惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

ガケップチ・カッフェー

2010年11月07日 | pride and joy
ガケップチ・カッフェー 1
(モーニングKC)

大前田 りん
講談社
Amazon

※表紙画像は「やっとかめ どっとこむ」様より拝借

唐突だけど。実はかれこれ半月くらい前からこの記事を書こうとして、仕事場ではそう考えていながら、なぜか家に帰ってくる頃にはすっかり忘れてしまう、ということを繰り返していた。だからまた忘れないうちに書いておくという次第。

この作品は連載当時、毎回貪るように繰り返し読んだくらい好きな作品のひとつだったのだが、この単行本に収録されている第1部が終わって第2部が始まったと思ったら、確かその2回目くらいで突然中断し、そのまま事実上の打ち切りになったという作品だった。

なんで中断したのかって、そりゃどう見ても作者が第1部で燃え尽きてしまったのだろうと当時思った。人気はあったから無理矢理続きを描こうとしてみたが、やっぱ無理、となったのだろう。再開してから突然投げ出すように中断してしまったあたり、編集者よりは作者本人が申し出たことであっただろうと察せられたことであった。

上の表紙画像を拝借してきた「やっとかめ どっとこむ」様の記事によると、実際作者は心身症だか何だかを患って仕事が続けられなくなってしまった、とある。わたしは自分が物書きだったこともあって、そう言われても「ふふ、ホントかねえ」などと思ったりする方だが、作者が第1部を描き上げるためにほとんど狂気じみた神経を使っていることは、長年のマンガ読みの経験から間違いないと思っていた。だから診断はともかく、神経がイカレて仕事が続けられなくなったというのは、確かにそうだったのだろうと思う。

なんにせよ作者がこの一作を最後に現役復帰できなくなったくらい、文字通り心血を注いだ、これはバブル時代の日本の最後も最後、掉尾を飾る大傑作である。決して忘れられてほしくはない、だが、こんな作品が輝ける時代は再び来ないだろう。


・・・って唐突に何貼ってんだと思うだろうが、この作品を読むときにかけておくべきBGMとはこれなのである。先祖代々巨人ファンのわたしがわざわざ言うのだから信じてもらっていいことである。

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