瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

#74

2013-03-31 23:39:31 | 考える日々
こんなことを書くとなかには不愉快に思う人もいるだろうから、不愉快になりたくない人は読まないでね。ま、別にそれほどたいそうな話でもないんだけど、読む人によっては皮肉にもブラックにも受け取り、嫌な気分にさせることになるかもしれないのでね。そんな内容だよ、とあらかじめお伝えしておきます。これでともかく忠告はしましたからネ。読んでしまったのち、この嫌な気分どうしてくれる!と言われても困りますから。

こんな前置きすると、今度はブラックを期待する人のハードルが高くなりそうだね。あちらに気を遣うと、次はこちらから苦情が出そう。ま、みんなが満足なんてあり得ないんだから、どこからかは文句が出るのは仕方がないね。ここは人を不愉快にさせないことに気を遣うのを優先して、ブラックを望む人の期待に応えられず文句が出るのはやむを得ないということにしましょう。

いやなに、たいしたことじゃありません。親子丼というのは酷いネーミングだなあ、と最近感じたもんだから、ただそれだけ。酷いというのは残酷ということね。下手くそな名付け方ってことじゃないよ。下手くそどころか実にピッタリの名付け方だよね。これしかないってくらいのもんだ。だからこそ残酷な名前になっちゃってる。親子もろともに食らってやるぞって感じがして、ちょっとエゲツない。なんだか親子惨殺丼というニュアンスを感じるのよね。そう感じるの、あたしだけ? あたしが可怪しいのかしら。たぶんそうなのよね。わかってる。皮肉屋だとか、ひねくれてるって言われることよくあるから。

でも皮肉でも、ひねくれてるわけでもないんだがなあ。あたりまえのこと言ってるだけだと思うんだけど。食卓にのぼる食事っていうのは他の命を奪ってそこに並んでいるものばかりなんだから、いってみれば全部惨殺の賜物よ。他の命を食らうことで己の命をつないでいるというあたりまえのことを言っているだけなんだけど、あたりまえのこというと嫌な顔する人、結構多いのよね。ま、気持ちわかるけど。親子惨殺丼って思っちゃうと美味しくないもんね。でも、あたしは平気。酷いネーミングだよって思いながら美味しくいただけます。やっぱり親子だけあって相性抜群だよなあって賛辞も忘れません。残酷? そう残酷なのよ。残酷なことをしないと命断たれちゃう。殺生しなきゃどうしようもない存在なのよね、私たち。でもその自覚があるから親子惨殺丼と意識しながらも美味しくいただけると思ってる。

ひきつづき鶏肉の話なんだけど、クリスマスにも思うのよねえ。今日は普段の何割り増しで鶏肉出荷されてるのかしらって。人間が浮かれてるその後ろでは、いつも以上に命が葬り去られてる。みんなの笑い声に彩られる風景には鶏たちの屍が累々と横たわっている。って、この書き方はちょっと意地悪だったかも。やっぱり皮肉屋かしら、あたし。

でもここで話をおしまいにしちゃ、後味悪いだろうから、ちょっとフォローしておきましょうか。若い頃なら、あたし本当のこと言っただけだもんって言いっ放しにしておいただろうけど、歳をとって、ちっとは言われるほうのことも考えるようになったからね。このまま終わってはマズいよね、とは思うようになったわけよ。

たしかにクリスマスで普段にも増して鶏の大量虐殺をするんだけど、それは一面なのよね。それだけ捉えて残酷だって言っちゃうと片手落ち。一方でこの日は、みんなが他人にやさしくなれる日でもあるのよ(鶏には厳しいけど。ってやっぱり一言多いよね、あたし)。日常的に他人を思いやれることができればいうことないけど、なかなか難しい。でもこの日ばかりはあたたかい気持ちでいたいと思うでしょ。人間にはこういう一面もあるわけで、残酷ってばかりじゃない。
普段の食事でも、同じ食卓を囲むことで絆を強くしてるわけで、たんに他の命を奪っているばかりじゃない。食べながら人と人は情を通わせているのよ。そうしていろんなことを育む存在でもあるわけよ、人間っていうのは。

どんなことにも両面があるし、なかには多面体だったりもするわけで、これで人間もなかなか複雑よ。殺生する残酷な存在だとして、なにも絶望する必要はないのよね。それは一面。別の面に光を当てれば、また違った姿も浮かび上がる。人間には絶望と希望が同居してるだけだから。さまざまな矛盾を抱えているだけだから。それを見据える強さを持ちたいなあってことよ。人はダークサイドをないことにしがちだから。そして、そのいろんなことを昇華したいもんだよねえ。昇華したらどんな存在になるのかしらね。それをブッダというのかな。だったら、あたしには無理。人間って複雑よねって言ってる程度じゃアねえ。
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