じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

「大恩は謝せず」

2005-10-06 10:51:02 | あの一言。
以前、カジュアルな異業種交流会で出会った女性に教えていただいた言葉です。


大変な恩を頂いたとき、
それに敢えて何かのご恩返しをしようと考えず、

「ありがとうございます」

という感謝の心を抱き続け、
ご恩返しが出来ないという十字架を背負ったまま
生きてゆくことが大切だという意味らしい。


  そうか、そんな報恩のしかたもあるのだ。


目からうろこが落ちる思いだった。

沢山の人に助けられて、生きている。
そのおこころを無にしないような生き方をしたい。

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10 コメント

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恩返し (AGRICO)
2005-10-06 14:08:18
私ももう、どのくらい恩返しをしようとして要らぬ背伸びをして来てしまったか・・・

今思えば恩返しは相手のためではなくて、自分のためにしていたのですね。自分のちっぽけな満足のために。そんなことなどしても全然報いることのできないくらい大きなものを受けとってしまっている。

そんな恩返しならしてもしなくてもどちらでもよかったのかもしれない。



受けた厚意をありがたく受け取ってただ感謝する。その気持ちが結果的に「厚意のバトンタッチ」を産むのですね。



なるほどなあ、と思いました。そのような十字架ならどれだけ背負ってもいいですね。背負えば背負うほど身の軽くなる魔法の十字架。お互い十字架を背負わせ合いましょう。
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謙虚に (neko50)
2005-10-06 14:08:34
「お返しできないほどの恩義によって自分は生かされている」という思いが、人を謙虚にさせるのですね。

「謙虚である」ということが 実はとても難しいのだと この歳になって実感しております。
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大きな恩 (うさと)
2005-10-06 15:26:34
本当に大きな恩を受けたとき、それはやっぱり返しきれないものですよね。おごらせてもらうなんて程度のものではないですものね。

そういうものって、きっと、その人でなく、次につなげていくことが恩返しってことになるのかなっと、考えてます。

たとえば、たまさんが私にくれる言葉、それを、その重さでたまさんに返すことは難しい。だから、たまさんに、そうして違う誰かに、そのときたまさんが私にしてくださったように、思いのこもった言葉を伝えたいと思うのです。
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少し違うけど (のん)
2005-10-07 08:17:55
「情けは人の為ならず」

っていうのもありますね。

ずっと情けをかけるとその人のためにならないって意味かと漠然と思ってましたが、いつか自分の元に返ってくるんですよってな意味ですかね。

私はこの言葉の意味を知ったときやっぱり目からうろこでした。
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おはようございます (たもと)
2005-10-09 09:32:43
私も少し違う話になりますが、ある人に受けた大きな恩というのは、意外にその人には返せないことが多いと思います。というか、私の場合はそういうことが多いです。



だから、ある人に受けた恩は、自分ができる時にまた別の人に返す、ということになります。というか、私の場合、結果そういうことになるのです。



優しくしてもらうと、人は自分もまた他の人に優しくしようと思うんだなーと思います。
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AGURICOさまへ (介護人たま)
2005-10-09 15:19:59
ようこそお運びくださいまして、ありがとうございます^^



要らぬ背伸び…、ああ、でもその背伸びする姿って、案外と、与えてくれたひとを喜ばせたかもしれません。

わたしの経験だけれど、…たとえば教え子たちがそんな背伸びをする姿をみるにつけ、彼らの、成長しようとする「いのちの意思」のようなものを感じ、それを目の当たりにできる幸福をうれしく感じたものでした。



そして、いつかは、別の人に、還して、還して、つなげて。ね。…って、彼らの後姿を見るのです。



この十字架を背負うということは、きっと喜ばしいことなのですね。つくづく、コメントをいただいてそう、思いました。

もし、わたしがまた、十字架を背負い損なっているようなことがあったら、教えてくださったらうれしいです。

どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。



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大恩の中には (介護人たま)
2005-10-19 16:02:26
> neko50さん

「お返しできないほどの恩義」…、わたし、もうひとつ思い当たるものがあります。

傷つけたまま、迷惑をかけたまま、もう会えなくなってしまったひと・そういう出来事の思い出…

心の中で「ごめんなさい、ありがとう、もう二度と繰り返しませんから」と唱えながら生きるしか、ないのですよね。

なかなか実らぬ青い稲穂です。
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心にも連鎖があるのかも (介護人たま)
2005-10-19 16:03:38
> うさとさん

そうですね。命の遺伝子は連鎖していくのがはっきりと見えるものだけど、心の遺伝子もきっと、目に見えないながらも連鎖していくのだと思うのです。

うまくいえないのですが、恩を受けるって、そういうことなのだと思うのです。そして他の誰かにそれを還していくということも。

そうして、未来へ、心の遺伝子を伝えていけるように生きていたいですね^^
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情けって (介護人たま)
2005-10-19 16:06:03
> のんさん

「情けは人の為ならず」という言葉、わたしも大好きです。

「情け」というものは、実は掛けた側が幸せな気持ちになるんですよね。「相手の人が少しでも喜んでくれれば」という、見返りを求めない純粋な気持ちを持つ機会を与えられた、という意味で。

多分もとの意味は「回りまわって自分のところへ還ってくる」という意味だと思うのですが、わたしは勝手に、上のように解釈しています。

だからこそ、「情け」をかけるとき決して無理をしてはいけないのですよね。

改めて、肝に銘じます。
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野の花主義 (介護人たま)
2005-10-19 16:06:27
> たもとさん

うんうん^^ たもとさんの「野の花主義」を思い出します。

上手くいえませんが、「自然なアウトプット」になるんですよね。受けた恩ってまた他へ、出していける。かつて受けた恩さえ忘れなければ。

最近全然遊びに行けてないけれど、またお邪魔しますんで、よろしくです^^
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