地方病院での耳鼻科医の取り組みに協力
当時
ハリ麻酔のニュースに接した地方病院の耳鼻科医が取り組み
成功した記事が地方紙に載った。
私は、早速当地の鍼灸師の仲間を誘い、見学させていただき
いろいろと話を聞いてみた。
鍼灸を全く知らない耳鼻科医O先生の話は興味深かった。
先生は、まず病院の近くの鍼灸師を訪ねて話を聞き
「ツボ(経穴)」に関する本を購入して、
耳鼻科領域の治療に使用するつぼを書き出し
使用頻度の高いところから
鍼灸師に教えられた「管鍼法」で数箇所刺してみて
「効果」を確かめながら実践を始めたとのことであった。
要するに「理論抜き」の体当たりであった。
この見学の後
私は、毎週病院を訪ね、経絡理論による「ツボの決定」に協力した。
先生は、10数本の鍼を置鍼していたが
先生と協議し、最終的には
「合谷(術野の反対側)ー三里(同側)」に落ち着いた。
それでも、先生は専門の私には、鍼を刺させず自分で
たどたどしい手つきで針を刺していた。
その後、地方紙で二人の取り組みの記事が大きく出て
患者が増えたようだった。
しかし、私は、「専門家」としては先生との関係のあり方は不満であった。
そのうち、病院では何となく耳鼻科の手術ができなくなり
先生も「自宅開業」となり、協力関係は自然に消滅し
「スキー仲間」や新しい「医療グループ」となって交友が続いた。