湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

ネクタイの男

2020-03-10 13:26:00 | コラム
私の友人が
とある男性(一般人)の
インスタの写真に恋してしまった。

年齢、職業は、もとより明かしてなく
写真も、ネクタイを締めている姿

しかも、顔は見せていない。
スーツにワイシャツ
ネクタイ、そして、『手』


ネクタイを締めかけている、
もしくは、外しかけている。
そんな『手』

写真を見ては
空想に想いを馳せている。

ある日
友人が私に相談してきた

この彼の年はいくつだろう、、と。

話には聞いていたけど
実際の写真を見るのは初めてだった。

綺麗な指、手をしていた。

ほっそりとした指

紺色にストライプの
ネクタイに指をかけて
顎下からワイシャツの首元

『80歳ぐらいだろうか?』
『それとも、30歳ぐらいだろうか?』

なにげに心配している友人に
その時、飲んでいた紅茶を吹きそうになってしまった。

『いやいや、もっと若いよー
写真加工して、綺麗に撮ってるけど
手に浮いてる血管からみて、
80歳にしては、手にシワやシミがなく、30歳にしては、血管浮きすぎでしょ』

『だから、40歳ぐらいから50歳じゃないのー』


そういいながら
私もその写真をずっと眺めていた。

友人は、
どこの誰でも
スーツのネクタイに自分が
胸がキュンとするのか試したくて
嵐のスーツの写真の
顔を隠して見てみたらしい。

なんの胸キュンもしなかったと。

面白いことだなぁって
私もずっと眺める羽目になるが
どうしてだろう。

男性はもとより
スーツを着ると
魅力が3割増しだと言われている。

しかし、トータルでのことじゃないのか。

だれでもスーツを着る
ワイシャツを着る
ネクタイを締める
そして、そこに手が添えられる


たとえ、
同じスーツ
同じワイシャツ
同じネクタイだとしても
きっと、そこに添えられた手が
おそらく、何か感じるものが違ってくるのだろうと思う。

そこには
見えないけれど
引き合う波長なのか
呼ばれる魂なのか

きっと、『何』かが、あるのだろう

人って
面白いね。

その人にとって
この人の手だからこそ
胸キュンしてしまうのかもしれない。

友人が
忙しい合間に
ホッとする時間が
たとえ、そんな写真であったとしても、何にもないより
励みであり、楽しみであり、
胸キュンに繋がるなら
すごく良いことだと思った出来事だった。










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