ひざっこぞうのがんばるブログ

スキルス胃ガンになっちゃったバツイチ母の闘病メインだけど他にもいろいろ書いちゃう日記

19回目の点滴

2008-01-12 | 闘病生活
久々「闘病生活」の記事です。
前回点滴を受けたのが12月8日ですから、1ヶ月以上間隔が空いたことになります。
ホントに久しぶりでした。

採血は、麻呂眉の、古風な顔立ちの優しいお姉さまが担当でした。
この方は上手なんですよねぇ。
ちょっと乱暴なので、針を抜いたあとの出血が多いのが難点ですが
あっさり終わらせてくれました。
昨年酷使された私の血管も、年末年始のお休み中に少し回復したのかもしれません。

I医師は、私の顔を見るなり「調子良かったんでしょ」と笑っていました。
血液検査の結果に、体調の良さが如実に現れているんだそうです。
「他の患者さんもみんな元気になっててねぇ。
なのに治療を始めなきゃいけないのが申し訳なくて」とおっしゃっていました。
治療をすればするほど体調が悪くなる病気だなんて
改めて「副作用のない薬の開発、急いでくれよ」と思いましたね。

白血球は4800。好中球が48%で2304。問題なしです。
血圧は100-57。やっぱり低いな。
これは体調が良くても上がるものではないようです。

今日は入院と手術の話を、前回よりも少し詳しく話し合ってきました。
I医師の経てた計画どおり
1月20日前後に検査を受けて1月末に結果を聞き
問題なければ2月半ばに入院して手術というスケジュールで進むことにしました。
高額医療費のシステム上、入院期間が2ヶ月に渡るのはもったいないのですが
できれば3月末の娘ッ子の春休みには自由のきく体になっていたいのです。

手術後の治療についても聞いてみました。
ガン細胞のある箇所を手術で全部取れたとしても
やはりその後、見えない転移があることを考えて抗がん剤治療は続くのだそうです。
それも半年から1年ほど。。。今と同じ治療が。。。
私の頭の中は、途端に不満でいっぱいになりました。

胃を取ってしまったあとの治療の方が今よりよっぽどつらいのは目に見えてんじゃん。
そうならないために胃を温存したんじゃなかったの?
ついこの前、医療事故で白血球が減少して亡くなった人がいると新聞に載ってたけど
今度はそういうことに怯えなきゃいかんの?

それでも取らなきゃいかんのか?
取ったらすっきりできると期待してたのは間違いだったのか?

それだけ長い期間治療を続けるんなら
抗がん剤だけでガンを消すことができるかもしれないじゃん。

という不満は、頭で渦巻くだけでその場では言葉にならなかったので
I医師ではなく、化学療法室で点滴をしながら看護師さんにぶつけてみました。
看護師さんいわく「外科医は手術で取りたがる」んだそうです。
そしてその後の転移や再発を防ぐために
できるだけ長いこと抗がん剤の投与を続けたがるんだそうで。
それって「手術で治した」という実績が欲しいだけのことではないのか?

じゃあ内科医は薬で治そうとするんだろうか?
一時治まった「セカンドオピニオンを受けたい」という気持ちが
まためらめらと燃え上がってきてしまいました。

さぁどうする?私。

でもひとつ、希望の持てる情報を看護師さんから聞きました。
私と同じ状況で同じ治療を受けていた男性(化学療法室で顔見知りの方)が
先ごろ手術を受けたんだそうです。
経過は良好で、腹膜のガンもほとんど無くなっていたとのこと。

あらまぁ。先を越されましたねぇ。
私は国内初の症例になりそびれてしまいました~。

でも前例があるってのは心強いです。
前例とは言っても、つい最近のことですから
その後の経過がわかる前に私も決心しなければいけないわけですが
その方が手術を選んだということは、やはり納得できるなにかがあったのでしょう。

少し気持ちを整理して、次回の診察時には不安を正直に話して
また医師をいじめてみちゃおうかと思います。
おっと、次の診察はI医師が学会出席のため、久しぶりのF医師の予定。
ごめんなさいF先生。私はまた駄々をこねます。

さて、かつて看護師さんが提案してくださった「点滴の液を温める作戦」ですが
進展があったようです。
点滴の台に取り付けて、体に入る直前に液を温める機械があるんだそうです。
すげぇな、今時の技術って。

でもそれを導入する前に
部屋の温度を調整することによってどうにかしようという「ケチケチ案」も検討されたようで
まずはそちらの実験から始まっている模様。
私と同じ治療をしている人のお腹に
体温を計れるシールをぺたんと貼って15分毎にお腹の冷え具合をチェックするというもの。
私はたぶんやられていないと思います。
いつも毛布でしっかり体を包んでいましたから。

その結果、室温を高めにすることによって冷えは防げるのではないかということです。
ただ、それが通用するのは誰でもが寒いと感じるこの時期だけで
春や秋の、人によって暑かったり寒かったりする頃には調節が難しいとのこと。
機械、導入しようよぉ。

当分は使い捨てカイロを持参して、終わった後にお腹に忍ばせておくしかないようです。
だって外に出ると一気に冷えるんだもん。

そうそう、今日の腕からの点滴は、手首側面の血管に刺されてしまいました。
今までもたいていその辺に刺そうとするのを、がんばって拒否してきたんですが
あんまり何度も拒否るのも悪いので、もうあきらめました。

すんげぇ痛かったです。
終わるまでずっと痛かったです。
腕からの方が、お腹のポートよりも早い時間で終わるので
終わったらさっさと抜いてもらいました。
だからイヤだったんだよ。

家に帰ったら訃報が届いていました。
友人のお父様が肺がんで闘病中だったのですが、亡くなられたとのこと。
昨年秋に治療を始めたばっかりだったのに、病魔の進行が早かったのでしょうか。

こういう話を聞くと、自分の病気の怖さを思い知らされます。
でもその一方で、私は生きてやる!という闘志も湧いてきます。
ガンが不治の病でなくなる日が早く来るように
喜んでそのための実験台になってやろうじゃないか、とね。