じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

『斉藤孝の実践!日本語ドリル』

2005-06-20 23:57:55 | 本棚
タイトルに騙されないで、是非この本を手にとってみて下さい。

斉藤孝さんは、色々な本を出されているかたです。
でももしあなたが、初めて斉藤孝の本に手を出すのなら、
まずはこの本を、プロフェッショナルのはしくれとしてお薦めしたいと思います。


「ドリル」と題されていて、確かに問題も載っているのですが、
(しかもその「問題」は「これ以上ないほど洗練されている」)
ドリルであるという以前に、この本は、
「単なる読み物」として十分に耐えうるポテンシャルを持っています。

載っている問題を解くのが面倒なら、
すっとばして本文と解答を読んでしまえばいいです。全く問題ないです。

ところで、
この人の本はどれも、比較的読みやすいものが多いですが、
今回ご紹介したこの本の、良いところの一つに、
「うすい」ということがあります。
薄いのに、中身が濃い。

しかも、「問題を解く」形式になっているにもかかわらず
「問題を解かされている」という感覚には不思議とならない本。
大人になっていても、この本で力を伸ばすきっかけを作れる。

色々な点で、お買い得な本だと思います。


ですが
「この本を推したい」、個人的な理由は

「日本語力は、文章のうまい下手を超えて、考える力に直結している。」

と、

「日本語力が何故必要なのか」という命題について、明確に答えを読者に示している点が、すばらしいと感じたからです。


今までいくつかの仕事を経験してまいりましたが、

その中で思ったことなんですが、
日本語力というのは、特に
「生活の中で、楽しみながら」叩き込むほうが、よいのです。


総合的学習がなんたらとか、学校では色々言っていますが、
それを、「生徒が楽しめるように」やれる能力のある教員は
残念ながら、ごくわずかだと思います。

特に中学では、内申の問題があるので、
先生のほうもあまり、余裕はありません。

また、生徒は生徒で、内申がかかっていますから、
先生の授業に嫌々でも付き合っている場合がいっぱいあります。

「いやいや」している勉強では、
定期テストで点数を取れても、
実際の生活に、学んだことを応用していく力は、つきません。

この本は、実際の生活に応用していける力がつくという点でも
すばらしいのです。


もし読者様が親なら、子供さんと一緒に、
あるいは、恋人や伴侶、飲み仲間と一緒に、
この本で楽しく遊んでみてください。


斎藤孝の実践!日本語ドリル―日本語力がみるみる身に付く50題

宝島社

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (oyaji)
2005-06-21 20:36:55
早速買い求めたいと思います。

感想はいずれまた。
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はじめまして。 (picco)
2005-06-21 23:51:33
眼鏡牛さんにご紹介いただいてときどきこっそり覗いていました^^;



私の父が数学の教師だったのですが、何に関しても読解力が一番と言われてきました。

読解力のある人(国語の出来る人)は英語や数学は特に出来ると。



やっぱり日本語(言葉)の表現が上手な人ってちょっと憧れたりします。

あんまり横文字?ばっかり使っていると怪しく感じたり・・・

(環境にも寄りますが)



>日本語力というのは、特に

「生活の中で、楽しみながら」叩き込むほうが、よいのです。



私も同感です。

会話をしたり読書を楽しんだりすることは結局はいろんなことにつながるんじゃないかなぁって思いますよ。

自分の子どもにも伝えたいなぁと思います。







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oyaji院長へ (介護人たま)
2005-06-22 17:52:57
うわ、うれしいなぁ!



是非是非お買い求めいただき、よろしければまた、感想を教えていただければ嬉しいです。
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piccoさまへ (介護人たま)
2005-06-22 18:42:57
ようこそお運びくださいました。

コメントありがとうございます



お父様のお言葉、身に染みます。



亡くなった父のしてくれたことを、思い出しました。

研究者でしたので、父親としての接触は非常に少なかったのだけど、彼に、本当に感謝しています。



また、是非お立ち寄りください。
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