カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

残念!ハックルベリ─は今夏も不作

2016-08-19 23:04:08 | 出たっきり邦人・メールマガジン



    〓カナダ・アルバータ州カナディアンロッキー発〓


        カナディアンロッキーで暮らす

            No.74


☆★☆★ 残念!ハックルベリ─は今夏も不作 ☆★☆★

日本は大型台風17号が接近し、地域によっては豪雨に見舞われたようですね。
カナディアンロッキーも、4月が異常なくらい暖かったのに、5月から不安定な
お天気が8月に入っても続き、なかなか夏晴れの日がなかったのですが、先週
末から連日夏らしい強い陽射し、青い4空と積乱雲を見ることができています。

いつもなら、8月早々に初冠雪ということもあるのですが、今夏は1,2度雹が
降ったくらいで、お山のてっぺんに雪が積もるほど冷える日はまだやってきて
いません。とはいえ、朝晩の気温は常に10℃くらいに下がり、窓を開けては
寒くて眠れません。
すでにエアコンなしの夏を10回過ごし、今や体がすっかり寒冷地仕様になった
のか、この時期日本に帰ったらすぐに夏バテしそうで怖くて帰れません。

さてさて本題、毎夏の楽しみ「モンタナでハックルベリーを摘む」を、7月31日
~8月2日に実行しました。
昨年のモンタナは雨が極端に少なく、ハックルベリーが全く育たず、現地の友人
も来ても何にもないよ…というので、一年くらい大自然の恵みを受けられない
年があっても仕方がない…とモンタナ行きは中止にし、代わりにウォータートン
国立公園に出掛けました。

ところが、モンタナで起こった大規模な自然火事の煙の影響で、ウォータートン
は数日前からだんだん煙に包まれ、行った時には視界がかなり悪く、きれいな
景色がほとんど見えない状態(苦笑)
3泊ほど滞在する予定でしたが、1泊だけで早々に撤収したましたが、その煙が
風に乗りアルバータ州を北上して、キャンモアやバンフまで何もかも白い煙
の中…という日々が10日程続き、観光客はさぞガッカリだったでしょう…。

今年は7月早々モンタナの友人から連絡があり、6月に結構雨が降ったので
ハック(現地の人はこう呼びます)は実をつけるだろうという情報をキャッチ
したと言うので、すぐにモーテルを予約して、楽しみにしていました。

ところがです、その友人から出発間近になって連絡があり、7月に入って急に
雨が降らドライな日が続いていたので気になって昨日下見に行ったら、全く
ハックは育っておらず実もほとんどない状態だ!というではありませんか。
今更そんな~!ということで、カルガリー在住の友人夫妻も誘って、すでに
出発準備万端だったので、とりあえず出かけることにしました。

アメリカの国境は日曜日でしたが思ったより混雑しておらず、15分くらい並
んで通過。順調なドライブで、グレーシャー国立公園で最も標高が高いロー
ガンパスの案内所で休憩しようと話しながら車を走らせましたが、やはり
駐車場は満杯。入り口で待つ長い車の列を横目に、予定通り通過しました。

夏季は朝9時以降はいつも満車だから…と友人から聞いてはいましたが、
今夏の観光客の数は半端ではありませんでした。
カナダからモンタナに入るにはローガンパスを通らないルートもあるので
すが、こんなに混雑しているところは見たことがありませんでした。

帰路、モンタナを早朝に出れば大丈夫というので、行きはゴーイングサン
ロードと呼ばれている道路をゆっくり景色を楽しみながら走り、ウエスト
グレーシャーのゲートを出てすぐのレストランで軽くランチ、ハングリー
ホースの町にあるモーテルに直行しました。

早めにチェックイン出来たので、真向かいにある「ハックルベリーパッチ」
というハックルベリーパイやアイスクリームなど食べさせてくれるお土産店
に出かけて行き、お店の人にもハック情報を聞いてみました。
やはり7月上旬には採れていたけれど、後はドライな日が続き、実も育たず
じまいだったとのこと。例年通り、ハックがいっぱい詰まったパイが売られ
ていましたが、きっと冷凍しておいの実を使っているのでしょうね…。

念のため、いつもプロのピッカーが売りに来る地元のフードマーケットを覗
いてみるとそこには例年通り1ガロン入りのフレッシュなハックルベリーが
入ったジプロックの袋が3つほど並んでいました。
ちなみに一袋のお値段は$66!豊作の年のほぼ倍の高値です。カナダドル
にすれば$80ってことです。ここである程度の覚悟(今年も採れない…)
はできました。

初日の夕食はいつもハック情報をくれるハングリーホース在住の友人夫妻が
BBQに招いてくれるということで、彼らの自宅に出かけました。
東京ドームほどの広さの敷地の中に小じんまりとした家を建て、敷地の一部
が国立公園に隣接しているということで、家の周囲で色んな動物に遭遇する
のだそうです。隣人の気配を感じない暮らしがしたいと、土地は早くに購入
娘さんの大学進学を機に7年前に新しく家を建て移り住み、鶏を飼い、暇な
ときは釣りをし、夏はハックを摘んで…と自給自足。
本業は動物写真家とライターとして暮らしている友人夫妻のライフスタイル
ほんまもんのスローライフと言えますね。

付け加えると、彼のマウンテンゴートの写真がナショナルジオグラフィック
で特集され一躍有名になりました。興味がある方はぜひ、HPをのぞいてみて
くださいね、素敵な写真に出逢えます。 http://www.photorocky.com/
最近、集大成の写真集を出版、どの写真も素晴らしい一瞬をとらえたものば
かりで、夫は目の前でサインとメッセージまで入れてもらって感激していま
した。

翌朝は、持参の炊飯器でご飯を炊き、おにぎりを作り、いざハックルベリー
ピッキングへ!
ハックの木がたくさん生えている場所に向かい、急な細い山道をやっと登った
先には…小さな期待を抱いていたのですが、やっぱりハックは全く実を付けて
いませんでした。豊作の年に比べると、新しい枝も葉もほとんど育ってない…。
2年続きで不作とは、本当に残念でしたが、自然には逆らえず、来年に期待
するしかない…と、リベンジを誓って、持参のおにぎり弁当を食べて下山。

午後からは、ウエストグレーシャーの近くにあるレイク・マクドナルドの畔
の木陰でお昼寝タイム。
湖畔で水遊びをする人たちを眺めながら、友人の奥様手作りの和菓子でお茶
タイムもして、ひととき夏を感じていました。
せっかく遥々来て、ハックを全く持って帰れないのは残念だから…と相談の
結果2袋買いキッチン付のお部屋なのでジャムにして持って帰ろうということ
になりました。

例年なら、摘んだ実のまま持ち帰ってからジャムにするのですが、今年は何せ
高額な出費をしたので、ひょっとして実のまま持ち帰り、カナダに入国する際
意悪な係官がいて、フルーツはだめだ、などと言われ没収されたら元も子も
なくなる、ということでジャムにすれ問題なく持ち帰れるということに…。
ベリーのような小さな実はカナダ側に持ち込んでも大丈夫と聞いていましたし
今まで何度も持ち込んで一度も咎められたりはしていないのですが、このたび
来る前に、カナダ入国時に没収された人がいたという話を聞き、念には念を。

2ガロンで、15%のお砂糖を加えて、250ml瓶で14本のジャムができました!
ハックは他のベリーに比べ甘みと酸味が強く、一度ハックの味を知ると、もう
ブルーベリーは味が薄くて美味しく感じなくなってしまいました。
今夏はあまりに貴重なハックルベリージャムとなり、どなたにも豊作の年の
ように気軽にお土産として差し上げることはできません。

最終日、早起きしてローガンパスに8時半に到着。
駐車場はすでにたくさん車が止まっていましたが、1/3ほどは空いていて良かっ
た~!ローガンパスのトレイルは初めての友人夫妻と2時間ほどハイキング。
トレイルの周囲、間近なところで、何匹もマウンテンゴートに出逢い、大勢の
ハイカーが一斉にカメラを構えても、人間は危害を加えない安全な動物だとわ
かっているので動じる様子もなく、のんびりと草を食べたり岩場で塩を舐めて
いました。

一昨年以降に生まれた子供のゴートにはついていませんが、ほとんどの大人の
ゴートには発信機付きの首輪が取り付けられていて、後で画像を観ると、そこ
がどうにも不自然でネイチャー写真が専門の夫が今回カメラを持ってこなかっ
た理由がわかりました。
3年前、大掛かりな生態調査が行うために取り付けられたのです。
当初は3年すれば自然と素材が朽ちて発信機もろとも落ちる…という触れ込み
だったのですが、まだまだしっかりと首についているところを見ると、すっか
り取れて無くなるまでもうしばらく時間がかかるようです。

モンタナは日中30度を超える暑さで、涼しいロッキーから出かけた私たちは
強い陽射しを受けて、やっと本格的な夏を味わった気がしました。
そして今頃になって、ロッキーにも夏らしい日がやって来ています。
今年は春の訪れが2週間以上早かったので、そのまま夏になるのかと思いきや
5月~8月上旬までスカッと晴れる日が長く続かず、今日は晴れ!と思っても
すぐに曇ったり雨になったりする天候が続きました。
その分、ひょっとしたらインディアンサマーが長いかも…という気象予測も出て
いるので、それはそれで、冬に突入する時期が少しでも遅いと、嬉しいような
気がします。


では、また来月!
お元気でお過ごしください。


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