前回の診察時に白血球が少なかったので、血液検査だけ受けに行ってまいりました。
採血担当は、初めてお会いする、茶髪にキリッと眉毛のモデル風お姉さま。
待ち時間に見ていて「今日はこの人がいいなぁ」と思っていたら
運よくその方の順番に当たりました。
とっても手際が良くて、しかもお上手。こういうときは幸せです。
今日はいつものI医師が外来に出ていないので、もう一人のI医師の診察です。
※わかりにくいから、IB医師とさせていただきます。最近はやりの「KY」風に苗字を略してみました。
診察といっても検査結果を聞くだけ。
IB医師ものんびりしたもので「少し片付けようと思ってねぇ」と言いながら
1年以上に渡って積み重ねられてきた私のカルテの中身を
机の上にぶちまけておられました。
どうやらこの先生、几帳面な性格のご様子。
いつものI医師が日付順に無造作に重ねていた検査結果の紙などを
検査項目ごとに分けて束ねながらの診察。
ちらりと覗き見てみましたが、なにが書いてあるのか私にはさっぱり。
ただ、いろんな検査があったんだなぁと思うだけでした。
白血球は3100。好中球が34%で1054。
けっして多いとは言えないけど、今までの推移からして妥当な数字だろうとのこと。
前回「ガン細胞は出ていない」とだけ教えられた腹膜の検査結果も
結果が書かれた用紙をあらためて見せてくださいました。
そこには「炎症細胞があります」と書かれていました。
これは、抗がん剤を入れれば正常細胞でも炎症を起こすので
ガンではない患者に抗がん剤を入れて検査すると同じ結果がでるとのこと。
私はなかなか結果が「CLASS Ⅰ」にならないことが不安だったのですが
健康な人でもⅠという結果が出ることは稀なんだそうです。
なぁんだ、そうだったのか。もっと早く知りたかったです。
入院前にもう一回採血しなくていいのかなぁとIB医師はしばらく考えておられました。
手術までに、輸血の準備のための血液検査が必要なのだけれど
自分は「輸血部に頼むのだから念のため早めに」と考え
I医師は「血液はできるだけ新鮮なもので」と手術ギリギリに採りたがるのだそうです。
性格の違いがこんなとこにも出るのですね。
このIB医師、とってもおしゃべりな方でして
今日もいろんな話を聞かせてくださいました。
自分の息子が赤ちゃんだったときのエピソードや
I医師と時に意見が衝突することもあるという話
欧米人の食生活の考え方に頭をひねってしまった話
自分の食事を母親が見て「その食べ方どうにかならないの」と言われた話、等々。
もちろんなんの脈絡もなく話すわけではなく、こちらの質問に答えながら
それに関して思い出したことなんかを聞かせてくださるのですが
とてもおもしろくて良い気分転換になります。
めったにお会いできない先生なので、今日もいろいろ質問してしまいました。
手術後の治療について聞いてみたところ、私に関してはあまり心配していないとのこと。
今までこれだけ長い間、平然と治療に耐えてきた人だから
手術後も充分耐えられるでしょう、と。
そう言われれば、なんとなくそんな気がしてきました。
手術後の生活はといえば、食事に関しては
なにもわからない赤ん坊に生まれ変わると思ってください だって。
何が食べられるか、どうすればお腹が痛くならないか
一口ずつ時間をかけて覚えていくことになりますから、と。
う~ん、なんか大変そう。
でも「うまれかわる」ってステキな響き。
違う人生を歩めるわけではないけれど
自分の中のなにかひとつでも新しく生まれ変われるのなら
それはとっても良い経験なのではなかろうか。
そう無理矢理前向きに考えていたら
IB医師は見事に私の幻想を打ちのめしてくださいました。
胃の摘出手術をした後、腸閉塞を起こす人はやはり多いそうで
その手術の際「ほとんど噛み砕かれていないキンピラゴボウがゴソッと出てきた人」や
「シメジの束が原型のまま出てきた人」がいるんだそうです。
普段から早食いの人に多いらしく、私はまさしくそのタイプ。
今のうちから直しておくようにと言われてしまいました。
ちなみにIB医師は普段から100回は噛むんだそうで
あまりによく噛みすぎるので、母親に「気になる」と注意されたんだとか。
輸血に備えて自己血の採取はできないのかということも聞いてみました。
実は一番最初の手術のとき
輸血に関する書類に承諾のサインをするのを私は渋ったんです。
その書類には「手術まで時間がある場合には自己血を保存しておくこともできる」
というようなことが書いてありまして
なんでもいいからイチャモンをつけて手術から逃げたかった私は
「他人の血で余計な病気をもらいたくない、
なんでこのことをもっと早くに知らせてくれなかったんだ」と言って
駄々をこねたんですな。
しかし、今日IB医師の話を聞いて納得しました。
自己血を使えるのは心臓病などのいわゆる「機械の故障」に関する手術だけで
細胞が侵されている病気に関しては使えない、と。
考えてみりゃ当たり前のことです。
せっかくガンを取ったのに
そこにまたガン細胞を含んだ血液を入れるわけにはいきませんものね。
さらに、事前に大量の血液を採るには体調などの条件も厳しいため
アレルギーがあって他人の血液が使えないとか
よほどの大量出血が予測されるとか
あとは宗教上の問題とか、特別なときに限られるんだそうです。
納得はしましたが、それならそれで書類にちゃんとそう書き記すか
医師の説明がほしいです。
書いてあるのに出来ないって、なんだかなぁ。
今度機会があったら、そのことも話してみようかしら。
血液検査の結果を聞くだけのつもりが、けっこう長話をしてしまいました。
でも、セカンドオピニオンを受けるほどではなくても
こうやってたまに違う医師の話を聞くのも有益だと思います。
同じ医療チームで同じ診療方針に従っていても
考え方の違いとか、どのポイントを重要視するかの違いがありますから
いつもとは違う視点から考えることができます。
それに「この医師にはこの類の話が聞けるけど
こっちの医師にはどうも聞けない」ってのもありますしね。
手術が終わったあとでも、あえて診察日を替えてもらうなどして
F医師とI医師とIB医師、そして看護師のOさん、
いろんな方にお会いできるようにしてみようと思います。
最後に「インフルエンザにだけはかからないようにしてください」と注意されて
お暇してまいりました。
なかなか充実した診察でございました。
採血担当は、初めてお会いする、茶髪にキリッと眉毛のモデル風お姉さま。
待ち時間に見ていて「今日はこの人がいいなぁ」と思っていたら
運よくその方の順番に当たりました。
とっても手際が良くて、しかもお上手。こういうときは幸せです。
今日はいつものI医師が外来に出ていないので、もう一人のI医師の診察です。
※わかりにくいから、IB医師とさせていただきます。最近はやりの「KY」風に苗字を略してみました。
診察といっても検査結果を聞くだけ。
IB医師ものんびりしたもので「少し片付けようと思ってねぇ」と言いながら
1年以上に渡って積み重ねられてきた私のカルテの中身を
机の上にぶちまけておられました。
どうやらこの先生、几帳面な性格のご様子。
いつものI医師が日付順に無造作に重ねていた検査結果の紙などを
検査項目ごとに分けて束ねながらの診察。
ちらりと覗き見てみましたが、なにが書いてあるのか私にはさっぱり。
ただ、いろんな検査があったんだなぁと思うだけでした。
白血球は3100。好中球が34%で1054。
けっして多いとは言えないけど、今までの推移からして妥当な数字だろうとのこと。
前回「ガン細胞は出ていない」とだけ教えられた腹膜の検査結果も
結果が書かれた用紙をあらためて見せてくださいました。
そこには「炎症細胞があります」と書かれていました。
これは、抗がん剤を入れれば正常細胞でも炎症を起こすので
ガンではない患者に抗がん剤を入れて検査すると同じ結果がでるとのこと。
私はなかなか結果が「CLASS Ⅰ」にならないことが不安だったのですが
健康な人でもⅠという結果が出ることは稀なんだそうです。
なぁんだ、そうだったのか。もっと早く知りたかったです。
入院前にもう一回採血しなくていいのかなぁとIB医師はしばらく考えておられました。
手術までに、輸血の準備のための血液検査が必要なのだけれど
自分は「輸血部に頼むのだから念のため早めに」と考え
I医師は「血液はできるだけ新鮮なもので」と手術ギリギリに採りたがるのだそうです。
性格の違いがこんなとこにも出るのですね。
このIB医師、とってもおしゃべりな方でして
今日もいろんな話を聞かせてくださいました。
自分の息子が赤ちゃんだったときのエピソードや
I医師と時に意見が衝突することもあるという話
欧米人の食生活の考え方に頭をひねってしまった話
自分の食事を母親が見て「その食べ方どうにかならないの」と言われた話、等々。
もちろんなんの脈絡もなく話すわけではなく、こちらの質問に答えながら
それに関して思い出したことなんかを聞かせてくださるのですが
とてもおもしろくて良い気分転換になります。
めったにお会いできない先生なので、今日もいろいろ質問してしまいました。
手術後の治療について聞いてみたところ、私に関してはあまり心配していないとのこと。
今までこれだけ長い間、平然と治療に耐えてきた人だから
手術後も充分耐えられるでしょう、と。
そう言われれば、なんとなくそんな気がしてきました。
手術後の生活はといえば、食事に関しては
なにもわからない赤ん坊に生まれ変わると思ってください だって。
何が食べられるか、どうすればお腹が痛くならないか
一口ずつ時間をかけて覚えていくことになりますから、と。
う~ん、なんか大変そう。
でも「うまれかわる」ってステキな響き。
違う人生を歩めるわけではないけれど
自分の中のなにかひとつでも新しく生まれ変われるのなら
それはとっても良い経験なのではなかろうか。
そう無理矢理前向きに考えていたら
IB医師は見事に私の幻想を打ちのめしてくださいました。
胃の摘出手術をした後、腸閉塞を起こす人はやはり多いそうで
その手術の際「ほとんど噛み砕かれていないキンピラゴボウがゴソッと出てきた人」や
「シメジの束が原型のまま出てきた人」がいるんだそうです。
普段から早食いの人に多いらしく、私はまさしくそのタイプ。
今のうちから直しておくようにと言われてしまいました。
ちなみにIB医師は普段から100回は噛むんだそうで
あまりによく噛みすぎるので、母親に「気になる」と注意されたんだとか。
輸血に備えて自己血の採取はできないのかということも聞いてみました。
実は一番最初の手術のとき
輸血に関する書類に承諾のサインをするのを私は渋ったんです。
その書類には「手術まで時間がある場合には自己血を保存しておくこともできる」
というようなことが書いてありまして
なんでもいいからイチャモンをつけて手術から逃げたかった私は
「他人の血で余計な病気をもらいたくない、
なんでこのことをもっと早くに知らせてくれなかったんだ」と言って
駄々をこねたんですな。
しかし、今日IB医師の話を聞いて納得しました。
自己血を使えるのは心臓病などのいわゆる「機械の故障」に関する手術だけで
細胞が侵されている病気に関しては使えない、と。
考えてみりゃ当たり前のことです。
せっかくガンを取ったのに
そこにまたガン細胞を含んだ血液を入れるわけにはいきませんものね。
さらに、事前に大量の血液を採るには体調などの条件も厳しいため
アレルギーがあって他人の血液が使えないとか
よほどの大量出血が予測されるとか
あとは宗教上の問題とか、特別なときに限られるんだそうです。
納得はしましたが、それならそれで書類にちゃんとそう書き記すか
医師の説明がほしいです。
書いてあるのに出来ないって、なんだかなぁ。
今度機会があったら、そのことも話してみようかしら。
血液検査の結果を聞くだけのつもりが、けっこう長話をしてしまいました。
でも、セカンドオピニオンを受けるほどではなくても
こうやってたまに違う医師の話を聞くのも有益だと思います。
同じ医療チームで同じ診療方針に従っていても
考え方の違いとか、どのポイントを重要視するかの違いがありますから
いつもとは違う視点から考えることができます。
それに「この医師にはこの類の話が聞けるけど
こっちの医師にはどうも聞けない」ってのもありますしね。
手術が終わったあとでも、あえて診察日を替えてもらうなどして
F医師とI医師とIB医師、そして看護師のOさん、
いろんな方にお会いできるようにしてみようと思います。
最後に「インフルエンザにだけはかからないようにしてください」と注意されて
お暇してまいりました。
なかなか充実した診察でございました。