惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

民主党代表選・各候補の見解

2011年08月27日 | 報道から
民主党代表選 共同記者会見

民主党の代表選挙が、27日、告示され、立候補した5人の候補者は、日本記者クラブ主催の共同記者会見で、自民・公明両党との大連立政権を含めた野党との連携の在り方について、前原・前外務大臣が「自民党に時限的な大連立を呼びかけたい」と述べたのに対し、海江田経済産業大臣は「そもそも大連立には反対の立場だ」と述べるなど、候補者によって見解が別れました。
(NHKニュース・8月27日 16時22分)

このニュースではこのあと4つの項目についてそれぞれの候補者の見解がまとめられている。こういうのは表にした方がわかりやすいので、表にしてみる。

増税 エネルギー大連立小沢氏
前原復興財源については、円高やデフレが脱却できていない状況を考えれば、機械的に増税を考えるべきではない基本的に新たな原発は作らず、段階的に縮小し、電力供給のベストミックスを確立することが大事だ。今後の総合的なエネルギー政策などの在り方を決めていくために、臨調のようなものを作って議論していきたい自民党に時限的な大連立を呼びかけることを前提とすべきだ。ただ、相手が乗ってこなければ、国会がねじれているので、政策ごとに丁寧な協議を行うメカニズムを作ることが大事だ党内で議論して決まった処分であり、今の執行部の考え方を踏襲するのは当たり前だ。全員野球をするために、グループなどに関係なく、適材適所で使っていくことが大事だ。人事の出来ぶりで判断してもらいたい
馬淵復興財源の負担は、建設国債などを60年で償還するというルールの中で、世代間で負担していく考え方が基本だもっとも重要なのは、汚染の拡大を止めることで、国が責任をもって進めることを明らかにすべきだ。エネルギーの選択肢を狭めずに、原子力とも向き合って、制御する技術をしっかりと作ることに取り組むべきだ大連立ありきではないが、ねじれ国会の中で、無理に政策を通すのではなく、いかに与野党が歩み寄るかが重要だ。国会の権能をしっかりと動かすことに一歩踏み出すべきではないか与党議員の意見をどのように吸い上げ、政府と一体化させるか、相当知恵を絞らなければならない
海江田復興の財源は国債の発行でかまわない。命を守るためのインフラの整備に思い切ってお金を使うべきだ福島第一原発の原子炉を冷温停止の状態に一日も早く持って行きたいし、福島県民の健康診断を前倒しして、子どもたちなどの健康不安をなくしていきたい。長く使用した原発は廃炉にしていきたい私はそもそも大連立に反対の立場だ。まずは党内融和を図り、挙党態勢を取ることが大事だ。解決しなければならない課題については、すでに与野党で修正協議を行うなど、国会の機能が果たされている小沢元代表が党員であることは間違いない。小沢氏を慕う人も多く、力を借りたいと思うのは当然だ
野田復興財源は、歳出の削減や特別会計の見直しなどを検討しながら、その後は、時限的な税制措置をとらざるをえない住宅などの除染を徹底するため、今年度の第3次補正予算以降の対策をしっかり考えていきたい。安定的な冷却から冷温停止、そして廃炉に向けて、国がしっかり主導していきたい。福島の再生なくして日本の再生はないお互いの違いを乗り越えて合意形成できる国会に変わってきており、もっと加速させるべきだ。その延長線上に、いろいろな視野を持ちながらも一つ一つの問題を与野党で協議していくことが大事だ内輪もめしたり、『あいつが嫌いだ』と言ったりしていたら、政権運営はできない。一人の豪腕ではできず、全員野球だ
鹿野理屈のうえでは、増税をしなければならないが、今の経済状況の中で、どう見ても否定的な考え方に立たざるをえない原発の再稼働に向けて、しっかりと安全点検を行い、信頼される情報を提示して、地元の理解を求めることが大事だ。再生可能エネルギーを広め、安定した電力供給を行っていきたいどういう形なら協力関係ができるか、率直に話し合いが行われなければならず、自民党と公明党との協議機関も1つの考え方だ。まずは、民主党が野党と話し合える態勢を作ることが優先される 民主党は、政権党としてまとめていかなければならないという、基本的な認識に欠けていた。新たな態勢をつくる以外に民主党の再興はない

こうして見るとエネルギー政策については馬淵氏が最も明確で、適切なことを言っている。増税しないことと挙党体制ということでは海江田氏が明確である。あと、強調はつけなかったが、鹿野氏がまともなことを言っている(再生可能なんたらだけは余計だ)。

海江田氏はエネルギー政策についてやや明確さを欠くものの、全体的に見た場合には最も(わたしが)許容できる見解を示していると思う。

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