえないほどである。

  
【左】周り360度、花火花火花火。 【右】街路は硝煙で包まれる。花火による火事も珍しくない。

翌日は、花火の残骸が道に広がる。

 
残骸を片付ける清掃員。赤い四角い箱に打ち上げ花火が詰まっている。後の祭りか、祭りの後か。