じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

泣き言。(1)

2005-09-22 01:53:13 | ブラックたまの毒吐き
病院へ見舞いに行くたび、ばあたんは、
側にいる数時間の間、
感情の「晴れと雨」が激しく入れ替わる。

じいたんなどはしびれをきらしてしまう
(それは「夫」として当然だと思う)けれど、

わたしは、そんなばあたんが、
愛おしくてたまらない。



会話も殆ど成り立たなくなってしまった。

ばあたんが言いたいことも、分かりづらく、
また、
わたしの言葉を、理解してもらうのも、難しくなった。

ばあたんが入院している病院のスタッフも、
皆が全員痴呆への対応が上手いわけではなく、
好きでこの仕事をしているわけでもない。

だからなおさら、ばあたんの苛立ちと悲しみは
私が来たとき、ダイレクトにわたしにぶつけられる。

でも、その痛みさえ、いとおしい。


***********************


ここまで症状が進行しても、まだ、通じる言葉がある。


「たまちゃんは、おばあちゃんが、大好きだよ。
・・・愛してるよ。」


ばあたんは、必ず、返してくれる。
もう、言葉も殆ど通じない状態なのに、これだけは。


「おばあちゃんも、たまちゃんが、大好きよ。」



一昨日の見舞いの日、
病院のスタッフの方や、他の見舞い客、
何人もの人に、言われた。

「"たまちゃん"ですよね。
 おばあさまが、いつも、お名前を呼んでおいでですよ」



・・・ちくしょう、なんで、

なんで、こんな真夜中すぎの時間に、
こんなことを、思い出すねん。

これじゃ記事もコメント返信もでけへんやん。


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4 コメント

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たまさんも。 (ひめ)
2005-09-22 12:35:15
晴れと雨の気持ちがいったりきたりね。

意味のないことは、きっとないから

夜中に思い出さなくちゃならなかったのかも?

大丈夫、大丈夫…。
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ひめ (介護人たま)
2005-09-22 22:18:43
そうなんよね。

今の生活、「嬉しいことと悲しいこと」が

全部リンクしてて、なんかココロが複雑なんよね。

大丈夫かね、うん、大丈夫よね。

ありがとう、ありがとう。
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おばあちゃんの素直さ (シホリーヌ)
2005-09-29 18:01:34
mixiのかわうちさんのところから

辿り着いてきました。



私は職業として介護に関わる人間です。

痴呆になったお年寄りの

かわいい素直さが大好きで

ずっとずっと仕事を続けていますが



自分の祖父祖母は亡くなっていないので

身近な人が痴呆になったとき、

私がどう感じるか、

まだわかりません。



たまちゃん、あなたもかわいいですね★
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シホリーヌさま (介護人たま)
2005-10-04 02:12:03
ようこそお運びくださいました^^ コメント残してくださってありがとうございます。



介護職に携わっておいでとのこと。

本当にいつも、お世話になっております。

我が家は、我が家に係わる介護職の方々に恵まれていて、皆様のおかげで何とか、わたし一人でも二人の介護をしていける状態です。



どうかこのお仕事に誇りを持って、お続けいただけたらと思います。

辛いことも多い仕事ですが、生きている命はそれだけで、とても愛おしい存在なのだ、と、祖父母の介護を通じて私は確信しています。



また、よろしければお運びください。お待ちしています。
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