瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

人類の幼年期。日本の老年期。

2016-11-23 09:36:14 | 随想
クラークの小説に「地球幼年期の終わり」というのがある。確かに人類史を見ると未だに私たちは幼年期のような気がする。戦争を飽くこともなく繰り返すこの心性は幼年期と言っていい。

心性は幼年期のまま推移しているが、社会の活力という視点では人類史は幼年期から老年期までを何度も繰り返している。栄枯盛衰は世の常である。

少子高齢化が進む日本という国は老年期である。
トランプ大統領の出現で世界がどのように変化していくのかわからないが、日本においては人口の年齢構成の変化ですでに老年期という変化を迎えている。その先にあるのは死である。

先の戦争で負けたことを日本はあの時に死んだと見るなら、この先にある日本もあのような崩壊をみせることになるのだろう。今回は戦争という形ではなく人口の年齢構成の変化による自壊である。

崩壊の後には再生である。
本来ならその過程で心性の再創造があってしかるべきなのだが、残念ながら先の戦争の後の日本の再生においてはそれがなされなかった。高度成長期という青年期の後、バブルという浮かれた中年を演じたあげく、貧困の老年期である。老年期は成熟した豊かさを謳歌する時なのにそれが出来ていない。心性が再創造されず幼年期のままだから成熟した老年期を迎えることができなかったのである。

今回の崩壊の後の再生においては心性の再創造に成功して欲しい。
戦後日本に引導を渡す時代を生きる私たちは次代に生きる人たちが再創造出来る土壌を作っておかなくてはいけない。幼年期はそろそろ終わりにしなくては。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 変化とホメオスタシス | トップ | 公正と解放と、そして自由 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。