惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

「お客様は厄病神だ」(4)

2010年12月01日 | situation
ついカチンときて書く予定のなかったことを、昨日は書いてしまった。

gooブログの編集画面の件は、わたし自身の見るところでは、要するに新しい編集画面を不満なく使えるユーザだけが残ってほしい、あとの奴はいらん、ということだろうと思っている。だいたい、タダかタダ同然でユーザを募って、googlebotさんのほかにはほとんど誰も読まない(ということは広告宣伝の役にも立たない)飼い猫やら食い物やら、はたまた素人哲学やら(笑)の記事を書かせておいて、それでどうして商売になるかと言えば、要はその外でユーザ(blogの主)にいろいろ売りつけることが商売になっているわけである──なっているとすればの話である。実際にはこの不況で、いい加減ビジネスモデルとしても辛くなっているから、そういう商売の顧客というよりATMのように確実に金を吐き出してくれる顧客機械の比率を高めようとしているのである。

以前も書いたことだが、いわゆるアフィリエイトというのもおんなじで、あれはアフィリエイト契約した人が自分で商売するためにあるというよりはよほど、アフィリエイト契約した人にいろいろ売りつけるためにある、というようなところがあるわけである。コドモのころから「玩具メーカの悪夢」だったわたしにその手は通用しない(笑)が、毎日々々飽きないねえと言いたいくらい、商品の宣伝mailが届く。それがまたたいてい女性の好みそうな商品ばかりであって、中年男のオレにそんなもん売りつけてどうすんだよという話だが、つまりはダイレクトメールと同じである。女性の中には、ほんのごくごく少数だが、この種の手口に釣られるために生まれてきたのではないかと思いたくなるくらいオツムの弱い人が、どうしても存在するわけである。

新聞の購読をやめてしばらくの間はテレビ番組雑誌というのを買っていた時期があった──今はもうテレビもないから買ってない──のだが、あのテレビ番組雑誌というのも、モノによっては完全に女性誌の作りだった。こっちはテレビ番組表のために買っているのだから別に構わないのだが、毎号毎号よくもまあ飽きもせず巻頭にはジャニーズ系タレントの話題、巻末にはダイエット法やらの広告記事が、これでもかというくらい大量に掲載されていて、完全に女性誌の作りになっていた。

こういうのを阿漕な商売だと言いたいわけではまったくない。それどころかそもそもこれこそが大衆消費資本主義のグランドセオリーであり、ビジネスモデルの大枠なのであって、つまりは「お客様は神様です」という文句の実効的な含意なのである。一方ではわたしのような「広告主の悪夢」が山ほどいるわけだが、それはコストのうちで、要はそういう連中をたくさんかき集めたその中に顧客機械のATMが何台か混じっていればいい。事実一定割合で必ず混じっている。顧客を選別することに腐心するよりは、無造作にたくさん集めた方が結局は効率がよい、ということがこのグランドセオリーの成立する根拠になっているわけである。いな、もはや過去形で「なってきた」と言うべきか。


「ひなとけだま」(縮小・背景色調整済)ニコニコ静画/ちるだ様
→pixiv
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TRW-S09c (ver. 0.1) | TOP | googleが壊れているような気... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | situation